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2019年03月01日公開 日本酒の一升瓶って何?特徴やサイズは?

日本酒の一升瓶って何?特徴やサイズは?

日本酒にはさまざまなサイズがありますが、その中でも特に有名なのが一升瓶です。しかし、一升瓶とは何かと聞かれたときにきちんと答えられる人はあまり多くないのではないでしょうか。日本人としては、日本酒の基本である一升瓶については把握しておきたいところですよね。ここでは、一升瓶の特徴やサイズなどについて紹介します。


そもそも一升瓶とは?サイズはどのくらい?

一升瓶は、日本で用いられている液体専用のガラス製容器です。日本酒のイメージが強い一升瓶ですが、実際にはウィスキーやブランデー、ウスターソースなどさまざまな液体に使用されます。「一升瓶ワイン」などを販売している酒屋もあり、非常に用途の広い容器だといえるでしょう。なお、食用ではない液体に用いられることはほぼありません。
そして、一番のポイントは「一升とはどのくらいの量なのか」ということですよね。一升瓶を見たことはあっても、正確な容量を知っている人はあまりいないのではないでしょうか。一升は、約1.8リットル。一升瓶には一升の液体(日本酒)が入れられています。
なお、一升瓶の規格についてはJIS S2350:2014の「容量表示付きガラス製びん(壜)」で定められています。容量は1800±15ミリリットル、高さは395±1.9ミリメートル、底部直径は105.3±2.5ミリメートル、上部直径は30±0.3ミリメートル、最小肉厚は1.7ミリメートルです。容量が約1.8リットルであることから、通常は「JS-52 1.8リットル丸正びん」と呼ばれています。


日本酒やお米に使われる尺貫法とは?

私たちが一般的に使用する容量の単位はリットルやミリリットルで、これらはメートル法の古い単位です。それに対し、日本酒やお米には尺貫法という計量単位が用いられます。この方法は日本で古くから用いられており、一升瓶が現在でもよく用いられるのはその名残だといえるでしょう。

尺貫法には長さの単位、質量の単位、体積の単位があり、それぞれを「尺(しゃく)」、「貫(かん)」、「升(しょう)」としています。なお、10升の場合は一斗(いっと)、100升の場合は一石(いっこく)と呼び、それぞれ約18リットル、約180リットルに相当します。お米を測るときに使われる「合(ごう)」も尺貫法の単位で、一合は約180ミリリットル。これを覚えておくと、お米用の計量カップがない場合でも一合を測れるのでいざというときに便利です。このように、現代の日本でも使用されている尺貫法ですが、その機会は非常に限られており、普段からよく耳にするのは升と合の2つのみだといえるでしょう。


日本酒が一升瓶で売られている理由

中には、日本酒が一升瓶で売られていることを不思議に思っている人もいるのではないでしょうか。これを知るためには、日本における日本酒の歴史について遡らなければいけません。日本で日本酒が飲まれるようになった時期については明らかになっていませんが、おそらく稲作が始まった弥生時代ではないかと考えられています。そして、時代の流れとともに日本酒の存在は徐々に民衆の間に広まっていきました。

もちろん初めから現在と同じ製法で日本酒が造られていたわけではなく、現在と近い製法が確立されたのは室町時代といわれています。そして、これに伴って日本酒の大量生産が可能になりました。さらに、江戸時代には商人たちによって日本酒が商品化されました。しかし、当時行われていたのは桶やかめを用いた量り売りです。一升瓶で日本酒が売られることは、まだありませんでした。その後、明治時代に入ると国が日本酒造りに力を入れるようになります。これは、酒税による収益が国の収益のうちの大きな割合を占めていたため。財政を潤すためには、日本酒を造ることがとても重要だったのです。

そして、この流れから日本酒の容器として使用されるようになったのが一升瓶です。一升瓶で日本酒を販売すれば、量り売りによる水増しなどの不正を防ぐことができます。また、日本酒をより衛生的に保つことができるというのも大きな利点でした。もちろん日本酒の容器として使用できるのは一升瓶だけではなく、他にもたくさんの選択肢があります。それでも今なお一升瓶が用いられているのは、明治時代の習慣の名残です。これも一種の日本の伝統だといえるのではないでしょうか。


一升瓶にはどれくらいの玄米を使っている?

誰もが知っている通り、日本酒はお米を原料にして造られています。玄米を精米して外側部分を取り除き、麹を使って発酵させて醪(もろみ)を造り、さらにそれを絞ることで日本酒となります。しかし、日本酒を造るときにどのくらいのお米が使われているかを知っている人は案外少ないのではないでしょうか。

実際に日本酒を造るときには、最低でも600キログラムほどの白米に相当する玄米が必要となります。しかし、ここでは計算を簡略化するために使用する玄米を1キログラム、精製歩合(精製されてできた白米のもともとの玄米に対する重量割合)を60パーセントとしてみましょう。この場合、出来上がる白米は600グラムとなります。

そして、日本酒の主な原料はお米と水であり、お米と水は通常1:1.3の割合で使用します。そのため、600グラムのお米で日本酒を造るときに使用する水は600×1.3=780ミリリットル。お米と水を混ぜ合わせて出来上がる醪の量は、お米600グラム+水780ミリリットル=1,400ミリリットルとなります。

この次の工程は醪の発酵で、発酵にかける期間は通常1カ月ほど。そして、この工程を経て醪が少しずつ溶け、アルコール度数18パーセントほどの醪となります。これを絞ると約30パーセントが酒粕、約70パーセントが日本酒となり、結果として日本酒約1,200ミリリットルが出来上がります。

しかし、日本酒の一般的なアルコール度数は15.5パーセントです。そのため、出来上がった日本酒のアルコール度数を調整するために水で割らなければいけません。アルコール度数18パーセントの日本酒1,200ミリリットルを15.5パーセントにするために必要な水の量は、180ミリリットル。従って、原料として玄米1キログラムを使ったときに出来上がる日本酒の量は1,200+180=1,380ミリリットルとなります。

このことから、一升の日本酒を造るために必要な玄米の量は約1.3キログラムであるという結果が得られます。ただし、これはあくまでも目安であり、当然ながら実際に必要となる量は酒米の種類や日本酒の種類によってさまざまです。例えば、高級酒として知られる大吟醸を造るときには、精製の段階で通常よりも多めに玄米の外側部分が削られます。そのため、結果的に必要となる玄米の量は増えるといえるでしょう。


ボトルの色の特徴

日本酒のボトルというと、どのような色を思い浮かべるでしょうか。酒屋へ行くと、茶色や緑色、青色、白色、ピンク色、黒色、透明など、さまざまな色のボトルが並んでいますよね。そして、その中で最も数が多いのは茶色です。今でこそいろいろな色のボトルがあるものの、昔は日本酒の容器として使われるボトルのほとんどが茶色でした。これは、茶色のボトルを使うことで光を遮って日本酒の変質を防ぐためです。日本酒は太陽光や紫外線にさらされると、「日光臭」と呼ばれる不快な臭いが生じます。しかも、日光臭が生じるのは長時間日光に晒していた場合だけではありません。日本酒には太陽光や紫外線に非常に弱いという性質を持っており、少しの間日光のもとに放置しているだけでも不快な臭いが発生してしまうのです。

茶色の次に多い日本酒のボトルの色は緑色です。緑色がよく使われるのも、日本酒を太陽光や紫外線から守るため。日本酒をよい状態にキープしたいのであれば、しっかりと遮光することは必要不可欠だといえます。ただし、だからといって青色や透明のボトルを使ってはいけないわけではありません。冷蔵庫など日光が直接当たらない場所であれば、問題なく保存できますよ。


日本酒の一升瓶を保存する方法

一升瓶は、約1.8リットルとかなりの大容量です。そのため、一升瓶で購入した場合には長期にわたって保存することも少なくないですよね。だからこそ、日本酒をおいしい状態のままキープするためには正しく保存することが重要です。遮光性の高い茶色や緑色のボトルであれば、そのまま保存して問題ありません。しかし、気を付けなければいけないのは青色や透明なボトルの場合です。このような遮光性の低いボトルに入れられている日本酒は、早めに飲むことが想定されているといえるでしょう。とはいえ、やはり飲み切るまでにそれなりの時間がかかることは間違いありません。最後まで日本酒の質を保つためにも、保存するときにはしっかりと遮光しましょう。簡単に実践できる方法としては、新聞紙にくるむ、冷蔵庫など日光が当たらない場所に保存する、などがあります。このような少しの工夫をするだけで、日本酒の保管状態はぐっと良くなります。

もし冷蔵庫に一升瓶が入らないのであれば、ガラスでできた密閉保存容器に移し替えるのがいいでしょう。特に一人暮らしをしている人は小さな冷蔵庫を使っている人が多いですが、容器を移し替えれば小さな冷蔵庫でも無理なく保存できます。例えば、250ミリリットルのボトルが7本あれば最大で1750ミリリットルまで移し替えることができます。一升瓶をよく購入するという人は、あらかじめボトルを用意しておくといいかもしれませんね。

なお、移し替えるときにはできるだけ口元ギリギリまで入れるのがベストです。こうすることで、空気に触れることによる酸化を防止することができます。また、可能であればボトルを横にせずに立てた状態で保存しましょう。これも、日本酒の酸化を防止するためです。ボトルの中で日本酒と空気が触れる面積が狭くなるため、質のよい状態を長くキープすることができますよ。


まとめ

一升の日本酒は、見てわかる通りかなりの量です。そのため、ほとんどの場合はすべて飲み切るまでに期間を要することでしょう。しかし、保存方法を間違うと日本酒本来の味や香りを損なってしまいかねません。せっかくの日本酒がおいしくなくなってしまってはもったいないですよね。これを避けるために大切なのは、しっかりと遮光するということ。一升瓶を購入したときにはぜひここで紹介した保存方法を実践して、最後までおいしい日本酒を楽しんでくださいね。

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