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2020年4月1日公開 Bリーグ2019-2020シーズン中止。そして、これから。

昨季のファイナル。リーグ覇者も、華々しいセレモニーも、何もかもが夢に消えた

昨季のファイナル。リーグ覇者も、華々しいセレモニーも、何もかもが夢に消えた

「3月27日の11時より、4月以降の試合開催を議題とするBリーグの臨時理事会が行われ、13時15時より記者会見が行われる」

そんな内容のメールがBリーグから届いたのは、前日26日の15時過ぎでした。

この会見は、これまでのようにBリーグオフィスでなくオンライン上で実施されるとのことだったので、自主的に外出自粛中だった私も出席しました。

「3密」を回避した、Bリーグの素晴らしい記者会見

「zoom」でリモート記者会見を行ったBリーグ

「zoom」でリモート記者会見を行ったBリーグ

オンライン会議サービスで実施されたこの会見は、リーグからの発言はビデオ音声。報道陣の質問はチャットで受けつけ、リーグ側が口頭で回答するというシステムをとりました。

会見のスタート前は、サービスを使い慣れていない報道陣による若干の混乱はありましたが、その後のやり取りは非常にスムーズでした。むしろ、報道陣が質問内容を一旦テキストに整理するので質問が明確、所属と発言者がチャット上に表示されているので名乗る必要がない、マイクの行き来のロスがないなど、メリット多数。事態が収まったあとも、場合に応じてこの方式をとったほうがいいんじゃないのと思ったくらいです(笑)。

新型コロナウイルスの流行は、日に日に深刻なものになっています。しかし、「生活における『3密(密閉、密集、密着)』を避けるように」というお達しが出ているにも関わらず、集合→対面という方式で行われる記者会見がたくさんあります。自分が仕事場の1つとするBリーグが、テクノロジーを活用し、3密を完全に回避する方法で会見を行ったことは、大変誇らしくあります。

大河チェアマンが語った、中止の経緯と来季の構想

3月27日、オンラインでの記者会見に応じた大河正明チェアマン

さて、話を元に戻しましょう。すでに多くの方がご存知の通り、大河正明チェアマンが発表したのは、2019-2020シーズンにおけるBリーグの全試合の中止でした。10日前、各クラブの代表者でBリーグ実行委員会で、「3月20日から4月1日までの日程を中止し、4日から再開」という決定がなされたばかりでしたが、急転直下の決定でした。

大河チェアマンの会見冒頭のスピーチを、一部抜粋してご紹介します。

「2月26日の会見でリーグ戦の延期を決めました。なんとかみなさんの前で試合をさせていただきたいとの思いでの発表でした。ただ、情勢は日に日に悪くなっていきました。中止に至った理由はいろいろあるんですが、何より一番大きかったのは、選手やコーチ、クラブ関係者の心身の健康。私たちの想像を超えるようなウイルスの感染力に対して、彼らを危険をさらすわけにはいかないという思いを最優先しました。

選手会とも2回ほど議論をさせていただきました。選手たちはちょうど、私の子どもと同年齢です。もし選手が自分自身の子どもだったとして、果たして、今のこの環境で試合に臨ませることができるのか、遠隔地に遠征させられるかを自問自答しました。そして、再開を待ち望まれていた多くのファン、ブースターの熱い思いを真摯に受け止めつつも、中止を決定させていただきました。お待ちいただいていたファンのみなさまには申し訳ない気持ちでいっぱいです」

今回の決定を責める人は誰もいないでしょう。大河チェアマンを筆頭にBリーグは、至極まっとうかつわかりやすい形で、突然のシーズン中止を宣言しました。

続いて、大河チェアマンの話は、今季の順位付けや来季の地区分けへと移りました。以下に要点をまとめます。

・レギュラーシーズンの各地区の順位は、3月15日時点のもので確定とする
・優勝チームはなし
・4月後半のクラブライセンス判定に基づき、B2において勝率の高い2チームがB1に昇格。B1の降格はなし
・来季のB1は二地区制となる見通し

ちょっと気が早いですが、2020-2021シーズンのBリーグは、B1=20チーム、B2=16チームという変則的な編成で行われることになります。

重視された2つのコンセプト

シーズンの中止と昇降格。臨時理事会における議題と向き合うために、大河チェアマンは2つのコンセプトを重視したと話しました。すなわち「リーグ、選手、クラブが一枚岩となってこの難局を乗り越えること」、そして「来季も含め、B1からB3まですべてのクラブが、資金繰りを理由に存続不可能になることを回避すること」です。

今後の試合で予定されていたチケット、グッズ、スポンサーといった売り上げがなくなることで、リーグとクラブの収入は大幅に減ります。しかし裏を返せば、シーズンを延期でなく中止したことにより、本来かかるはずだった移動費や人件費、試合給などの支出も減少するため、収益である程度相殺することができます。「NBAのようにシーズンを延期したり、契約期間を延長することもできなくはありませんでした。ただ、各クラブの財政状況を考えると現実的ではなかったです」と大河チェアマンは説明しました。

私が気がかりだったのは、選手やクラブスタッフの報酬でした。エンタメに携わる人たちが、コロナウイルスの影響で大幅な収入減を報告する中で、予定の1カ月以上前にシーズンが終了してしまったBリーグ関係者たちにも金銭的なダメージが発生してしまうかが心配だったからです。

質疑応答でこのことについて尋ねると、「試合に関連したインセンティブはなくなるが、契約は引き続きシーズン終了時まで続き、基本報酬は支払われます」と大河チェアマン。今後の先行きは不透明ですが、少なくとも直近で関係者が金銭的な不安を抱えることがないとわかり、とてもほっとしました。

試合がない今、選手はいかに生きるべきなのか

先の見通しは一切立たない。しかし、今秋、またBリーグの新しい1年が始まることを祈りたい

大河チェアマンは会見の終盤に、このようなスピーチを行っています。

「試合が中止になったとはいえ、各クラブと選手との契約は残っています。リーグが2倍も3倍も元気になって復活する日を夢見て、いろんなチャレンジをして、ファン、スポンサー、行政、あらゆるステークホルダーのみなさんに少しでも満足していただけるような発信を続けていきたいです」

「バスケットボールをする」という、プロバスケットボール選手にとって最も大きなアイデンティティを突如奪われ、選手たちはとても苦しい思いをしていると思います。ただ、試合がなくてもクラブとの契約が続き、報酬を得ている以上、「顔も知らぬたくさんの人々の支えになる」「クラブ、Bリーグ、バスケットボールのために尽くす」といった役割を果たそうとする姿勢が問われているとも言えます。

実際、すでに何人かの選手たちが、そのような役割を果たすための活動に踏み出しています(ここらへんは、また別の記事でまとめられたらと思います)。

体と心を休め、しっかりと心の整理がついたら、より多くのBリーガーたちが「自分にできること」を考え、アクションを起こしてほしい……。そのような行動は、コロナ禍が去った日本で、バスケットボールという競技の価値をよりいっそう高めてくれると信じています。

文=青木美帆
写真=B.LEAGUE、青木美帆

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