
さまざまな種類の日本酒を楽しむなら「飲み比べ」がおすすめです。種類ごとの味の違いを知ると、日本酒の深さを実感できるようになるでしょう。一方で、飲み比べでは飲む順番やお酒の温度によって、感じられる味わいが大きく変わってきます。この記事では、日本酒を飲み比べする際の注意点や飲む順番について解説していきます。
料亭などに行くと、美味しい日本酒が複数置かれている場合があります。また、日本酒が有名な観光地や酒造見学に行ったら、できるだけ多くの種類を試してみたくなるでしょう。そんなときに「飲み比べ」をすれば、さまざまな種類を同時に味わえます。また、観光客向けのイベントとして飲み比べイベントを開催しているところも少なくありません。ただし、飲み比べをするにあたっては注意することもあります。
まず、飲み比べではつい酔っ払ってしまいがちです。お酒好きな人ほど、気に入った種類があればたくさん飲みたくなってしまうからです。しかし、飲み比べにおいて「酔い」は天敵です。酔いが回ると味覚がぼんやりしてきて、日本酒同士の違いが判別しにくくなります。せっかく名酒を出してもらっても、味の深みが伝わらないならもったいないといえるでしょう。
また、たとえ酔っ払っていなくても飲み比べでは先に飲んだ日本酒の味が舌に残ることがあります。日本酒は種類によって印象の強い味がするため、その後の味覚に影響を与えてしまいます。飲み比べでは、正しい順番を意識して本来の味を確かめられるように心がけましょう。
そして、「無理をしないこと」も大切です。日本酒はアルコール度数が品種によってまったく異なります。また、その日の体調などによっても酔いが回る早さは左右されるでしょう。「辛口」や「甘口」といった個人の好みでも、酔いやすくなることがあります。飲み比べとは基本的に「いろいろなお酒を味わう」のが目的であり、「大量に飲む」必要はありません。二日酔いなどのダメージを受けないよう、個人の飲める範囲で酒量を抑えましょう。
飲み比べをするなら、日本酒の種類を把握しておきましょう。日本酒は日本各地で醸造されており、地方特有の種類は「地酒」と呼ばれて地元民から愛されています。そのため、日本各所でいろいろな味わいの地酒を飲むことができます。ただし、酒造りの本質は大きく変わりません。日本酒は「精米」と「麹」の割合、アルコールの添加量によって味が定まります。そして、それぞれの割合に応じて名称が異なります。
日本酒造りでは精米が鍵です。精米とはお米を削り、中心にある旨みを引き出す作業です。たとえば、「精米歩合40%」と表記されていれば、お米1粒あたり60%が削られている計算となります。一般的には精米歩合が高いほど、お米本来の旨みが反映されているお酒ができるとされています。
まず、「大吟醸」と呼ばれる品種は、精米歩合が50%以下なのが特徴です。それに対して、麹歩合は15%以上でアルコールが少し加えられています。次に、「純米大吟醸」は、精米歩合が50%以下、麹歩合15%以上のお酒です。なお、アルコールは加えられていません。「吟醸酒」は、精米歩合が60%以下、麹歩合15%以上です。アルコールは少しだけ加えられています。「純米吟醸酒」は精米歩合が60%以下、麹歩合15%以上です。アルコールは加えられていません。
そして、「本醸造酒」は精米歩合が70%以下、麹歩合15%以上です。アルコールは少し加えられています。最後に、「純米酒」は精米歩合の規定がない種類です。麹歩合は15%以上と定められており、アルコールは加えられていません。日本酒好きの間では「大吟醸」が美味しいお酒として注目されがちです。ただし、味の好みには個人差があるので、大吟醸よりも純米酒が美味しく感じる人もいます。
飲み比べでは順番を意識すると、最後まで味の違いを楽しめます。まず、日本酒の上級者であれば「自分の好み」を優先してかまいません。また、お酒に強い人も飲みたいお酒から飲んでいきましょう。飲み比べを頼んでセットがきたら自分の好きな種類を先に選びます。その後で、他の種類へと進みます。
なぜ好きなお酒を先に飲むべきなのかというと、飲み比べでは後になるほど味がわかりにくくなる傾向があるからです。日本酒の味わいは非常に繊細です。微妙な味や香りを感じるためには、舌がまっさらな状態のうちに好きな種類を飲んだほうが賢明です。味以外の基準として、お酒の値段で順番を決めるのもいいでしょう。多くの場合、高価な日本酒は味わいがきめ細やかなので先に飲んだほうがしっかりと味わえます。その後でやや価格が安い濃厚な種類を飲むようにしましょう。たとえば、大吟醸と純米酒があるときでは、大吟醸のほうが高価である可能性が大です。つまり、大吟醸の後で純米酒を飲むのが無難な方法です。
ただし、飲み比べでは明確なルールやマナーがあるわけではありません。自由に飲んでしまうのもひとつの方法です。価格が高くて味の繊細なお酒よりも、価格が安くても味が濃いお酒が好きな人はたくさんいます。そんなとき、味が濃いお酒を先に飲んでしまっても決して間違いではありません。飲む順番だけを気にしすぎて、肝心の味を意識できなくなるような事態は避けましょう。
お酒に詳しい人なら、飲み比べは自分なりのルールで楽しめます。一方で、お酒の品種にあまり詳しくない人は飲み比べの順番に迷ってしまうでしょう。「大吟醸」「純米酒」などの種別もなかなか覚えるのは大変です。しかし、日本酒初心者もポイントを押さえておけば飲み比べに困ることがありません。飲み比べセットが来てから飲む順番を決めるのも可能です。
代表的なポイントの1つは、お酒の「産地」に沿って飲んでいく方法です。日本酒は、北で作られたものほど味が繊細で、南に行くほど濃厚になる性質をそなえています。もちろん、この性質はあくまで目安なのですべての品種にあてはまるわけではありません。事実、北国で作られたのに味が濃い日本酒もあります。ただ、大部分の日本酒にあてはまる法則なので飲み比べセットでは産地を確かめてみましょう。そして、北のお酒からだんだん、南のお酒へと移っていくのが得策です。北で作られた繊細な味のお酒は、酔いが回るまでに飲んでおきます。
また、品種がわからなくても「淡麗」「濃醇」といった具合に、お酒の味が示されていることもあります。そんなときは、淡麗から飲むといいでしょう。あるいは、「甘口」「辛口」という表現も日本酒では有名です。甘口とは濃厚な日本酒を指す言葉です。それに対して、辛口はさっぱりした日本酒を意味しています。つまり、飲み比べでは辛口から甘口に進んでいくと、最後まで美味しく飲めます。「淡麗」などの表現が難しいなら、お店に「甘口と辛口はどれですか?」と聞いてみましょう。
お酒の産地がわからず、味の濃ささえも確認できないようなら、日本酒の香りを確かめてみます。日本酒は味だけでなく、香りにも種類ごとの特徴があります。飲み比べセットでも、多彩な香りを堪能できるでしょう。そして、中でもオーソドックスな香りのする種類は先に飲みましょう。香りが正統派なのは、お米本来の味が含まれた繊細なお酒だからです。一方、果実のように甘い香りがする日本酒は芳醇なタイプです。つまり、印象を強く残すお酒なので後に回すといいでしょう。
飲み比べをさらに深く楽しむなら、順番以外のポイントも実践していきましょう。まず、お酒の「温度」に注目します。日本酒は冷酒でも熱燗でも飲めるのが大きな魅力です。また、冷酒をさらに冷やした「雪冷え」などの飲み方を好む人も少なくありません。なぜ人によって温度にこだわるのかというと、日本酒は冷たくなるほど味が軽やかになるからです。そして、「冷酒が美味しい」とされている日本酒の多くは、もともと繊細で軽い味わいをそなえています。飲み比べでは、種類ごとに飲む温度を変えてみてもいいでしょう。そして、しばらく冷酒を試した後で、徐々に日本酒の温度を高くしていきます。冷酒の次は常温、燗酒と順番を意識すれば、些細な味の違いを感じとれるでしょう。
飲み比べは一度にたくさんの日本酒を堪能できる貴重な機会です。しかし、途中で種類ごとの微妙な違いがわからなくなってくる事態は避けたいところです。日本酒は種類ごとに味の特徴が分かれており、飲み方には順番があると覚えておきましょう。繊細な「大吟醸」や、濃厚な「純米酒」などの違いを知っておくと、飲み比べでも困りません。また、美味しい日本酒はつい飲みすぎて酔っ払ってしまう可能性もあります。せっかくの飲み比べの機会を無駄にしないよう、和らぎ水を飲みながら味覚を保ちましょう。
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