
日本酒と言えば塩辛いおつまみ、ワインと言えばチーズや生ハムなどの組み合わせを思い浮かべる人は少なくないでしょう。確かに、これらの組み合わせは抜群の相性で多くの人たちを虜にしています。しかし意外にも、日本酒とチーズの相性が良いのです。この記事では、日本酒に合うチーズの選びかたや、実際の組み合わせを紹介していきます。
日本酒とチーズの相性が良い理由
日本酒のバリエーション
チーズのバリエーション
組み合わせのポイント1:日本酒の温度に合わせてチーズを選ぶ
組み合わせのポイント2:日本酒の風味に合わせてチーズを選ぶ
組み合わせのポイント3:フルーティーな香りの日本酒を選ぶ
日本酒とチーズのおすすめの組み合わせ
日本酒とチーズの組み合わせにもうひと手間加えるなら?
まとめ
そもそも、食べ物の旨味は「アミノ酸」の量と種類に由来しています。アミノ酸は全部で20種類あり、それぞれのアミノ酸が甘さや苦さ、酸っぱさなどの味を持っています。食べ物の味は、このアミノ酸の組み合わせによって決まります。アミノ酸の量や種類が豊富なほど、おいしい食材であると言われています。発酵は、アミノ酸を増やす方法のひとつです。食材に含まれる細菌・酵母・カビなどの微生物の力でタンパク質を分解することによって、アミノ酸に変えていくのです。発酵食品が豊かな風味を持っている理由には、アミノ酸の働きが関係していたのですね。
日本酒もチーズも、お米やミルクを発酵して造られた発酵食品です。つまり、豊富なアミノ酸成分でできているため、組み合わせることで、相乗効果が出てきてさらに旨味が増すという仕組みです。言われてみれば、一般的な組み合わせとして人気のある「ワインとチーズ・生ハム」や「日本酒と塩辛・酒盗」は、発酵食品同士の組み合わせですよね。日本酒とチーズの相性がいいのも頷ける話です。発酵食品同士の組み合わせは、健康面で見ても栄養価の増加や減塩効果が期待できるため、理にかなった組み合わせと言えるでしょう。
日本酒には、大きくわけて「特定名称酒」と「普通酒」の2種類があります。特定名称酒は、使用原料によってさらに「純米酒」と「本醸造酒」にわけられます。純米酒というのは、お米と米麹だけでつくられたお酒のことです。純米酒は精米歩合や製法によって、さらに「純米大吟醸酒」「純米吟醸酒」「特別純米酒」「純米酒」の4つにわけられます。精米歩合が低いほどに手間がかかるため、値段が高くなる傾向があります。
一方で、本醸造酒というのは米と米麹に加えて、醸造用のアルコールが添加されたものです。本醸造酒も純米酒同様、精米歩合や製法によって「大吟醸酒」「吟醸酒」「特別本醸造酒」「本醸造酒」の4種類にわけられます。アルコールによって香りがひきたち、味に丸みが出るほか、手ごろな価格で手に入るという特徴があります。これら特定名称酒に含まれないものを普通酒または一般酒と呼び、日本酒全体の実に70%が普通酒にあたると言われています。
これらの分類とは別に、発泡性のある日本酒を「発泡清酒」と呼びます。発泡清酒はスパークリングワインのような、炭酸ガスを含むシュワシュワとした飲み心地が特徴です。炭酸ガスを含ませる方法によって、「瓶内二次発酵系日本酒」「炭酸ガス注入系日本酒」「活性にごり系日本酒」の3種類にわけられます。特定名称酒や普通酒に並んで、日本酒界で地位を築いている日本酒です。
チーズは、牛や羊、山羊などのミルクを原料につくられています。ミルクに備わっている乳酸菌や酵母の力を利用して発酵させたものを「ナチュラルチーズ」と呼びます。ナチュラルチーズは、製造方法によってさらに細かく7種類にわかれます。いずれも乳酸菌が生きているため、時間が経つにつれて熟成も進んでいきます。チーズによって食べごろは違いますが、熟成具合によって異なる味や風味を楽しめるという魅力があります。一方で、1種類または数種類のナチュラルチーズを加工したものを、「プロセスチーズ」と呼びます。プロセスチーズは、加工の段階で熱処理をして、乳酸菌を死滅させています。そのため、チーズ特有の熟成が進まずに、保存性に優れているという特徴があります。ナチュラルチーズに比べて味が一定でクセがないので、一般的に多くの人に受け入れられているチーズです。
日本酒のおともにするなら、風味が豊かなナチュラルチーズがおすすめです。ナチュラルチーズには、フレッシュタイプ・白カビタイプ・ウォッシュタイプ・シェーブルタイプ・青カビタイプ・セミハードタイプ・ハードタイプがあります。どのチーズにあてはまるかは、チーズの製造方法によって決まります。まず、「フレッシュタイプ」は、熟成させずに鮮度の良さを楽しむチーズです。爽やかな風味とかすかな酸味が特徴です。やわらかいチーズの中でも特に水分量が多いため、多くは粒状やペースト状で売られています。クリームチーズやモッツァレラ、リコッタなどがこのタイプに含まれます。
「白カビタイプ」は、表面に白カビを繁殖させ、熟成させたチーズです。もちっとした食感と、まろやかな味が特徴です。表面は白いですが、中はクリーム色をしています。熟成させるほどに内部がやわらかくなり、ナイフを入れるととろりと溶け出すまでになります。食べごろの目安は、表面に赤茶色の斑点が出てきたらと言われています。白カビタイプのチーズには、カマンベール、ブリ・ド・ムランなどがあります。「ウォッシュタイプ」は、チーズ表面の菌を利用して約3週間熟成させたものです。菌独特の香りが強いため、熟成中は定期的に塩水や地酒などで洗い流します。外皮に独特な匂いが残るものの、内側はマイルドな味わいなのが特徴です。「シェーブルタイプ」のシェーブルはフランス語で山羊を意味する言葉で、その名の通り山羊のミルクからつくられたチーズです。新鮮な状態から熟成しきるまで、それぞれの状態を楽しむことができます。クリーミーな味わいですが、特有の風味やコクがあるため好みがわかれやすい特徴があります。この3種類は、やわらかい食感が特徴でもあります。
やや硬めの食感を持つ「青カビタイプ」は、青カビを利用して内側からチーズを熟成させていきます。一般的にはブルーチーズの愛称で親しまれていて、強烈な香りと濃厚かつ塩味の利いた味わいが特徴です。見た目にもインパクトがある個性派なので、チーズ好きの中でも好みがわかれています。ゴルゴンゾーラやブルー・デ・コースなどが有名です。同じくやや硬めのチーズである「セミハードタイプ」は、つくる工程で圧力をかけて水分を減らしています。クセがないので食べやすく、日本でも馴染みのあるタイプです。ゆるやかに熟成が進むため保存性に優れていて、長い期間楽しむことができます。ゴーダやサムソー、カンタルなどがセミハードタイプに含まれます。
チーズの中でも特に硬いのが「ハードタイプ」です。セミハードよりもさらに水分を少なくして、大きく重量のある仕上がりにしています。ひとつで20kg程度は軽いほうで、ものによっては100kgを超えることも。濃厚な風味とコクが特徴です。セミハードと同様、ゆるやかに熟成されるため食べごろが長く続きます。コンテやパルミジャーノ・レッジャーノ、ミモレットなどがこのタイプです。
発酵食品同士が合うといっても、やはりはずれの組み合わせはあります。日本酒とチーズのおいしさを存分に味わいたいのであれば、日本酒の温度に合わせてチーズを選ぶといいでしょう。キュッと冷えた冷酒には、フレッシュタイプのモッツアレラがよく合います。すっきりした吟醸タイプの冷酒であれば、白カビタイプのブリ・ド・ムランもおすすめ。チーズのクリーミーさがマイルドな酸味と絶妙にマッチします。辛口の冷酒であれば、同じく辛口の青カビタイプのブルー・デ・コースやゴルゴンゾーラとの相性がいいでしょう。ひとクセある味を求めるなら、濃厚なシェーブルタイプのペラルドンを合わせてもいいですね。オールマイティな組み合わせとして人気があるのは、ハードタイプのミモレットやパルミジャーノ・レッジャーノなどです。特にミモレットは日本酒に合うと評判なので、迷ったら一度は試してみるといいでしょう。
意外にも、チーズは熱燗にもマッチします。お酒の熱でチーズがとろけて、冷酒とは違った味わいが楽しめるのが熱燗の魅力。フレッシュタイプのモッツアレラは、熱燗でも試してみたい組み合わせのひとつです。そのほか、ウォッシュタイプのエポワス、青カビタイプのロックフォール、ハードタイプのコンテなども楽しめるでしょう。
日本酒の風味には、「薫酒」「爽酒」「醇酒」「熟酒」の4つのタイプがあります。薫酒は、花や果実のようなフルーティーな香りが特徴です。この特徴は、大吟醸などの吟醸系に多く見られます。また、軽やかな味わいが楽しめる爽酒は、日本酒の中でもひときわすっきりとした飲み心地が特徴です。いわゆる淡麗辛口にあてはまる本醸造がこれにあたります。一方、お米の旨味やコクが楽しめる醇酒は、落ち着いた香りと重みのある味わいが特徴です。純米酒がこれにあたります。そして熟酒は、熟成による個性的な色合いや独特の風味が特徴です。このように、日本酒にはそれぞれまったく異なる魅力があるため、チーズも日本酒の風味とマッチするものを選ぶといいでしょう。
実はチーズのなかには、これらそれぞれのタイプに似た味を持つものがあります。薫酒には、同じく独特な香りを持つブルーチーズやシェーブルタイプのチーズがマッチします。爽酒には、同じく爽やかでスッキリとした味わいのモッツアレラやクリームチーズがおすすめ。正統派の醇酒には、パルメザンのようなオーソドックスなチーズが良く合います。個性的な熟酒には、同じくクセのあるチーズをチョイスするといいでしょう。風味が似たもの同士を選ぶことでお互いのクセが調和されて、それぞれの味をより楽しむことができます。
チーズと組み合わせることを前提に日本酒を選ぶのであれば、吟醸酒や大吟醸酒がおすすめです。これらの日本酒は「吟醸香」と呼ばれるみずみずしくフルーティーな香りが特徴的で、実は白ワインも、この吟醸香と似た香りを持っているのです。そのため、チーズとの相性も非常にいいのです。そのほかにも、チーズと合わせるためにつくられた日本酒や、ワイン酵母を使用してつくられた日本酒もあります。そのような種類の日本酒を選べば、比較的どのようなチーズとも合わせやすいでしょう。
飲み物と食べ物の相性が良いことを「マリアージュ」と言います。早速試してみたい人に向けて、日本酒とチーズのおすすめのマリアージュをいくつか紹介しましょう。まず、クセが強くて苦手な人も多いブルーチーズは、豊かな香りが特徴の大吟醸酒と組み合わせることで独特の風味が緩和され、ぐっと食べやすくなります。同じくクセのあるシェーブルタイプやウォッシュタイプもぴったり。お互いのクセが相殺されて、チーズ本来の味とお酒のまろやかさが楽しめる組み合わせです。
お米の旨味や深いコクが味わえる純米酒は、ハードタイプのチーズであるコンテとの相性が抜群です。一緒に食べることで、純米酒のまろやかな甘みと、チーズの旨味やコクがバランスよく調和されます。日本酒とチーズの中でも失敗のない組み合わせと言えるでしょう。また、発泡清酒に合わせるならば、モッツアレラチーズがおすすめです。発泡清酒の清涼感がチーズの酸味や乳臭さを消してくれることで、スッキリとした味わいを楽しむことができます。
チーズだけでもおつまみとしては十分ですが、そこにもうひと手間アレンジを加えることで、さらにおいしくなります。日本酒とチーズは発酵食品つながりで相性がいいため、そこに加えるならば同じく発酵食品を選ぶのがいいでしょう。また、和風の食材や調味料も合います。おすすめの食材は、納豆、米粉パン、奈良漬け、酒盗(カツオの内臓の塩辛)などです。調味料を合わせる場合は、醤油、味噌、かつお節、わさびなどとの相性が比較的良いため、試してみるといいでしょう。
意外な組み合わせと思われがちな日本酒とチーズですが、発酵食品同士、その相性は抜群です。味だけでなく栄養価の面でも優れているため、ぜひ普段のおつまみにも取り入れていきたいところですね。どちらも味や香りに豊富なバリエーションがあるため、日本酒の温度や風味によって合わせるチーズの種類も変えてみるといいでしょう。特に日本酒とチーズの組み合わせは、人によって大きく好みがわかれるため、傾向にとらわれずいろいろ試してみると良いでしょう。チーズにプラスαの食材を加えることで、さらに新しい発見もあるかもしれません。さまざまなパターンで食べ比べて、自分だけの鉄板マリアージュを探してみましょう。
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