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2019年04月19日公開 にごり酒とどぶろくは違う!種類による味わいの違いを知ろう

にごり酒とどぶろくは違う!種類による味わいの違いを知ろう

にごり酒とどぶろくが同じお酒だと思っている人も少なくないでしょう。しかし、厳密にいえばにごり酒とどぶろくのあいだには違いがあります。にごり酒を存分に楽しむためには、特徴や味わい方に関する知識を身に付けておく必要があるでしょう。今回は、よく似たお酒であるどぶろくと比較しながら、にごり酒とはどのようなものなのかということについて解説していきます。

どぶろくとにごり酒は別物

どぶろくは漢字で濁酒と書くので紛らわしい部分もありますが、基本的にどぶろくはにごり酒とは別のお酒です。簡単に説明すると、日本酒造りの工程を通して製造されるお酒の中で、酒粕(さけかす)を分離させるための、こす作業が行われていないものをどぶろくと呼びます。どぶろくという名称の由来としては、醪(もろみ)が混じった状態の酒のことをもともと濁醪(だくらう)と呼んでおり、それが徐々になまってどぶろくになったといわれています。日本では、濁醪を神棚に奉納して来年も作物が豊かにみのるように祈願するという習慣が古来ありました。つまり、どぶろくは日本の神事と深いかかわりを持つ由緒正しいお酒なのだということができるでしょう。

酒税法においては、こす工程を経たものだけが「清酒」と定義されています。こす工程を経ていないどぶろくは清酒には該当せず、「雑酒」に分類されているのです。この分類によってどんな影響が生ずるのかというと、清酒の場合は1キロリットル当たり12万円の酒税が課せられることになります。一方、雑酒であるどぶろくの場合は1キロリットル当たり14万円の税金を支払うことが義務付けられています。ただし、どぶろくの中でも発泡性を有していてアルコール度数が10度を下回っていれば、1キロリットル当たりの酒税は8万円です。

にごり酒とはどういうお酒?

それでは、どぶろくとにごり酒のあいだの違いはどのような点にあるのでしょうか。まず、酒税法の「発酵させたうえでこしたもの」という定義に沿って、にごり酒は清酒に分類されています。このことから、どぶろくとは異なり製造過程にこす作業が含まれているということがわかるでしょう。そして、同じ清酒でもにごり酒が一般的な日本酒と区分されている理由は、液体が白濁しているという点にあります。

日本酒を造る工程のうち、酒袋で醪を圧縮して酒と酒粕に分けるために搾る工程のことを上槽といいます。この上槽の際に酒袋の目を通り抜けた醪が酒に混じると、液体が白く濁るようになるということは想像がつくでしょう。この技術を利用して、にごり酒を造るときはわざと目が粗い酒袋でこすことによって澱(おり)が含まれるようにしているのです。ちなみに、上槽には主に3つの方法があります。ヤブタという自動圧縮機で絞る方法と、槽(ふね)と呼ばれる絞り機を使う方法、酒袋に醪を入れて吊るし、滴り落ちる液体を原酒として集める「袋吊り」と呼ばれる方法の3つです。

にごり酒とひとくちにいってもさまざまな種類があり、あらばしりのように最初に搾ったものや、責めのように圧力を加えて最後に搾り出したものなどがあります。一般的に、あらばしりの清酒は香りが華やかで味わいがフレッシュであり、責めの清酒はアルコール分が多く口当たりが濃厚だとされています。また、酒粕に含まれるタンパク質やビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、食物繊維などが豊富に含まれているというのもにごり酒の特徴の一つです。栄養素が豊富なことから、にごり酒には美容効果や夏バテの防止効果も期待することができるでしょう。

濃厚な味わいと芳醇な香りが魅力

日本酒ブームの立役者でもあるにごり酒には、日本酒の初心者でもわかりやすい魅力が詰まっています。特に、濃厚な味わいと芳醇な香りを楽しめるという点はにごり酒ならではの魅力だといえるでしょう。まず、米本来の甘みが強く感じられる濃厚でとろりとした飲み口がにごり酒の最大の特徴です。澱を含んでいるため、香りがしっかりと感じられるというのもうれしいポイントでしょう。そして、にごり酒には銘柄ごとの味の違いが区別しやすいという特徴があります。

赤色酵母を使って造られたピンク色のフルーティなものや、みずみずしさが際立つ純米大吟醸のものなど、にごり酒にはさまざまな種類があります。さらに、フォトジェニックな瓶を写真に収めたり、本来の美容効果を追及したりといったように、女性でも楽しめるお酒だといえるでしょう。中には雑味があってクセの強いものもあり、何種類ものにごり酒を飲み比べながら自分の口に合う銘柄のものを探してみるのも楽しい体験となるはずです。

口当たりが軽く飲みやすい活性にごり酒

にごり酒の中には炭酸が含まれている種類があります。これを特に活性にごり酒といい、口当たりが軽いことから飲みやすいという特徴のあるお酒です。一般的な清酒では、保存期間をなるべく長くするために火入れをして酵母菌や酵素を死滅させ、発酵を止めるという加工が行われます。通常のにごり酒の場合はこの火入れの加工が施されていますが、活性にごり酒の場合は施されていないため、瓶に詰めた後も発酵が進むことになります。その結果、液体内に炭酸が発生して特徴的な口当たりの軽さやのど越しの良さが生まれるのです。なお、活性にごり酒は必ず冷蔵庫で保存する必要があります。また、開封して空気に触れると味が変わりやすいという特徴があるため、できるだけ早めに飲み切る必要があるという点にも注意しましょう。

にごり酒の美味しい飲み方は?

にごり酒をより一層楽しむためにも、美味しく飲むための方法を押さえておくと良いでしょう。まず、放置しておいたにごり酒は瓶の内部で澱と液体が分離した状態になっています。濃厚な味わいを感じるためには、瓶をゆっくりと傾けることで澄んだ液体に澱を溶かしたうえで飲んでみましょう。特に、活性にごり酒の場合は激しく振ると炭酸ガスで中身が膨張し、ふたを開けたときに中身が噴き出してしまう恐れがあります。澱が溶けていくさまを目で楽しみながら、ゆっくりと慎重に作業を行うようにしましょう。

澱を溶かす前に、澄んだ上澄みを飲んでみるのもにごり酒の美味しい味わい方の一つです。このとき、注意深く静かに注ぐことで沈殿した澱が溶け出すのを防ぐことができます。上澄みを存分に楽しんだ後で、澱を溶かしてあらためて飲むのがツウの飲み方だといえるでしょう。このように、同じ酒で2種類の味わい方ができるということもにごり酒の魅力となっているのです。次に、にごり酒は基本的に冷酒で楽しむべきお酒だといえます。活性にごり酒であればなるべく発酵が進まないように普段から冷蔵庫で保存しているでしょう。飲むときにも冷蔵庫から出したままの冷えた状態から始め、常温へと戻っていく途中の味わいの変化を楽しむのがおすすめの飲み方です。

ストレートで飲むイメージの強いにごり酒ですが、実はジュースやリキュールなどと相性が良く、カクテルとしても美味しく飲むことができます。1:1の割合でコーラやジンジャーエールと混ぜ合わせれば飲みやすくなるので、試してみるのも良いでしょう。また、ロックのにごり酒にライムやレモンを添えてみたり、1:2の割合でコーヒーとにごり酒を割ってみたりしても美味しく飲むことができます。

まとめ

濃厚で口当たりの良いにごり酒は、米の旨味や香りを存分に楽しむことができるお酒です。炭酸が含まれていて口当たりの軽い活性にごり酒もあり、日本酒を飲み慣れていない初心者であっても美味しく飲めるお酒だといえるでしょう。今回紹介した内容を参考にして、いろいろな種類のにごり酒を飲み比べながら自分好みの味を探してみてはいかがでしょうか。

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