2019年09月18日公開 夫人・石橋杏奈さんの存在も力に　楽天・松井

　楽天のストッパー、松井裕樹投手（２３）が９月９日のオリックス戦（楽天生命パーク）で今季３４セーブ目を挙げ、自身が２０１５、１７年にマークした球団記録の３３セーブを更新した。
　「セーブは一人で挙げられない。つないでくれる投手、点を取ってくれる野手のおかげです。どの場面でも、いつでも力を発揮できるように準備するだけです」
　この時点でセーブ数はセ・パ両リーグを通じて１位。球団では初めてとなる最多セーブのタイトル獲得に向けて、視界は良好だ。１０日の時点で２勝７敗と黒星が先行も、防御率１・８５と安定した成績を残してきた。
　原動力は、昨年１２月に結婚した夫人の女優、石橋杏奈さんの存在だ。料理が得意で、食卓はオリジナルのエビ入り餃子、約２５センチの大皿いっぱいの特製ハンバーグなどで彩られる。サラダにかける、手作りのオニオンドレッシングも絶品だという。
　食生活は、独身時代と比べて飛躍的に向上。「僕は食べたら食べただけ太る体質です。手料理が本当においしいから、ものすごく食べてしまう。だから体重をキープするのが難しいんです」と、うれしい悲鳴を上げた。
　スマートフォンの待ち受け画面は、昨年１２月に式を挙げたハワイでのツーショットだ。「家に帰れば、大切な人がいるからモチベーションになる。家族がいると力がわいてきます」と笑顔。「あまり、しゃべり過ぎて、周囲から『のろけてんじゃねえよ！』といわれるから、このへんでやめておきます」と自ら締めくくった。
　昨シーズン後は、先発に転向するプランが浮上した。だが平石監督は、伊藤投手チーフコーチ、森山投手コーチらと話し合った結果、今季も抑えとして起用することを決断。悩み抜いた当時を振り返り、改めて全幅の信頼を寄せた。
　「マツ（松井）は先発でも力を発揮できる投手。投手編成などを踏まえて、どうしたら一番機能するのか、いろいろな適性も考えた。やはり、マツのいないリリーフ陣は考えられない。最後にいてくれるから、他の投手が生きる」
　左腕には目標の一つに、プロ野球史上で８人しか達成していない１００勝１００セーブがある。９月１０日時点で、通算１８勝１３５セーブ。「以前は達成したくて強く意識したことがありますが、役割は首脳陣の指示に従うだけなので、こればかりは何ともいえません」と苦笑いしたが、「自分の記録は関係ありません。とにかくチームの勝利に貢献することしか考えていません」とチーム最優先を強調する。若き守護神は、２０１７年以来、２年ぶりのクライマックスシリーズ進出に向け、フル回転する。