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2020年3月18日公開 3.14~その日、とどろきで何が起こったか

3.14~その日、とどろきで何が起こったか

いつもなら超満員のとどろきアリーナもガランとしていた
 
3月17日。Bリーグの大河正明チェアマンより、3月21日から4月1日までのB1、B2の全試合の中止が発表されました。リーグは先日、新型コロナウイルスの世界的な流行と、それに対する政府による大規模イベント自粛要請を受けて、2月26日から3月11日の試合を延期。3月14日からは無観客試合でリーグを再開したばかりでした。

今後の日本バスケットボール史に大きく刻まれることになるだろう、この無観客試合を取材するために、私は3月14日に、川崎ブレイブサンダース×レバンガ北海道が開催予定だったとどろきアリーナに足を運びました。

両日にどのようなことが起こったかは、報道ですでにご存知かと思います。14日の試合は試合開始予定時間を過ぎた後に中止になりました。ここでは改めて、現場にいたライターとして、見て、聞いて、感じたものをお伝えできればと思います。

試合開始予定時刻-1時間

18時5分の試合開始に合わせ、1時間ほど前にとどろきアリーナに着。雪が降る夕方ということもあり、アリーナ前どころか隣の広場にも人の姿はなく、想像していたとおりの淋しい雰囲気でした。
 
会場に入る前には、消毒と検温が実施されます。マスクを持っていないメディアのためのマスクも用意されていました。
 
ゴム手袋をしたスタッフの方から耳の穴に入れるタイプの体温計を手渡され、測ってみると…38.5℃。思わず「うそでしょ!?」と大声を出してしまいました。「高く出てしまいやすいので」と腋タイプの体温計を渡され、測り直しに。
 
(ちなみに、後ろで「青木さん、このまま帰宅っすか??」とニヤニヤしていたBスケット●●●●のMさんも、耳測定でアウトをくらっていました。測り直しの結果、両名とも、無事36度台でした)

3.14~その日、とどろきで何が起こったか

吊り下げビジョンでは、ファンから寄せられた応援メッセージが掲載された
 
マスク必須の厳戒態勢ではありましたが、我々メディアの人間は比較的のんびりと、雑談も交えながら試合開始を待っていました。この日は特別に川崎・北卓也GMの見どころ解説も行われ「にくい企画だなあ」と感心したり、お客さんが1000人も入っていなかった東芝時代を思い出したり……。

アリーナ内はいつもと同じように装飾が施され、BGMも流れていたため、それほど異様な雰囲気になっておらず。コート上に北海道のマーク・トラソリーニ選手、ケネディ・ミークス選手、市岡ショーン選手の姿が見えなかったのが気になりましたが、アップ中の選手たちの表情も、緊迫したものというよりは和やかに見えました。特に、篠山竜青選手が復帰予定だった川崎は元気いっぱい。その士気は、試合開始が近づくほどに高まっていました。

3.14~その日、とどろきで何が起こったか

当日のロスター表。北海道のベンチ登録記入欄から、混乱した現場の状況がうかがえる
 

試合開始予定時刻-20分

ティップオフに備えてお手洗いから帰ってくると、隣の席の松本圭祐アナが「試合開始が15分伸びましたよ」と教えてくれました。理由に関するアナウンスはなかったそうです。同じタイミングで、記者席の後ろでは、リーグ関係者、川崎、北海道の両社長が何事か話し合っていました。
 
あとでわかったことですが、このとき、レバンガ北海道の横田陽CEOからリーグ関係者に、会場入りしていたミークス選手、市岡選手に平熱以上の発熱が見られることが報告されていました。午前中には、トラソリーニ選手に同様の発熱があることがリーグに報告されたばかりでした。

試合開始予定時刻+10分

3.14~その日、とどろきで何が起こったか

自チームから発熱者が出ていることを把握したうえで、試合に挑もうとした北海道の面々
 

修正された試合開始時刻の5分前、アリーナMCの高森てつさんから「両チームの選手はベンチに戻ってください」とのアナウンスが入りました。選手たちがベンチに座り、消毒液で手をこする姿を見て「さあ、始まるぞ」と気を引き締め直しました。しかし、少し目を横に向けると、コミッショナー席の前にリーグ関係者、両チームのヘッドコーチが集められていました。不穏な雰囲気を感じながらそれを見守っていると、選手たちはほどなくロッカールームに引き上げていきました。
 
この時も、記者席にいる我々はあまり状況を把握できていませんでした。あとで映像で確認すると、この時点ですでに審判員や内海知秀ヘッドコーチが小さな×のジェスチャーをしていたのですが、コートに残った審判がTO席にお辞儀をして引き上げたときにようやく「中止」という考えに思い至った程です。
 
3:17で止まっていたタイマーは、0:00表示になり、しばらくして、高森さんのアナウンスが会場に流れました。
 
「本日の試合はリーグ判断により中止となりました」
 
時間は18時24分でした。

中止後

3.14~その日、とどろきで何が起こったか

会見に登壇した増田氏

中止後、Bリーグ広報責任者の増田匡彦氏による記者会見が開かれました。

「明確にお伝えしたいことは、選手にコロナウイルスの症状があるわけではないということ。ただ世界中が非常にセンシティブになっていて、試合を実施することで他の選手にも感染するリスクが多少あるということも考えると、本日の試合は無理やり開催するものではない。そうリーグの方で判断しました」
 
このような言葉で始まった会見の内容と、会見後にレバンガ北海道公式サイトに掲載された横田CEOの説明と合わせて、概要と経緯をまとめます。
 
●会場入り前
14日9時、トラソリーニ選手に喉の痛み、少々の咳、37.1℃の発熱(前日の検温は36.5℃前後)。他の選手は移動し、練習を実施。トラソリーニ選手はホテルに待機。その他の選手は移動し、練習を実施。本人とチームドクターへの聞き取りにより、12時半、トラソリーニ選手が試合に欠場する旨をリーグ競技運営部と川崎に報告。
 
●会場入り後
午後の練習後、チームは16時半ごろに会場入りし、検温を実施。ミークス選手に37.3℃、市岡選手に37.1℃の発熱が認められたため、彼らがベンチ登録しないことを17時ごろにリーグ競技運営部に報告。その後、横田CEOから増田氏に「選手の安全を担保するためにも、試合を実施するのは難しいのでは」と申し入れがあり、川崎・元沢伸夫社長と三者で協議。その後リーグ、大河チェアマンの判断により、中止が決定。
 
●翌日以降について
現時点で試合の実施・中止は未定。三選手を含む全選手の健康が確認された状態で、リーグで総合的な判断を下す。

そして、翌日へ

試合当日、しかも直前の試合中止は、我々報道陣にとってもショッキングな経験となりました。

この日はホワイトデーを意識してか、クラブスタッフさんが作ったというロウルのマシュマロが配られたのですが、それがいつ配られたのか、まったく記憶がありません。帰宅後もなんだか気が立ってしまっていたようで、我が子に「こわい」と言われてしまいました。

開幕からわずか3年。Jリーグやプロ野球のように安定した地盤がなく、大きな経済的被害が出ることがすでに予想されていたBリーグ。明日、いや、これからのバスケットはどうなってしまうのだろう。そして、川崎、北海道の選手たちはどんな思いを抱いてコートに立つのだろう……。

なかなか寝付くことができなかった一晩が明け、翌日15日の13時半、試合実施が決定しました。
(続く)

文=青木美帆
写真=B.LEAGUE、青木美帆

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