
古くから愛され続けて来た日本酒ですが、細かい日本酒の用語や製造方法まで理解している人は少ないのではないでしょうか。この記事では、日本酒は米のどの部分を使ってどのように造られるのか。そして、精米歩合によって味に差が出るのかということなど、精米歩合に注目して日本酒の楽しみ方について詳しく解説していきます。
まず、精米歩合とは、日本酒の製造過程で米がどれくらい削られたかを表しています。つまり、米の削られた割合が高いお酒ほど、中心の甘い部分を使用しているので、香りが高くフルーティな味である可能性が高いです。お店などで市販されている日本酒のなかでも、値段が高価な場合が多く、特に純米大吟醸のような日本酒はその傾向が強いといえます。
精米歩合の見方については、精米歩合の数値はもとの玄米の重量に対して、精米後の白米の重量がどれくらいの割合になるかで表しています。例えば、精米歩合50パーセントならば、もとの重量の半分まで削った状態ということです。つまり、米の外側を半分削って造られた日本酒ということになります。
日本酒造りに精米は欠かせません。その理由として、まずは、米の中心部と表層部とでは含まれる栄養素が違うという点があげられます。日本酒全体のバランスとして、米の精米を行わなければ使っている米の部分で味にバラツキが出てしまい、同じ味の日本酒を造ることはできません。日本酒は1つの大きなタンクに入れて熟成するので、雑味のない日本酒を醸すために、米の成分を均等に揃える必要があるのです。
米の特徴として、中心に近い方にでんぷんが集まっていて、表層部はビタミンやたんぱく質が多くなっています。日本酒は心白という米の中心部分を使うので、米の表面を削る精米を行い、バランスを整えることが重要です。加えて、日本酒の製造工程ではでんぷんの糖化も重要となります。たんぱく質やビタミン、脂質など、食用としては重視されるものも、日本酒を作るうえでは雑味の原因です。もちろん、脂質やたんぱく質がもたらす旨味や苦みも日本酒に必要ではありますが、多いと雑味となり、日本酒の味を損なってしまう恐れがあるでしょう。そのため、甘くてフルーティな日本酒を造る際には、米を中心近くまで磨きます。この精米作業では、食用の米の精米歩合は90パーセント前後ですが、日本酒に関していうと70パーセント以下まで削ることがほとんどです。
精米歩合によって日本酒の分類がされます。まずは、本醸造と純米の違いは大きく分けると、日本酒は醸造アルコールを添加するかしないかによって、本醸造系と純米系に分けられます。よって、純粋に米のみで造られた日本酒が純米酒です。そして、そのうえで、それぞれ精米歩合によって分類名も変わります。例えば、本醸造系で精米歩合が70パーセント以下のものを本醸造酒と呼び、中でも60パーセント以下のものは特別本醸造酒です。
純米系においては、精米歩合に関わらず純米酒と呼びます。ただ、精米歩合が60パーセント以下のものは純米吟醸酒、50パーセント以下のものは純米大吟醸酒となっています。市販されているものや、お店で飲むときに値段が高いことが多いのは、純米大吟醸でしょう。純米大吟醸は、米の大部分を削って造る日本酒で、米の甘くて香りが高い贅沢な部分のみを使って造っているので値段が高くなっています。一方で、それだから味がおいしいとは限らないということを覚えておきましょう。
よくある質問に、「精米歩合が低いほどおいしいのか」というものがあります。まず、端的に結論から話すと、精米歩合が低いほどおいしいわけではありません。それは、個人的に感じるおいしさにバラツキがあるためです。ただ、精米歩合が低い日本酒には特徴があるので、その特徴を理解したうえで自分に合う日本酒を選ぶことが重要です。
精米歩合が低い日本酒の特徴として、精米歩合が低いほど雑味が少なく、香りが高い日本酒になります。しっかりとした重みのある味わいです。一方で、精米歩合が高い日本酒は、比較的軽くすっきりとした飲み口になります。精米歩合によって、これだけ味の違いがあるので、一概にどちらがおいしいとはいえません。というのも、適度な雑味や旨味はおいしさとしてとらえられることもあるからです。さらに、日本酒の飲み方、たとえば常温で飲んだり、冷やして飲んだり、熱燗にして飲んだりすることで、おいしさは変化します。加えて、日本酒と一緒に食べるものなどによっても、おいしく感じられる日本酒の種類は異なります。つまり、精米歩合だけでおいしいかどうかの判断はできないのです。
酒蔵では、あえて精米をほとんどしないで造っている日本酒もあります。実は、精米歩合が80パーセントを超えるような高精米歩合の日本酒に人気が集まっているのです。このような精米歩合が80パーセントを超える日本酒にはどのようなものがあるのかというと、昔ながらの生酛造りによって造られている純米酒の原酒も含まれています。
この種類の日本酒は、精米歩合が85パーセントを超えているものが多いです。生酛造りとは古くから使われている手法で、蔵の中の菌を繁殖させて造るような、長い歴史のある造り方のことをいいます。生酛造りで造られた日本酒は、以前の技術だとクセがあって、好みが分かれるような日本酒の味がほとんどでしたが、技術革新でその概念も変化してきています。蔵元の技術が進歩し、精米をほとんどしなくて良い造り方でもおいしい日本酒を造れるようになったのです。
さらに、それに適した米も開発されていることが理由にあげられます。それぞれの気候に合わせて、日本酒専用米を各都道府県単位で造る動きも加速中です。以前は、東北や新潟などの米どころの米を使っているイメージもありましたが、今ではさまざまなところで日本酒用のお米の実証実験がされています。また、これは蔵元の技術によりますが、たんぱく質や脂質の含有量が少なければ、ほとんど磨かなくても雑味を減らせることも判明したのです。
米をほとんど磨かず作った日本酒も、飲み方を工夫すればおいしく飲むことができます。そのような日本酒は、たとえば熱燗にするなどの飲み方があるでしょう。さらには、常温で飲んだり冷やして飲んだりと、色々な選択肢のなかから、その日本酒に適した飲み方をすることも大切です。前述のように、人それぞれおいしいと感じる味は異なりますので、自分に合った飲み方を見つけてみましょう。
日本酒の値段は、米をより多く磨いたものが高くなる傾向にあるため、日本酒をとことん磨いた大吟醸酒だけがおいしいというイメージがあるのかもしれません。しかし、大吟醸だけではなく、精米歩合の高い日本酒の中にも、日常的に飲める安くておいしい日本酒はあります。これも、その人が感じる味であるので、どの日本酒がその人に合うかはそれぞれであるものの、最初から大吟醸だけがおいしい日本酒と決めつけてしまうのはもったいないことです。
蔵元の技術が上がり、それぞれの造り方に適したお米の開発が進むなど、日本酒業界を取り巻く環境は年々進化しています。さらに、飲み方を変えれば最適な日本酒の種類も変化することに気付きはじめている人も多いです。ですので、最初から固定概念で日本酒を選ぶのではなく、さまざまな日本酒を試すつもりで、まずは飲んでみることをおすすめします。
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