
ひとことで日本酒といっても、実はいろいろな種類があります。中でも、比較的よく耳にするのが純米酒と呼ばれる種類のお酒です。純米酒とは、吟醸酒や本醸造酒とはどういう点が違っているのでしょうか。また、どんな飲み方をすれば美味しく飲めるのでしょうか。ここでは、日本酒初心者の人にもわかりやすく、純米酒について解説します。
日本酒と清酒は同じだと思っている人は多いですが、実は違うものです。日本酒にいろいろな種類がありますが、これは酒税法という法律があるからです。酒税法によると、日本酒は清酒とそれ以外に分かれます。清酒と呼べるお酒は、法が定めるさまざまな条件を満たしたお酒だけに限られます。酒税法上では、次の3つのいずれかを満たし、かつアルコール度数が22度以下のものだけが清酒です。さらに、ロの「その他政令で定める物品」については、酒税法施行令で詳しく規定されています。
つまり、清酒は原料や製法が法律で決まっているお酒ということになります。清酒はもともと、漉したお酒、つまり透明な日本酒を指すもので、濁り酒と区別されていました。現行の酒税法では、濁り酒もアルコール度数が22度以下であれば清酒という扱いになっています。
日本酒の中には、清酒とそれ以外のお酒があり、さらにその清酒の中にもいろいろな種類があります。純米酒、吟醸酒、焼酎などのほか、料理酒も清酒に含まれます。また、特定の名称をつけることができるお酒を「特定名称酒」と呼び、それ以外のお酒は「一般酒(普通酒)」として区別されています。純米酒は特定名称酒の1つです。
純米酒は、原料が限定されている清酒です。純米酒と呼べるのは、米と米麹、水だけで作られた清酒で、以前は精米歩合を70%以下とする規定もありましたが、2003年に精米歩合に関する条項は撤廃されました。その代わりに「香味及び色沢が良好なもの」という規定となっています。つまり、精米歩合が71%であっても純米酒を名乗ることはできますが、原料が米と米麹、水だけでないものや、等級が低い米を使用したもの、麹の割合が低いお酒には「純米酒」という特定名称を付けてはいけないのです。
精米歩合とは、玄米を精米したあとに残る白米の割合のことで、数字が低いほどお米が削られて磨かれた状態を示しています。逆に、数字が高いとぬかとして捨てる部分が少ないので、米本来の味を強く残しています。純米酒と一般的なお酒については、精米歩合何%以下という規定はなくなりましたが、一定の名称のお酒については精米歩合の規定がまだ存在しています。たとえば、「本醸造酒」という特定名称をつけたい場合は、精米歩合70%以下でなければなりません。
吟醸酒とは、精米歩合60%以下で、米、米麹及び水、または、精米歩合60%以下の米、米麹、水と醸造アルコールを原料とするお酒を注します。「吟味して製造した清酒」で、「固有の香味及び色沢が良好なもの」という規定もあります。ややわかりにくいですが、吟醸酒というのは吟醸づくりという言葉があるように、清酒の製法です。
清酒はまず、米・米麹・水を原料とする「純米酒」とこれらに醸造用アルコールを加えた「本醸造酒」とに分かれます。さらに、その中で精米歩合によって種類が分かれているのです。たとえば、精米歩合が60%以下は「吟醸酒」といい、精米歩合が50%以下のものは「大吟醸酒」といいます。「純米酒」かつ「吟醸酒」であるお酒は「純米吟醸酒」、「純米酒」かつ「大吟醸酒」であるお酒は「純米大吟醸酒」という特定名称をつけることができるわけです。一方、「本醸造酒」かつ「吟醸酒」であるお酒は「吟醸酒」、「本醸造酒」かつ「大吟醸酒」であるお酒は「大吟醸酒」という特定名称をつけて区別しています。
本醸造酒というお酒もあります。清酒のうち、醸造用アルコールを使っているものが本醸造酒で、米、米麹、水だけで作られていて、アルコールが無添加のお酒が純米酒です。醸造用アルコールを添加しているか、していないかが違いになります。醸造用アルコールを添加しているお酒としては一般酒(普通酒)もありますが、醸造酒と呼べるのは、醸造用アルコールの割合が白米の重量の10%未満のものだけです。また、本醸造酒と純米酒は原料も違います。純米酒の原料は米・米麹・水だけですが、本醸造酒は、精米歩合70%以下の米・米麹・醸造アルコール・水を原料とするお酒で、香味及び色沢が良好なものされています。
そして、精米歩合によっていくつか種類があり、精米歩合70%以下であれば「本醸造酒」、精米歩合60%以下は「吟醸酒」、精米歩合50%以下は「大吟醸酒」という名称をつけることが可能です。つまり、醸造用アルコールを10%以上添加しているお酒は「一般酒」、添加しているけれど10%以下であれば「本醸造酒」、無添加であれば「純米酒」であり、さらに本醸造酒と純米酒の中にそれぞれ、精米吟醸酒や大吟醸酒などがあるということになります。
純米酒はどのような飲み方をするとおいしいかというと、米の旨味や香りが強く残っているので、それを楽しむような飲み方がベストです。ひとことで純米酒といっても、酒米の種類が異なれば味わいや香りがガラリと変わります。また、同じ酒米でも精米歩合や、火入れのタイミングなどで味が大きく変わってきます。それが純米酒のよさでもあるわけですが、こうした違いに合わせて飲み方を変えるのは、通でもなかなか難しいものです。選ぶ純米酒によって、それぞれ美味しい温度帯が異なるので、あれこれ試してみるしかありません。
そこまでわからないという場合は、一般的には、香りや旨味がしっかり感じられる純米大吟醸酒などは、冷やかぬる燗がよいとされています。熱燗にしてしまうと、香りが強くなりすぎて、香りばかりが鼻につき、せっかくの旨味を感じづらくなってしまいます。常温か、人肌くらいの自然のあたたかさで楽しむと、純米酒の魅力を最大限に感じた飲み方ができるでしょう。あたためすぎもよくありませんが、冷やしすぎもよくありません。あまりキンキンに冷やしてしまうと、今度はせっかくの香りが薄れてしまうからです。香りと旨味を両方ほどよく味わえるような飲み方がおすすめです。
純米酒は、米・米麹・水だけを原料とし醸造用アルコールを添加しないで作られているので、米の旨味や香りを楽しめるお酒です。原料のお米の違いも感じやすく、日本酒の豊かさを存分に味わえるお酒といえるでしょう。吟醸酒や大吟醸酒などの種類もあり、飲み比べる楽しさがあります。大吟醸酒などデリケートで上質なお酒は冷やかぬる燗で楽しむのがおすすめです。純米酒ならではの豊かな香りと甘み、旨味などをたっぷり楽しむことができます。
古来よりお酒づくりが盛んだった日本では、日本酒は1つの伝統文化でもあります。中でも純米酒は、お米と水という日本が誇る自然の恵みをいかしたもので、全国各地には自慢のお米と水を使ったさままざまな純米酒が数多くあります。いろいろな味を試しながら、自分好みの純米酒を探してみてはいかがでしょうか。
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