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2020年7月9日公開 【連載】バスケの代理人・鴨志田聡さんインタビュー(1)

FIBA公認エージェントの鴨志田聡(そう)さん

FIBA公認エージェントの鴨志田聡(そう)さん

7月になりました。Bリーグの暦では、新しい年度の幕開けです。みなさん、明けましておめでとうございます! 今季も何卒、よろしくお願いいたします。

新型コロナウィルスの影響で例年よりも長かったオフのことを振り返ると、今年のストーブリーグは非常に白熱したものになりました。柏木真介選手(新潟→三河)、小野龍猛選手(千葉→信州)といったベテランの移籍、大物ルーキーの加入、アジア枠のスタート……。B1からB2に活躍の場所を移すプレーヤーも多かったです。

所属先を探し、条件を交渉し、契約する――。これらのプロセスを、海外のプロスポーツ界では、「エージェント(代理人)」という職種の人間が請け負うケースが一般的です。アメリカで活躍する八村塁選手、渡邊雄太選手も、アメリカの大手エージェンシー「ワッサーマン」と契約しています。ただ、Bリーグではエージェントと契約している選手は少数派。自力で移籍先を見つけ、報酬や契約条件の交渉・決定を行う選手のほうが多いようです。

というわけで今回は、謎の多い「バスケのエージェント」について、富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)などを担当する鴨志田聡さん(FIBA公認エージェント)にうかがいました。

選手の移籍交渉や契約交渉を担う代理人

――そもそも、代理人ってどういうお仕事をする人なんでしょうか?

簡単に言うと、選手のかわりに、チームへの売り込みや報酬の交渉、契約の取りまとめを行う職業です。

私の場合はこれらの仕事に加えて、オフシーズンのトレーニングサポートも行っています。日本ではまだ一般的ではありませんが、アメリカには技術アップに特化した「スキルコーチ」という職業があって、NBAプレーヤーはオフ期間に彼らを雇って、自分が課題とするスキルを強化します。
日本では、自前の体育館を持っていないチームも多いため、オフ期のトレーニング場所は選手にとって悩みの種。アメリカに行けば練習場所を確保できる上に、プロのスキルコーチの指導でシュート、ドリブルといった課題のスキルを克服できるというわけです。

――日本には、バスケットボール選手を請け負うエージェントは何人くらいいるんですか?

FIBA公認ライセンスを所有する日本人は9人いますが(2020年7月7日現在)、現在も本格的に活動されているのは、僕も含めて3人くらい。他にも、FIBAライセンスを持たずに活動されている方や、サッカー選手を兼任している方が数人いらっしゃいます。

以前は、現在解説者として活躍されている井口基史さんも代理人業をされていました。

――鴨志田さんが契約している選手を教えてください。

千葉ジェッツの富樫勇樹、田口成浩、川崎の大塚裕土、琉球の並里成など9人と契約を結んでいます。今季は新たに高橋耕陽(滋賀~三河に移籍)と角野亮伍(サザンニューハンプシャー大~大阪に加入)も加わりました。

期待の点取り屋・角野亮伍 大阪加入までのいきさつ

新天地の大阪でシューティングに励む角野選手(©OSAKA EVESSA)

新天地の大阪でシューティングに励む角野選手(©OSAKA EVESSA)

――かつて最年少で日本代表候補に選出されたポイントゲッター、角野選手の電撃帰国は、ストーブリーグの大きな話題になりました。

彼が大学3年生だったおととしに、ボストンまで視察に行ったんですよ。高校時代の実績はもちろんよく知っていたし、大学でのスタッツは正直あまり振るわなかったけれど実際はどうなんだろうと。

改めてプレーや練習の様子を見てみると、能力の高さや体の強さはBリーグでも間違いなく通用すると実感させられました。サイズとシュート力のある日本人フォワードは、Bリーグでは貴重ですしね。その後もコミュニケーションを取り合い、彼の卒業を待って代理人契約を結びました。

大阪から「角野に興味がある」と連絡を受け、アメリカでの接触をセッティングしたのが1月のこと。新型コロナウィルスが流行し出してからは、オンラインツールを介して密にやり取りしました。

その後、いくつかのクラブからもオファーの声がありましたが、「一番早く評価してくれたから」という本人の希望を踏まえ、大阪と契約することになったという次第です。

「選手兼スキルコーチ」という新しい役割に挑む山本柊輔

アルバルク東京でプレーし、来季は三遠に移る山本選手(写真中央・白のユニフォーム)

アルバルク東京でプレーし、来季は三遠に移る山本選手(写真中央・白のユニフォーム)

――契約選手の1人、山本柊輔選手は「選手兼スキルデベロップメントコーチ」という形で三遠ネオフェニックスと契約しました。これまでにない契約形態に、驚きました。

この経緯については、少し前段階から説明させていただきますね。

山本は昨年末にアルバルク東京との契約が満了したあと、どこのクラブにも所属せず、母校を借りて練習を行っていました。そして、その合間を使ってYouTubeでスキル講座を始めました。

彼は、学生時代から理詰めでバスケをがんばってきたタイプなので、元々スキルの研究には人一倍熱心。2019年の夏には、ストックトン・キングス(NBAサクラメント・キングスの下部組織)で練習生兼デベロップメントコーチを務め、選手としてもコーチとしても、2カ月間みっちりと勉強しました。アルバルク時代も、スキルコーチの森高大さんからたくさんのことを学んだようです。

そういった経緯を知っていた三遠から、選手兼スキルデベロップメントコーチというオファーをいただいたという次第です。

三遠の河内修斗トップアシスタントコーチは、アメリカの大学で学び、その後もコンスタントに渡米して新しい学びを得ている方。山本が毎年アメリカで自主トレーニングをしていることも知っていて、いい印象を持っていたことも決め手になったようです。

有名スキルコーチ、ジョーダン・ローリーと。河内TACともこのジムで出会った(©山本柊輔)

有名スキルコーチ、ジョーダン・ローリーと。河内TACともこのジムで出会った(©山本柊輔)

(第二回に続く)

 

画像:B.LEAGUE、青木美帆
文:青木美帆

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