
日本酒はお酒の中でも糖質が高い、悪酔いや二日酔いをしやすいなどという話を聞いたことがあるでしょうか。日本酒はお米を原料として造られているため糖質が高く、アルコール度数が高いので二日酔いしやすいというイメージがあるのかもしれません。しかし、実際のところはどうなのでしょうか。この記事では、日本酒の糖質量や、日本酒を飲んだ時の酔いについて詳しく解説します。
日本酒の糖質はどのくらいの量なのか
糖質カットや糖質ゼロの日本酒もある
日本酒は悪酔いや二日酔いしやすいのか
日本酒で二日酔いしないための飲み方
二日酔いしたときの対処法は?
日本酒を飲むメリットとは?
まとめ
日本酒にはどのくらいの量の糖質が含まれているのかを知るために、日本食品標準成分表2015年版のデータを参考にしてみましょう。それによると、お酒100g当たりの糖質の量は、日本酒の中でも純米酒と本醸造酒で異なります。純米酒の糖質は100g当たり3.6gですが、本醸造酒の糖質はやや多く、4.5gです。日本酒は、お米と米麹と水を原材料として造られています。原材料であるお米にはでんぷんが含まれていますが、糖分は含まれていません。しかし、麹を加えることで麹の酵素によってお米のでんぷんが糖化され、その結果として糖分が生じるのです。糖化されたものをさらにアルコール発酵させることで、日本酒ができ上がります。
日本酒の100g当たりの糖質の量がわかっても、それは多いのか少ないのかわかりにくいかもしれません。そこで、ビールやワインなど他のお酒の糖質量と比べてみましょう。ビールの糖質の量は、淡色のものは3.1gで、スタウトは4.6gです。スタウトビールと日本酒の糖質量はほぼ同じくらいですが、淡色ビールと比べると日本酒は多めです。次にワインを見てみると、ワインの糖質は少なく赤ワインが1.5gで、白ワインは2.0gとなっています。ワインと比べると、日本酒の糖質は2~3倍も高いことがわかるでしょう。最後に、焼酎やウィスキーといった蒸留酒ですが、実は焼酎にもウィスキーにも糖質は含まれていません。これには、蒸留酒ならではの蒸留という製法が関係しています。水分とアルコールだけを抽出する蒸留の過程を経ることにより、糖質はお酒の中に残らないのです。
さまざまな種類のお酒と比べてみると、やはり日本酒の糖質量は多いことがわかります。しかし、純米酒の100g当たり3.6gという糖質は、1合(約180ml)飲んだ場合、6.5gと計算できます。この量は、角砂糖でいうとわずか1.5個分にしかなりません。角砂糖1.5個分は、おにぎりなら5分の1個、食パンなら5分の1枚で摂取してしまいます。糖質制限をしているなどの事情がなければ、それほど敏感にならなくてもよい量と考えても良いかもしれません。
日本酒の糖分の高さがどうしても気になるのなら、糖質カットや糖質ゼロの日本酒を選んでみましょう。糖質カットの日本酒は、含まれる糖質の量を通常のものよりも少なくしたものです。一方、糖質ゼロの日本酒は、極限まで糖質がカットされています。食品表示基準に基づいて、100g当たりの糖質が0.5g未満の場合に、糖質ゼロと表示することができます。糖質カットや糖質ゼロの日本酒を製造するためには、製造過程に工夫が必要です。酵母の発酵と糖質の分解という2つの過程を注意深く進めることで、糖質をできる限り減らすことが可能になっています。
日本酒に本来含まれている糖分は、でんぷんが分解された甘みを含む成分や、麹や酵母が生み出す味わい成分などです。そのため、糖質を減らした日本酒は旨味が少なく、物足りないのではないかと思えるかもしれません。確かに、通常の製法で造られる日本酒と、糖質カットや糖質ゼロの日本酒とでは味わいが異なります。一般的に糖質の少ない日本酒は、軽快ですっきりとした飲み口になり、辛口です。クリアな飲み心地で、後味もさっぱりしています。しかし、糖分量が低い日本酒でも旨味を残したものはあります。グルコースやオリゴ糖などの糖質はカットしながらも、アミノ酸や有機酸などの旨味成分を残すことで、しっかりとした味わいを楽しめるようにしているのです。糖質カットや糖質ゼロの日本酒を選ぶときはその製法に注目し、どのような成分がカットされていてどのような成分が残っているのかを確認すると良いでしょう。
糖質ゼロの日本酒の良いところは、飲酒しても息が酒臭くなりにくいことです。純米酒と比べると、飲酒後の不快な臭いが少ないとされています。糖質制限をしている人も、糖質ゼロなら気軽に飲むことができるでしょう。すっきりとした味わいでクセがないため、合わせる料理も選びません。あっさりとした和食はもちろん、こってりした中華、コクのある洋食など、どんな料理にもよく合います。料理の風味を引き出し、食べたものの味の余韻を膨らませるため、料理をしっかり味わいたいときにも向いています。
次に、日本酒は悪酔いや二日酔いをしやすいのかという疑問について、日本酒の成分やアルコール量などの観点から考えてみましょう。まず、悪酔いしやすいかどうかは、個々の体質によって異なります。アルコールを飲むと、血中のアセトアルデヒド濃度が上昇します。このアセトアルデヒドをうまく分解するためには、特定の酵素を作る遺伝子が必要です。この遺伝子を持っているかどうかが、悪酔いしやすいかどうかを左右することになります。
日本酒は、お酒の中でもアルコール度数は15度前後と高めです。それに対して、ビールやチューハイのアルコール度数は約5度です。そのため、口当たりが良く飲みやすい日本酒を速いペースで飲むと、酔いは早く回ってしまうでしょう。とはいえ、同じ量のアルコールを摂取した場合、そのアルコールを分解するのにかかる時間は同じです。アルコール度数が低いビールやチューハイであっても、飲酒量が多いと二日酔いや悪酔いの恐れがあります。日本酒だからといって、悪酔いや二日酔いをしやすいということはありません。どんなお酒を飲むときにも、飲むペースを考えながら適切な量をたしなむことが大切なのです。
糖やアミノ酸が含まれている日本酒は、アルコールを分解するのに他のお酒よりも時間がかかる、と考える人もいます。しかし、この説にも科学的な根拠はありません。糖やアミノ酸は、酒の肴にも多く含まれています。そのため、この説が事実だとすると、お酒と合わせて食べるものによっても悪酔いや二日酔いが引き起こされるということになってしまうでしょう。
日本酒を飲んで二日酔いしてしまわないためには、飲むときにいくつかコツがあります。まず、日本酒を飲みながら、合間に日本酒と同じくらいの量の水を飲むようにします。アルコール度数が高い日本酒は、間に水を挟むことで酔いを和らげることができるのです。水を飲むと口の中をリフレッシュできるので、料理を食べていてもお酒の本来の味を味わいやすいという面もあります。日本酒を飲むタイミングにも注意が必要です。空腹の状態でお酒を飲むと血中のアルコール濃度が一気に上がってしまい、アルコールの分解が追いつかないという事態になります。胃に何もない状態でお酒が入ってくることで、胃にも負担がかかります。日本酒を飲むときは空腹のまま飲むのを避け、何か食べ物を口にしてから飲むようにしましょう。
ゆっくりとしたペースで飲むこともポイントです。体がアルコールを分解できるペースには限度があるので、それを超えないようにゆっくりと楽しむようにします。最後に、飲み過ぎないように飲む量にも気を配りましょう。美味しいとついつい飲みすぎてしまいますが、酒に飲まれてしまわないように適量を守ることは大切です。
二日酔いをしてしまったときには、水気のあるものを多く摂取するようにします。二日酔いのときは、アルコールの利尿作用により体が脱水症状を起こしているからです。水分をしっかり補給し、おかゆやゼリー状飲料など口当たりが良く、水分が多いものを積極的に摂りましょう。スポーツドリンクも、水分の吸収を早めるのに役立ちます。しっかりと睡眠を取ることも欠かせません。十分な睡眠はアセトアルデヒドの分解を助けるとともに、疲労した肝臓の回復につながるからです。睡眠不足の状態だと、二日酔いの症状がいっそう重くなってしまうこともあります。
二日酔いのときに摂りたい栄養素は、ビタミンCや果糖、消化剤などです。肝臓でアルコールを分解するときには、ビタミンCや果糖が使われます。特にビタミンCには、アルコールの分解を促進させる酵素を活性化させる働きがあるといわれているため、積極的に摂りたいものです。こうした栄養素を補うために、オレンジやリンゴ、グレープフルーツなどを食べると良いでしょう。
日本酒は栄養価が高く、美容にも健康にも良いといわれています。まず期待できるのは、血行促進効果です。アルコールには血管を拡張させる働きがあるため、お酒を飲むとポカポカします。冷やして飲むビールやワインは体を冷やしてしまいますが、日本酒を熱燗にして飲むと、さらに体が温まるのを実感できるでしょう。リラックス効果が高いとされる日本酒は、ストレスの緩和にもつながります。緊張した精神がふっと和らいで、くつろいだ気分になれるのです。さらに、胃腸の働きをサポートするともいわれています。日本酒を飲むと胃の働きが活発になり、食欲が増すからです。とはいえ、飲みすぎてしまうと逆効果にしかなりません。多量に飲むと胃腸に負担をかけてしまうため、節度を守ることが大切です。
日本酒を飲むと、老化の抑制にもなります。日本酒の旨味成分には、アンチエイジングに効果があるとされるコラーゲンやヒアルロン酸の生成を助ける働きがあるのです。日本酒に含まれるミネラルも、美肌のためには欠かせない成分です。最後に、がん・糖尿病・心臓病・肝臓病・高血圧といった病気の予防にもなります。日本酒には悪玉コレステロールの酸化を抑制する成分が含まれているので、生活習慣病の予防になるのです。血糖値を下げるインスリンや、肝臓の新陳代謝を高めるペプチドも含まれています。
日本酒というと、二日酔いしやすい、糖質が高いなどという悪いイメージがあるかもしれません。しかし、実際には栄養素が豊富に含まれていて、美容効果も健康効果も期待できます。二日酔いしやすいかどうかは、飲むお酒の種類ではなく飲み方によって左右されます。この記事で紹介した飲み方のポイントを押さえながら、健康パワーのある日本酒をじっくりと楽しんでみましょう。
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