2019年07月05日公開 日本ハム・吉田輝星の支えに清宮幸太郎　インテリアの相談も

　日本ハムのドラフト１位・吉田輝星投手（１８）‖金足農高‖が、６月１２日の広島戦（札幌ドーム）に先発でプロ初登板し、勝利投手に。高卒新人が初登板で勝利するのは、松坂やダルビッシュに続く快挙だった。
　白星デビューの裏には、１学年上の清宮幸太郎内野手（２０）の存在が大きい。１軍昇格が決まった際、吉田輝はすぐさま無料通信アプリ「ＬＩＮＥ」で「よろしくお願いします」と清宮に連絡。１軍合流後は、宿舎などで常に行動をともにしていたという。
　ともに高校時代から注目され、ドラフト１位で日本ハムに入団。千葉・鎌ケ谷市の勇翔寮の部屋は隣同士となった。２月の春季キャンプまではあまり接点がなかった２人だが、清宮が右手有鉤骨（ゆうこう）骨折のリハビリ中に急接近した。
　リハビリ中の清宮が励んだのは、体幹トレーニング。吉田輝も一緒に取り組み、「清宮さんは体幹も強かった。すごかった」と影響を受けた。最終的には、吉田輝も清宮と同じ３段階で最高の「レベル３」まで到達。切磋琢磨（せっさたくま）し合いながら、トレーニングした。自慢のストレートについて、「どうやったらあんな球を投げられるの」と褒めてもらったこともあった。最初は冷やかしかと思ったが「真面目に言ってくれてうれしかったです」。１軍初登板では７７球のうちおよそ８割ストレートで勝負を挑み、プロ初白星をつかんだ。
　プライベートでも、お互いの部屋を行き来し、冗談を言い合える仲になった。清宮が明かしてくれた、ほほえましいエピソードがある。吉田輝に、地元の方言である秋田弁を教えてもらっているという。「かゆいとか、けえっていう。めっちゃは、しったけとか。なんだそれって」。東京出身の清宮にとって、すごく新鮮だった。
　寮の部屋のコーディネートについて話をするときもある。部屋のインテリアを、２人でカタログを見ながら相談。最近では、吉田輝が「清宮さんの部屋のソファがいいなと思った」と、同じブランドの黒色の布地のソファを購入した。
　平成が終わり、令和の時代の幕開けとなった今シーズン。将来の主砲とエース候補である清宮と吉田輝について、栗山英樹監督は「〝何とかのＫＫ〟と言われるようになってほしいよね」と期待を込める。清宮が打って、吉田輝が抑える。清宮＆輝星。日本ハムの仲良し「ＫＫコンビ」が、チームの顔となる日も近い。