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2019年06月24日公開 祝・NBAドラフト1巡目9位! 著者が接した中高時代の八村塁選手

6月20日、アメリカ・ゴンザガ大の八村塁選手が、NBAドラフト1巡目9位でワシントン・ウィザーズから指名を受けました。NBAのドラフト1巡指名で日本人が指名されるのは、大坂なおみ選手のグランドスラム制覇、久保健英選手のレアル・マドリード入りと並ぶ快挙……いや、それ以上の奇跡ともたとえられています。私は「11位指名くらいが濃厚だろう」的な情報をもとに、ドーナツを食べながらのんきにドラフト中継を眺めていましたが、まさかの9位! 「Rui……」と名前が出た瞬間、奇声を挙げ、ムダに部屋をウロウロしてしまいました。

元チームメートが語る、中学時代の八村選手のすごさ

中学時代の八村選手。とにかくがむしゃらにゴール下のシュートを打っていた

私が八村選手のプレーを初めて見たのは中学3年生の頃です。当時私は中高生向けバスケ雑誌で編集者をしており、八村選手が出場した全国中学校バスケットボール大会(全中)を取材していました。

 

八村選手が所属する富山市立奥田中は、この大会で全国2位という素晴らしい成績を残しています。八村選手自身も決勝で20得点と素晴らしい活躍を見せ、私はそのプレーを、ゴール下で写真を撮りながら見ていました。しかし、「身長で圧倒的に有利だし、これくらい取れるのは普通」「よくいるハーフの長身選手の一人」としか思っておらず……。当時の自分にビンタしたい気持ちでいっぱいですが、全中を取材していた他の報道関係の方々とのやり取りを思い出してみても、八村選手が歴史を変えるような選手になると思っていなかった人が多かったような印象です。

 

ただ、当時から八村選手の意識の高さと、努力の量はずば抜けたものだったようです。中学の同級生で、現在東海大4年の笹倉怜寿選手は、取材で中学時代の話題になった時にこんなことを話してくれました。

中学時代の笹倉選手。現在は強豪・東海大の欠かせないプレーヤーとして活躍中

「朝、自主練しようと体育館に行くと、絶対先に塁がいました。常に『俺はNBAに行く』と言って、ずっとバスケをしていたというイメージ。あいつが高いレベルを目指してがんばる姿勢に影響されたからこそ、充実した3年間を過ごせたと思います。当時は経験も技術もあまりなかったけれど、塁はがんばる見本になってくれた。本当に感謝しています」

恩師からもらった「楽しむ」という言葉の真意

明成高の佐藤久夫コーチ。高校2年次の八村選手を「オンリー・マイウェイ」と笑って表現していた

高校2年のウインターカップで2連覇を達成したあと、八村選手に少し長めのインタビューを行う機会がありました。「大切にしている言葉」というテーマで行ったインタビューで、八村選手は「楽しむ」という言葉を挙げました。

 

高校バスケを長く見ている人はご存知かと思いますが、八村選手は1年時のウインターカップの優勝インタビューで「バスケは楽しいです!」と高らかに宣言し、バスケットボールファンを大いに盛り上げました。これになぞらえての「楽しむ」なのかなと思って尋ねたところ、「一生懸命やることを楽しむ」というニュアンスでの「楽しむ」なのだと教えてくれました。

 

この言葉を八村選手に贈った人物は、明成高校の佐藤久夫ヘッドコーチ。優勝インタビューで例の言葉を発しベンチに戻ってきた八村選手に、佐藤ヘッドコーチは「一生懸命やることを楽しむという方法もあるぞ。それをこれから覚えていこう」というような言葉をかけたそうです。

 

バスケットに限ったことではありませんが、何かを突き詰めるためには、それ相応の負荷が心身にのしかかります。それを苦しい、つらいとネガティブにとらえず、成長の過程としてすべてをひっくるめて楽しめるかどうか……。アスリートやアーティストや起業家など、いろいろな人を取材させてもらう中で、この感覚は「一流になる/ならない」の大きな分水嶺だと感じています。佐藤コーチもきっと、八村選手の将来を見越してこの言葉を伝えたのだと思います。

「アメリカを倒す」という想像を実現できるか⁉

インタビューの最後に、「東京オリンピックを楽しんでいる自分をイメージできますか?」と尋ねました。八村選手は即座にそれをイメージできたようで、「やばいっすね……」と口元をゆるませていました。そしてその後、ちょっと躊躇しながらも「アメリカ、倒しているんじゃないですか」と、自分自身に言い聞かせるように、小さくつぶやいたのがとても印象的でした。

 

2018-2019年のアメリカ代表候補35人のうち、八村選手より上位でドラフト指名された選手は18位。現状の評価で言えば、八村選手はアメリカを倒せる、非常に近い場所にいることになります。本人もコメントしている通り、ドラフトはあくまで通過点ですが、高校2年生の冬に彼が発した言葉が、現実に近いものになっている……。いまだ、不思議な感覚です。

 

八村選手はウィザーズのサマーキャンプに参加した後、8月のワールドカップに向けて、日本代表の合宿に合流する予定とのこと。凱旋帰国し、今後は日本の代表として力をふるってくれるのが、今から楽しみです!

 

文・写真=青木美帆

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