
どぶろくはビールやワインほどメジャーなお酒ではないため、「濁っているイメージがある」という程度の知識しかない人も多いのではないでしょうか。しかし、どぶろくは日本の伝統的なお酒であり、美容や健康を促進する効果が期待できるなど、いろいろな魅力を秘めています。そこでこの記事では、どぶろくがどういったお酒であるか、その特徴を詳しく解説していきます。
どぶろくとは、日本で古くから作られてきた原始的なお酒です。昔は神聖なものとして扱われ、豊作祈願をはじめとした神事に使われてきたという側面を持ちます。その名前の由来にはいろいろな説がありますが、一般的には「米のもろみが混じった濁酒」のことを濁醪(だくろう)と呼んでいたのが訛って、「どぶろく」になったのだろうと考えられています。古くから親しまれてきただけあって、その醸造方法はとてもシンプルです。どぶろくは、「もろみ」状態の日本酒と定義することが可能です。もろみとは、醸造した液体に、原料から出た固形物(酒粕)が混じった状態を指します。つまり、どぶろくは主原料である米を蒸し、米麹や酵母や水などを加えて発酵させるだけで完成するお酒ということになります。
どぶろくの特徴を知って、濁り酒とどこが違うのかという疑問を抱いた人もいるのではないでしょうか。透き通った清酒とは見た目が異なるどぶろくは、確かに濁り酒の一種として扱われることもあります。しかし、厳密にはどぶろくと濁り酒とのあいだには、明らかな違いが存在します。決定的なのは、酒税法上の違いです。清酒の定義に関しては、酒税法の第3条第7号に記されています。それによれば、清酒を作る際は必ず米・米麹・水を原料として発酵させ、必ず「こす」作業を加えなければならないと規定されています。そして、もろみ状態のどぶろくは醸造過程においてこす作業を行わないので、酒税法上は清酒として扱われず、雑酒という分類です。
一方、濁り酒は醸造過程で、もろみを目の粗い酒袋でこす作業を行います。目が粗いゆえにもろみが酒袋をすり抜けて白濁しますが、こす作業を加えているため、濁り酒の分類は清酒です。要するに、酒税法上でお酒を分類するにあたっては、色や濁り具合に関係なく、こす作業をしているか否かで判断しています。また、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律施行規則の第11条の5という規定においても、どぶろくと濁り酒は分類が別です。この規定では、清酒を日本酒、それ以外の醸造酒を濁酒と呼ぶと定義されており、どぶろくは濁酒、濁り酒は日本酒に分類されます。
甘酒も、どぶろくとよく似て特徴を持っています。共通点としては、両方とも原材料として米と米麹を使用していることが挙げられます。ただし、アルコールが含まれているかどうかという点が大きな違いです。甘酒は名前に酒という漢字が入っているものの、実際にはアルコールが含まれていません。また、酒粕から作られる甘酒には微量のアルコールが含まれますが、一般的には清涼飲料水に分類されます。対して、どぶろくはアルコールを含有しており、お酒という分類です。
アルコールに関する違いが生まれる要因には、酵母が関係しています。甘酒は米と米麹が主原料であり、アルコールを作り出すための酵母を含みません。しかし、どぶろくは米と米麹に酵母を加えて醸造するため、アルコールを含みます。つまり、どぶろくと甘酒の違いは、アルコールを含有しているかどうか、酵母を含有しているかどうかということになります。
どぶろくの醸造において、主原料となるのは米・米麹・水です。そして、米と米麹に酵母を混ぜ合わせてもろみを作っていくわけですが、その過程で重要なポイントとなるのが、糖化と発酵です。この2つの工程は日本酒を作るうえで、欠かせない要素だといえるでしょう。糖化とは、蒸した米のでんぷんをブドウ糖に分解するための工程です。精米は、全成分のうちのおよそ77%がでんぷんです。糖化の工程では、米麹を使って米のでんぷんをブドウ糖へと変化させていきます。分解に使用する米麹は、蒸した米に麹菌を繁殖させたものです。麹菌に含まれている酵素は、化学反応によってある物質を別の物質へと変化させる働きを持つのが特徴です。具体的には、麹菌が生成したアミラーゼという酵素が、でんぷんをブドウ糖に分解します。
発酵は、糖化で分解したブドウ糖を、さらにアルコールと二酸化炭素へと分解していく工程です。発酵の段階で使用される酵母菌はイースト菌とも呼ばれ、糖分をアルコールと二酸化炭素に分解し、分裂・成長を行うという特徴を持ちます。加えて、酵母菌にはフルーティな香り成分を生み出すという作用もあります。お酒の発酵には端発酵・単行複発酵・並行複発酵という3種類の方式があり、どぶろくの発酵工程で用いられるのは並行複発酵です。並行複発酵は糖化とアルコール発酵を同時に進行させる発酵方式で、清酒の醸造でも並行複発酵が用いられます。
戦後に作られていたどぶろくは粗悪品が多く、その影響で、長年どぶろくは「密造酒」や「おっさんの酒」などといったイメージを払拭できずにいました。しかし、そんなどぶろくのイメージが見直されつつあります。注目されているのはその高い栄養価で、お酒でありながら、美容や健康効果が期待できると考えられています。どぶろくに含まれる栄養価のなかで、特に注目なのが必須アミノ酸です。人間は必須アミノ酸を体内で生成できないため、食品や飲料などで摂取しなければいけません。どぶろくはそんな必須アミノ酸を全種類含有しており、慢性疲労の軽減や、女性ホルモンのバランスを整えるなどといった効果があるとされています。
また、どぶろくには筋肉を作るのに役立つバリン・ロイシン・イソロイシンといった必須アミノ酸が多く含まれています。筋肉量が増えれば基礎代謝も上がるので、体脂肪を燃焼させて体重を減らしたい人などにおすすめです。さらに、どぶろくには腸内環境の改善を助けるオリゴ糖も含まれています。麹菌が米のでんぷんを分解する過程で作り出されるオリゴ糖には、腸内の善玉菌を増やす作用があるとされているため、デトックスや脂肪燃焼効果が見込めるでしょう。加えて、麹菌から生成されるコウジ酸には、メラニンの生成を抑える美白効果や、年齢とともに肌に蓄積する黄色いくすみを軽減する効果などがあると期待されています。
ほかにも、ビタミンB12以外のビタミンB群をバランスよく含有していたり、酵母の働きで睡眠の質を高めたり、抗酸化作用によって老化を防止したりといった効果があると考えられています。とはいえ、どぶろくはあくまでお酒なので、飲みすぎると逆に健康を損ねてしまう可能性もありえるでしょう。美容と健康のためにどぶろくを飲んでみたいという人は、適量を心がけることが大切です。
醸造においてもろみをこす作業を行わないどぶろくは、素朴で純粋な味わいが特徴です。また、成分がろ過されていないことから、清酒にはない栄養価を多く含んでいるという点も大きな魅力です。日本で古くから親しまれてきたお酒を味わってみたい人や、お酒を楽しみながら美容や健康効果も期待したいというような人は、一度どぶろくを試してみてはいかがでしょうか。
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