
中部大第一のマネージャー・宮原那奈さん。24秒カウントダウンの声は会場中に響いた
いきなり自分語りから入って恐縮なのですが、高校時代は野球部でマネージャーをやっていました。
小中とやっていた吹奏楽部があまり熱心じゃなさそうだったこと、中学時代からの同級生に誘われたこと、野球が好きだったこと、体育会の世界を見てみたかったこと――。そんなもろもろの理由で入ってみたものの、マネージャーとしての自分の定位置がなかなか定まらず、精神的にはつらい3年間だった記憶があります。「選手たちのために何かをやらなければ」という思いの行き場が見つからず、ときには暴走し、ときには停滞し、本当にロクなことをしなかったような……あまり振り返りたくありませんが(笑)。
「選手たちを支えようと思っているけれど、なかなか支え切れていないのかな。そう思うことがよくあるんです」
中部大学第一高校(愛知)のマネージャー・宮原那奈さんのこんな言葉を聞いて、大昔の自分のことを思い出した次第でした。
男子相手にガンガン叱咤激励。異端の女子マネージャーたち
中部大一には昨年まで、田口知花さんという名物マネージャーがいました。
男子チームの女子マネージャーというと、選手から一歩引いたところでサポート業務に徹するイメージがありますが、田口さんは違いました。女子マネージャーがいない純度100パーセントの男所帯に飛び込み、大きな声でチームを鼓舞し、時には厳しい叱咤も。
自分からグイグイと選手に働きかける仕事ぶりとベンチでの鋭いまなざしは、下級生のときから際立った存在感を持っていたものです。
なので、今年の5月に行われた交歓大会「能代カップ」で中部大一の試合を見た時には、「あれ?」と思いました。また大きな声を出すキリリとした女子マネージャーがいるけれど、田口さんって去年卒業したんじゃなかったっけ……? それが田口さんと代替わりしベンチに座るようになった、宮原さんでした。
チームのことを一番に考えるため、悩み苦しんだ1年間
ウインターカップ5日目に、宮原さんに話を聞くことができました。
中学時代は卓球部。大会前になっても練習しないようなゆるい部活を経て、「厳しい世界に入りたい」と男子バスケ部の門を叩いた宮原さん。入部当初は田口さんのやり方に驚くを通り越して「引いた」そうですが、徐々に田口さんのスタイルを踏襲していくようになります。
「こういうマネージャーのやり方はまったく想像していなかったんですが、声を出さないと何も伝わらない。たとえ相手に伝わらなくても大きな声を出して、小さなこともコーチングしないといけないと思うようになりました」
当たり前のように、苦労もたくさんしました。チームが弱気になった時こそ自分の出番。そう思って強い言葉で発破かけてみたら、反感を買ったこともありました。
「3年間一緒に過ごしてはいるけれど、ベンチに入るようになったのは2年生の終わり。当時はあまり信頼関係を築けなかったですね」
田口さんが3年間をかけて築いたものを、1年足らずで取得しろというのも無理な話。10代の男の子としては、異性に厳しい言葉をかけられることに抵抗もあるでしょう。
それでも、宮原さんは「チームを一番に考えられるマネージャー」になるために、必死にもがきました。
「毎日毎日ぎくしゃくしているし、逆に話しかけないようにしたほうがいいって思うこともありました。何か言われたときも、言い返さずにグっとこらえて切り替えます。切り替えられないようなときもありますけど……」
笑ってはいましたが、その表情はどことなくつらそうでした。
***
マネージャーは試合中だけでなく、そのあとも当然忙しいもの。決勝後、高校最後の試合を終えて何を思うのかを聞きたかったのですが、宮原さんのお仕事と私自身の取材活動が重なり、機会を得られなかったことが、ただただ心残りです。
宮原さん、苦しいことも多かったと思うけれど、選手たちを支えることに全力投球できましたか? 表彰式後、選手から声をかけられて泣いていたけれど、どんなことを言われたんですか? 3年間は充実していましたか?
もし、後悔ややり残したことがあったとしたら、それは次のステージでぜひ実現を。道は続きます。また会えるのを楽しみにしています!
文・写真=青木美帆
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