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2020年2月25日公開 ウインターカップ徒然草② ~背番号5番のキャプテン(東山高校・脇阪凪人)

ウインターカップ徒然草② ~背番号5番のキャプテン(東山高校・脇阪凪人)

キャプテンながら背番号5をまとった、東山の脇阪凪人選手

「5番」に込めた、コーチの想い

ルール改正に伴い、0番から99番までの背番号を自由に選ぶ高校が増えていますが、従来の4番から始まる背番号を使うチームもたくさんあります。昨年12月のウインターカップで3位入賞を果たした東山高校(京都)も、その1つです。

従来の方式を採用しているチームのほとんどが、4番をキャプテンに与えます。東山も例年はそうでした。しかし、2019年度のキャプテンを務めた脇阪凪人選手の背番号は「5」。何か意味があるのだろうかと大澤徹也コーチに尋ねると、このように教えてくれました。

「僕の個人的な理由で、キャプテンを4番、思い入れのある選手を5番としているんですが、今年の5番は脇阪以外には考えられなかった。脇阪はこれまで東山にいなかったような、すごいリーダーシップの持ち主なんです。そんな思いを込めて、キャプテンではありますが5番をつけさせています」

脇阪選手自身は、大澤コーチのこのような意図は知らなかったと言います。「ユニフォームのサイズ的な理由かなーと思ってました」とニコニコ笑いつつ、「去年5番をつけていた先輩がすごくしっかりした方だったので、そういう選手になれという気持ちを込めてだと思っています」とコメント。

とはいえ、脇阪選手はキャプテンです。キャプテンにとって「4番」は大きな思い入れのある背番号でしょう。違和感や不満もあったのではないかと推測しましたが、「全然気にしていません。コート上の振る舞いやプレーで、『こいつがキャプテンやな』と気づいてもらえればそれでええかなと思っていました」と話しました。

実際、対戦相手も観客も、試合を見ていたらすぐに、東山のキャプテンが脇阪選手であることが理解できたでしょう。気迫のディフェンス、ここぞで決める3ポイント、仲間たちへのこまめな声掛け……。166センチの小柄な体で、とても大きな存在感を発揮しました。

うれしくない勝利、そして幸せな敗戦

うれしくない勝利、そして幸せな敗戦

ラストゲームとなった準決勝・福岡第一戦では、チーム最多の18得点(3ポイント4本)を挙げた

東山は前回のウインターカップ、今夏のインターハイと2大会連続で福岡第一と対戦し、いずれも勝つことができませんでした。ところが、10月の交歓試合では、2018年の冬から無敗だった福岡第一を撃破。仲間たちが大いに喜んでいるの中、脇阪選手だけは胸に悔しさを募らせていました。

「第一さんは僕らがリードしている時間帯に、スタメンを下げたんです。僕たちはインターハイで負けてからずっと第一を目指して練習してきたので、この試合で自分たちの力を証明しようと思っていたのに……。『東山が第一に勝てたのは第一がメンバーを落としたからや』って言われると思うと、すごく悔しかったです」

脇阪選手の強すぎる思いは、思わず言葉に。大澤コーチは試合中、「本気じゃない第一に勝ってもうれしくない」という彼の声を聞いたそうです。

今季ラストとなる福岡第一戦は、ウインターカップの準決勝で実現しました。東山は最高の試合展開で前半のリードを奪いましたが、後半は一気に福岡第一に主導権を奪われ、59-71で敗北。リベンジを果たすことはできませんでした。

しかしこの試合、福岡第一は最後までスタメンを出し続けました。翌日の決勝を含む全試合の中で、福岡第一に最後まで本気を出させたのはチームは、東山しかいなかったように感じます。試合を終えた脇阪選手も「たくさんの注目を集める舞台で、思いきり戦えたことが幸せです」と清々しい表情で語りました。

目指すのは日本バスケ界を変える指導者

目指すのは日本バスケ界を変える指導者

試合の至るところで、細やかなリーダーシップを発揮。次のステージでも大きく活きるだろう

実は脇阪選手、高校でバスケットをやめると決めて、この大会に臨んでいました。次なる目標は指導者。「今までいなかったような指導者になって、日本バスケをガラっと変えたい」と大きな夢を描いています。

進学先の大学のバスケ部で、学生コーチなどを務める予定もないそうです。「今までの指導者と同じ道をたどっていても、新しい指導者にはなれない。今まで誰も行ったところがないレベルの場所に行くためには、誰もやっていないことにチャレンジすることが大事だと思う」ときっぱり話し、海外留学も視野に入れています。

一方、大澤コーチは、彼がここで競技生活に一区切りつけることをもったいないと感じています。本人が競技を続ける気がないことを知った上で、「僕はいまだに続けてほしいと思っている。説得する時間はまだあります」とニヤリと笑いました。

この記事に関する取材はすべて、12月のウインターカップで行ったものです。高校卒業を目前にした今、脇阪選手はどのような未来像を描いていることでしょう。本人の予定通り独学で指導を学ぶのか、大学バスケ部で学生コーチをするのか、それともプレーヤーに返り咲くのか……。どのような道を選択したとしても、彼ならばきっと、自らの選択をベストなものに変えられると確信しています。
文、写真=青木美帆

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