
ラジオ版 ザ・カセットテープ・ミュージック 2018年6月30日(土)
24時台
マ) 時刻は深夜0時を回りました。こんばんは。「ミッドナイト・ダイバーシティー~正気のSaturday Night~」のお時間です。マキタスポーツです。
ス) こんばんは。音楽評論家のスージー鈴木です。
マ) 今回のミッドナイト・ダイバーシティーはテレビ番組「ザ・カセットテープ・ミュージック」のラジオ特別企画をやってしまおうということで、初の生放送でございます。(拍手)
ス) まずはこの55分、テーマがありますね。
マ) 最初に私が選んだテーマは「ドラマティック・マイナー」。
ス) イエイ!(拍手)
マ) 皆さんが好きなあの曲やこの曲が、実は同じコード進行で使われてるわけですよ。
ス) 題しましてドラマティック・マイナー。
マ) 55分間持つのかと(笑)。ということでございまして、本日1曲目参りましょうかね。ドラマティック・マイナーと言えばこの曲。サザンオールスターズのこの曲ですよ。『希望の轍』。 (音源再生:『希望の轍』) (ジングル)
ス) はい。というわけで、始まりましたね。 ついに日本初のドラマティック・マイナー特集ですね(笑)。
マ) いきなりドラマティック・マイナーと言っても何のことやら分からないでしょうけども、ドラマティック・マイナーと呼んでいるコード進行。きょう手元にギターがあるので。 (♪ギター演奏)
ス) いいですね。これはメジャーキーですね。メジャーコードですよね。
マ) そうですね。こういうつながりをコード進行と言うわけですね。この中で僕が大好き、ドラマティック・マイナーと呼んでいる、非常に、まあ、文字どおりドラマティックな。 (♪ギター演奏「希望の轍」)
ス) あれれ? なんか胸がドラマティックな感じになりますねえ(笑)。
マ) ねえ。ぐーっと、こう、なんかきゅんきゅんするじゃないですか。
ス) なんでしょうねえ、これねえ。
マ) さっきやりました、1曲目で聞きましたけど『希望の轍』ですね。「♪遠く、遠く、離れゆくエボシライン Oh,my」。
ス) ああ、ドラマティックだ。
マ) ね。この感じって、もうとにかくかき立てられるというか、興奮度が上がってくるという効能があるわけでございますけれども、このコード進行は非常に多く使われていまして。ちょっとひとまず、僕がいま手始めにやってみたいなと思いますけど。「♪Get wild and tough ひとりでは」「♪走る走る 俺たち」「♪la la la 言葉にできない」。
ス) うん、ドラマティック。
マ) 「♪masquerade! 燃え尽きそうな、ラララ、ララ、ララ」。
ス) うん、ドラマティック。
マ) 「♪残酷な天使のテーゼ、ラララララ、ララララ、ラララ」
ス) ドラマティックだ。
マ) 「♪好きならば 好きだと言おう、ラララララ、ラララララララ」
ス) うーん、ドラマティック。
マ) 「♪ラーラ、ラララララ、ララララ」だよね。
ス) おお、これかあ。なるほど。
マ) いっぱいあるでしょう? だから、これなんかもっと行くとですね。「♪This love ラララ、ララララ、ララララララ」「♪鏡の中のマリオネット、ララララララララ、ララララ」「♪タラララ、タンタタン、タラララ、タンタタンタンタン」
ス) はいはい、北野映画ですか。
マ) 「♪タラララ、タンタラン、タラララ、タンタラン、タラララ、タンタランタンタン」とかね。
ス) 日本初のドラマティック・マイナーメドレー。
マ) こんなもんじゃないですよ。もう本当にいっぱいあるんですけども、これは洋邦問わずですね。ちょっと近いところでいまやったのは、Maroon5なんて言ってすごいビッグな洋楽のアーティストいるじゃないですか。
ス) はい。
マ) 『This Love』なんて曲もいまちょっと、ちらっとやりましたけど、直近で言うとそういうとこもありますし。
ス) コード進行で言えば、Aマイナー、F、G、Cなんですよね。 マイナーキーなんだけれども、メジャーコードがトントントンと三つ出てくることによって、何ていうんでしょうね、ドラマティック、直線的な盛り上がりですよね。
マ) これね、いわゆるネットの世界とかでも結構言われてるんですけど、「小室進行」とも言われてるらしいんですよね。代表的な曲ということで聞いてみましょうか。TM NETWORKで『Get Wild』。 (音源再生:『Get Wild』)
ス) ああ、いいわ。87年の発売なんですけど、これ聞いたら本当80年代後半の時代がバーッと浮かびますよね。この魅力はね。
マ) で、このドラマティックっていう作用がどうして起こるのか。このコード進行ってまずはこのマイナー。 (♪ギター演奏)
マ) マイナーから始まってるんですけど、そのあとにちょっと明るい。
ス) はい。F。
マ) Fという。で、Gという1音高いところに行きます。
ス) G。
マ) そして最後、C。
ス) あー、はいはい。
マ) 最初だけがマイナーなんですけど、失敗してる感じしません?
ス) 残念な感じしますね(笑)。
マ) 失望感あるじゃないですか。
ス) ええ、ありますね。
マ) でも、そこで立ち上がってさ。
ス) ほのかな光が見えてきましたね(笑)。
マ) 前を向いてさ。
ス) 後光が差しますねえ(笑)。
マ) 歩いていくんだよ。
ス) 平和だ。
マ) という、転んで、そこでまた希望を目指して立ち上がっていくんだよという、もうそれで既に物語性をちょっと持ってしまってるという。
ス) さっきメドレーの中で『Runner』ありましたけど、暗いところから「♪走る走る 俺たち」、ドーン、平和っていう感じですよね。
マ) これがこの短いサイクルの中で。 (♪ギター演奏)
マ) ということを繰り返すことによって、人々の気持ちにかき立てるものとかを非常に及ぼしやすいっていう効能があるんじゃないかなと思うわけですね。
ス) なるほど。
マ) で、コードのことで言うと「残念な感じ」ってスージーさんも言いましたけど、このマイナーなところから始まってるんですけど、ちょっと難しい話を言うと。 (♪ギター演奏・Aマイナー)
マ) Aマイナーですよね。
ス) はい。
マ) Aマイナーっていうキーで始まってるとする。そのあとにFに行くと、これはサブドミナントって言いますけど、何と言うかな、次の展開に行きたくなってる感じなんですよ。このF。
ス) そこで終われないですよね。
マ) 終われないんですよ。で、その先の。 (♪ギター演奏・F)
マ) というところを目指したくなるんですね、ベクトルとしては。
ス) なりますね。AマイナーからFに行くと、そのFっていうのはもうGに行きたくてしょうがないっていうね。
マ) そうそう。行きたくてしょうがないっていう気持ちになるんですよ。 これは理屈じゃなくて、そういうことになるんですよね。で、このGっていうところまで行くと、これはドミナントモーションって言うんですけど、さらに目の前にある解決、決着しそうなところ。
ス) もうCの亡霊が見えますよね。
マ) そうそう。
ス) もうCに行かんとしています。
マ) 「早くそこに行かせてくれ」ってなってるとこに、このCというところに「ああ、帰ってきた」みたいな感じになるんですよ。
ス) われわれ非常にドラマティックにしゃべってますが、これリスナーの方に通じてるのか(笑)。でも、分かる方いますよね。このCに行ってすごく安堵する感じっていうのがね。
マ) これのコード進行は、何度も言うんですけど物語性が生まれてしまってるのは、何か事が起こって、要するに起承転結的な感じで言うと、物語に既になっちゃってるところがあるんですよね。
ス)そういう物語性っていうか感情の起伏ですよね。だから、小室哲哉さんの曲っていうのがやっぱり80年代後半から90年代前半まで、すごく世の中を騒がせたわけじゃないですか。あれっていうのは、こういうエモーションの転換とかっていうのを小室哲哉さんがすごく意識的にやったのかもしれません。だから『Get Wild』はイントロからもうドラマティック・マイナーで、すごくなんかエモーションが高まる感じがしましたもんね。
マ) そうですよね。で、切なくなる。それから、また興奮度が上がってきて「やってやるぞ!」みたいな感じになるっていうのは、分解するとそういうことが実は内情としてあったということで。みんな大好きな曲にいっぱい使われてるでしょう。本当に。
ス) はい、そうですね。
マ) 爆風スランプの『Runner』という曲もこのコード進行で作られてるわけですよ。
ス) おそらくドラマティック・マイナー史でもかなりの水準の大ヒットですよね、これね。
マ) 80年代の『Get Wild』以降、ものすごくこのコード進行が多用されていくようにまるで思えるんですけど、のちのちこれは形を変えて、たとえばFだったところ。 (♪ギター演奏・Dm7)
マ) ここがDマイナーセブンという、ちょっとおしゃれなコードで使われてたりと、徐々になんかエッセンスがその時代によってちょっとずつ変えられていくところもおもしろいところなんですよね。
ス) さっき直線的とかっていう話をしましたけど。単なる素飯にちょっとふりかけをかける感じでね。
マ) そうそう、そうなんですね。スピッツとか大好きなんですよ。『楓』なんて曲ね。「♪さよなら 君の声を」とかね。
ス) ああ、なんかドラマティック・マイナー、ちょっとセンチメンタルな感じが強いですよね。
マ) それも、ちょっとまた、セブンスっていうね。 (♪ギター演奏・セブンス)
マ) のほうがちょっと都会的な感じがするじゃないですか。
ス) 日本2500万人のセブンスファンの皆さん、こんばんは。真夜中にセブンスの話が出ております(笑)。
マ) 時代とともに、たとえばちょっとパクチーがはやったりするじゃないですか。新たな香料みたいなやつ。
ス) ナインスとかね。
マ) そうそう。ナインスとかあるんですよ。細かいことは分からなくてもいいけど、流行りのモードがちょっとずつ変わってたりすることがあるんですけど。 ――
マ) まあ、ドラマティック・マイナーがすげー流行りだして、ものすごく「この曲でいい曲をつくってやるぜ」という気概が、僕は『Runner』という曲に関してはすごく感じるので。あと、もう典型的な「やってやるぜ」感。
ス) はいはい。確かサビのところで転調してドラマティック・マイナーですよね。ドラマティック・ドラマティック・マイナーですよね。
マ) 確かにそうかもしれません。小室さんも結構転調する方ですけど、この方たちも結構転調する曲が多いんですよ。
ス) この転調は80年代後半って感じがするなあ。
マ) 爆風スランプで『Runner』。 (音源再生:『Runner』)
ス) いいですねえ。
マ) いいでしょう?
ス) パッパラー河合さんとね、ファンキー末吉。 「走る走る 俺たち」って、胸がすごく喚起される感じがしますよね。
マ) でしょう? 大して走りはそんなに早くなくても、ゴール、完走を目指して途中転んじゃっても頑張りましょう、みたいな感じの気分にさせてくれるということですよ。
ス) むしろ2、3回こけますよね、これね。
マ) こけます、こけます。
ス) ドラマティック・マイナーですからね。
マ) そうなんです。
ス) FとGの中で一回ひっくり返りますよね。
マ) そうそう、そうなんですよね。
ス) 88年か。
マ) まだ無邪気にドラマティック・マイナーを使ってるんですよ。というのは思うんですけど、この形に至るまでに、この原型となる曲やコード進行があったんじゃないかという。
ス) ドラマティック・マイナーの源流?
マ) そう。
ス) 需要はないかもしれませんが、やりましょうかね。
マ) やりましょう、これ。おそらく2000万人ぐらいは潜在的なドラマティック・マイナーファンはいると思うんですよ。
ス) めっちゃ多いな(笑)
マ) ということで、楽しみにしてくださいね。このあともまだまだドラマティック・マイナー話をしますんで、お楽しみに。 ――
ス) ドラマティック・マイナー・トーク2!
マ) 2、行きますか。いいですか。
ス) じゃあ、いよいよこのドラマティック・マイナーっていうのがどういうふうに日本で生成したのかっていうことですよね。これはマキタさん、お考えがある。ね?
マ) 「ドラマティック・マイナーの源流って何だろうね」ってスージーさんと話をしてる中で、ある時スージーさんのほうから、まず吉田拓郎を考えてみようと。
ス) なんとなくマイナーにメジャーコードが絡む感じは吉田拓郎じゃないかと。たとえば……。 (♪ギター演奏)
ス) 『旅の宿』。「♪浴衣のきみは尾花の簪」。
マ) いまGに行きましたね。
ス) EマイナーでGですから、これはAマイナーでいうところのCですよね。
マ) はい。
ス) というふうにマイナーキーの中に。あと『マークⅡ』という曲があります。 「♪さよならが言えないで」。
マ) ああー。
ス) これAマイナーということですよね。あと『落陽』ってありますね。 「♪しぼったばかりの夕陽の赤が」。ね?
マ) はい。
ス) なんかマイナーのキーなのにメジャーコードが出てくるっていうね。たぶん吉田拓郎さんっていうのはフォークのイメージが強いですけど、すごいボブ・ディランとかビートルズの。ありきたりのコード進行をわりと避ける人なんですよね。だから僕の考えでいくと、当然ドラマティック・マイナーそのものではないんですけれども、マイナーキーにメジャーコードがすっと入ってくるっていうのは、わりと吉田拓郎源流なんじゃないかと思うんですよね。
マ) そう。で、その話を俺はスージーさんから聞いたときに「ほお、なるほど」と非常に感心したんですよ。というのは、僕はあんまり、吉田拓郎さん世代からだいぶあとに生まれた人間なので、拓郎さんというのは一時代をつくった人なので、そこまで、革命的なことをやったという話は聞いてるけど、自分の中ではリアルにコード進行のレベルではあまり考えてなかったんです。
ス) まあ、ドラマティック・マイナーそのもので言いますと、たとえばかぐや姫の『神田川』
ス) イントロはドラマティック・マイナーなんですよね。
マ) そうなんですってね。
ス) ただ、かぐや姫『神田川』から小室哲哉が来る感じはあまりしないんですよね。
マ) そうなんですよ。
ス) むしろ吉田拓郎のほうに連結性が強いんじゃないかなと思うんですよね。
マ) で、それがなぜかという話なんですけど、まずいきなり、いくつもキーが移動してしまうようですけど、もう一回あらためて整理しておきますと、このキーでやりますね。Aマイナー。
ス) Aマイナー。 (♪ギター演奏)
マ) これをドラマティック・マイナーの典型的なものとしますけれど、これに至るまでにもっと、なんかやぼったいものがあったんじゃないかと思うんですね。それが……。 (♪ギター演奏)
ス) はいはい。なんか立ち上がって走る感じがしませんね。
マ) ですよね。
ス) 泣いたままですよね。道端でね。
マ) そうなんですよね。Aマイナーのあとに、もう一回Dマイナーって言って、ちょっとこれもマイナーキーなので暗い感じですよね。
ス) シクシク泣いていますね。道端でね。
マ) そうそう。これだと泣きっぱなしで転びっぱなしじゃないですか。
ス) 転びっぱなしですねえ。立ち上がらないですねえ。
マ) そうなんですよね。立ち上がってる感は、おそらく……。 (♪ギター演奏)
ス) おお、来た!
マ) ね。これがあるから立ち上がって、また前を向いて頑張っていこうっていう感じとかが演出されるわけですけど。
ス) だから、かぐや姫『神田川』だと、なんか神田川のほとりでシクシク泣いてる感じなんですけど、吉田拓郎の『旅の宿』とか『落陽』『マークⅡ』とかっていうのはやや走ってる感じがするっていうね。エネルギーを感じるっていうことですよね。
マ) ドラマティック・マイナーに至るまでにこういう暗いものがあった上で、さっきスージーさんが言ったみたいに、拓郎さんがメジャーの音が入ってたりするような展開をつくったという説で言うと、この『落陽』という曲があるんですが。
ス) ちょっと聞いてみたいですね。
マ) この曲のドラマティック・マイナー以前の、ドラマティック・マイナーがいよいよ始まるぞ感がある曲だと思えるので。
ス) ♪しぼったばかりの「夕陽の」のところですね。
マ) そうそう。と思いながら、この曲を聞いていただきたいと思います。吉田拓郎さんで『落陽』。 (音源再生:『落陽』)
マ) ね。
ス) ええわ。めっちゃええわ。 (♪ギター演奏)
マ) このあとに。 (♪ギター演奏)
マ) この立ち上がる感じというか。 『落陽』って、どういう気持ちなのか分からないけど旅をしてるわけでしょう。詞の中でね。
ス) そうですね。
マ) で、さいの目振って、どっちに行く先を決めるかみたいなことをやってる放浪の旅の中で見た情景が、日が沈むところのドラマティックさっていうものがこの詩情としてあるわけですよね。
ス) あと、あそこのサビが「♪苫小牧発仙台行きフェリー」。あそこでガーンとね。
マ) 意外とものまねいけますね(笑)。
ス) 鈴木スポーツです(笑)。
マ) いや、鈴木拓郎ですよ。
ス) 鈴木拓郎。ドランクドラゴンみたい(笑)。
マ) スーパーカートリオなのか分かんないけども。
ス) あそこの進行っていうのは、すごいロックっぽいじゃないですか。
マ) そうなんですよね。
ス) 吉田拓郎っていう人はわりとフォークのイメージが強いので、なんか南こうせつさんとか井上陽水さんとかとひとくくりにされる気配があるんですけど、僕はやっぱり吉田拓郎さんは普通のコード進行に絶対安住しないっていうか、必ずロックっぽいフレーズが入ってきて、なんか力強い感じが僕はもっと評価されるべきなんじゃないかと。まあ、評価されてますけど、ロック、ドラマティック・コード進行の始祖としてね。
マ) それで、もう1曲ちらっとだけ聞いてもらいたいんだけど、『マークⅡ』行きません?
ス) ああ、いいですね。
マ) このドラマティック・マイナーが生成される前の『マークⅡ』という吉田拓郎さんの曲があるんですけど。
ス) これですね。 (音源再生:『マークⅡ』)
マ) このアップテンポな感じ。
ス) これですね。これは初期の初期ですよ。エレックレコードね。
マ) エレックの頃ですね。
ス) 「♪さよならを言えないで」です。AマイナーからFに。
マ) こういうところがロックっぽいところのゆえんですよね。
ス) ロックっぽいです。ハードロックですよね、これ、やってることね。
マ) で、この曲、『落陽』にしても『マークⅡ』にしても、このマイナー感がすごく基調ですけど、若干のロックっぽさっていうのが。当時の感覚で言うとロックっぽさの成分が入ってたと思うんですが、この『マークⅡ』をさらに聞いた上で、僕はこの元ネタになってるものとして挙げられるのが、アニマルズという人たち。まあ、ほかにもいろんなカバーをしてる方がいらっしゃるんですけど、『朝日のあたる家』という曲があるんですよ。これものちのドラマティック・マイナーにつながるものの曲なんじゃないかということで、アニマルズ聞いてみましょう。
ス) はい。 (音源再生:『朝日のあたる家』)
ス) はい。Aマイナー、C、D、Fですかね。まあ、ドラマティック・マイナーとは少し違いますけど、マイナーキーなんだけれども、メジャーでトントントンと押し寄せてくる感じは。
マ) そうそう。前進していく感じとかってあるじゃないですか。
ス) はい、そうですね。
マ) で、どうです? 僕、後付けで自分で考えたんですけど、この朝日と落陽という、対になってる。
ス) ほほう。サンライズ・サンセット。
マ) そうなんです。サンライズ・サンセットが対になっていて、この近似性というか、つながりみたいなもの。同じマイナーな感じだけど、『朝日のあたる家』というのは作者不詳で、アメリカの民謡ですよ、言ってみればね。
ス) そうですね。
マ) フォークソング中のフォークソングとして歌い継がれてる曲で。で、僕ね、コード進行とアメリカ大陸っていうのが一番重要なことだと思っていて、それ以前に、旧大陸で言うとヨーロッパでクラシック音楽というものがつくられてくる中で、クラシックって言われてる音楽にはコード進行っていう概念はなかったはずなんですよ。
ス) まあ、コードネームは書かないですよね。
マ) コードネームは書かないじゃないですか。コード進行っていうものは新大陸のアメリカで、たとえばジャズとかがつくられてきてコード進行という概念が生まれ、さらにそれが庶民的なところに下ろされていくとフォークソングと結び付いて。で、ギターっていう楽器。これはピアノっていう楽器よりもギターのほうがだいぶ携帯性が強くて、みんなが持てるものじゃないですか。
ス) はい。
マ) そこでまたさらにフォークソングブームというのがあって、それがそれごとアメリカから日本に輸入されてきてムーブメントになるわけじゃないですか。で、この『朝日があたる家』とかをベースにして、吉田拓郎という超アイコンがコード進行をさらに、あの人、我が強いから、自分でさらにアレンジメントしていくっていうことのほうが結構ふに落ちると僕は思うんですよね。
ス) やっぱり普通の循環コードを絶対使わないと言いましょうか、おっしゃるとおり、コード進行というものでオリジナリティを出していこうというのは、日本人では本当に吉田拓郎さんから始まった文化かもしれませんね。 当然グループサウンズがあって、そのときには筒美京平さんとか鈴木邦彦さんというプロの作曲家はいますけど、いわゆるそういうルールとかを無手勝流で、ルールに陥らずに自分でコード進行を編み出していくというのは吉田拓郎さんが始祖なんじゃないかと思いますね。
マ) で、クラシック起源で言うと、たとえばドヴォルザークの『ユーモレスク』っていう曲があって。
ス) えらいとんでもない方向に行きますね(笑)。ドヴォルザーク。 (音源再生:『ユーモレスク』)
マ) また僕ら以外にもドラマティック・マイナーを研究してる人がいるらしく、一番古いドラマティック・マイナーの起源としては『ユーモレスク』が考えられるんじゃないかと言ってる人もいるらしいんですよ。
ス) 曲の後半のほうですかね。
マ) そう、ここ。 ♪『ユーモレスク』
ス) ありゃりゃ。お、走って、走って。ドヴォルザーク走ってるわ。
マ) ここがね、そうそう。
ス) 来た、来た。
マ) そうそう、これこれ。
ス) サンプラザ中野さんが。
マ) これ、スピッツが歌っててもおかしくないからね(笑)。
ス) ドヴォルザークだったんだ。
マ) でも、これは確かにドラマティック・マイナーなんだけど、やっぱりクラシック畑でつくられてるものなのでコード進行という概念に当てはまらないと思うよね。
ス) まあね。
マ) やっぱりコード進行っていうのは、さっき言ったけど。 (♪ギター演奏)
マ) こういうものとかが一つ物語性があって、非常にそのドラマ性自体がいろいろ使い回しがすごく自由に、汎用性があるということ自体で輸入されていくわけですよ。使われていくわけですよ。
ス) はい、そうですね。
マ) なので、クラシックのそれとはちょっと違うと思うので。
ス) そうかもしれませんね。
マ) ポップスや日本の歌謡曲にまで下ろされていくことになってくると、やや違うと僕は思うんです。説的に言うと。
ス) ドヴォルザークとか南こうせつとかという話はあるんだけれども、おそらく小室哲哉、80年代後半のドラマティック・マイナーブームにつながってるのは、きょうの番組的には吉田拓郎。
マ) そう。で、吉田拓郎さんに影響を受けたと公言してる小室哲哉さん。そして桑田佳祐さん。
ス) もうそれは『吉田拓郎の唄』って曲がありますからね。
マ) ありますからね。で、桑田さんもこのドラマティック・マイナーっていうコード進行は大好きなんです。『希望の轍』以外とかにも。
ス) 『チャコの海岸物語』。 『ミス・ブランニュー・デイ』
マ) 『ミス・ブランニュー・デイ』もそうですね。ぐらい使われてるわけですよ。で、そのフォロワーの人たちの中で、特に小室さんがザ・吉田拓郎フォロワーとして作った曲があるわけですよ。
ス) ああ、はいはい。
マ) これがH Jungle with tの『WOW WAR TONIGHT』です。
ス) これは吉田拓郎メロディーだ。
マ) これはだから、ジャングルというビートとかを輸入してやってるから、当時、歌謡曲フィールドというかJ-POPフィールドの中ではすごい斬新だったけど、メロディーはめちゃくちゃ吉田拓郎とかフォークソングだったじゃないですか。
ス) メロディーが五音音階なんですよね。ペンタトニックなんですよね。
マ) そうなんです。ペンタトニックってやつですね。
ス) だから曲自体の音楽的なあれでいくと、それこそ『イメージの詩』とかにかなり近いところがありますね。ああ、そうか。ありがとうございます。勉強になるわ、この番組。
マ) 結局、巡り巡って『朝日のあたる家』から吉田拓郎を経過し、そして小室哲哉につながり。
ス) いい番組ですね、この番組。
マ) ね?
ス) な何か賞もらえますかね、これもね(笑)。
マ) 頂きましょう。頂けるもんだったら、何でも頂きましょう(笑)。
ス) ありがとうございます。
マ) ということなので、本当にこのイメージで聞いていただきたいと思いますけれども、実はこういう流れになってたということで、H Jungle with tで『WOW WAR TONIGHT』聞きましょう。 (音源再生:『WOW WAR TONIGHT』)
マ) ドラマティック・マイナー進行のパートは以上でございます。
ス) いやー、あっという間でございましたね。時間足りないなあ(笑)。
マ) いやいや、これ、スージーさん、もう本にしましょうよ。したほうがいいよ。
25時台
マ) 時刻は深夜1時を回りました。
ス) はいはい、回りましたよ。
マ) BS12トゥエルビにて放送中のテレビ番組「ザ・カセットテープ・ミュージック」のラジオ特別企画をやってしまおうということで、初の生放送になっております。(拍手) ――
ス) この60分のテーマはですね、「朝まで生カノン進行」
マ) ちょっとスージーさん、さっそく聞きたい。さっそく聞きたい。
ス) 田原総一朗さんですか(笑)。
マ) 分かりやすく、あなたはいま言いたいと言ったけども、朝まで生カノン進行といっても一般の人は分からないと思う。
ス) 分かりました。
マ) 分からないと思う。ちゃんと説明してほしい。
ス) じゃあ、カノン進行ってね。ちょっと一回。 (♪ギター演奏)
マ) はい、これね。
ス) なんか敬虔な、清潔なコード進行ね。これが実は90年代の前半ぐらいに大ブームになるんですよね。 「♪心配ないからね 君の思いが」「♪僕の背中は自分が思うより正直かい?」「♪負けないこと 投げ出さないこと ララララララ 信じ抜くこと」「♪負けないでもう少し」。
マ) たくさんある。カノンメドレー。
ス) 90年代前半にこのカノン進行を使った曲がどんどん出てくるんですよね。 きょうはこのカノン進行っていうのが日本でどういうふうに確立したのかっていう歴史を追って、分析していきたいと思った次第でございますね。
マ) いやー、これは楽しみですねえ。日本人は大好きですから。
ス) じゃあ、まず90年代のカノン進行を代表する、「♪君と出逢ってからいくつ」、あのへんがカノンっぽいですよね。ヒット曲でございます。米米CLUBで『浪漫飛行』。 (音源再生:『浪漫飛行』) ――
ス) 『浪漫飛行』に関しては、ベースが下がっていくっていうのがね。
マ) 大循環なんていって。
ス) だよね、カノン進行。「♪君と出逢ってからいくつもの夜を語り」、これね、ド・シ・ラ・ソっていう感じがね、これがカノンの特徴ですよね。
マ) そうなんですよね。だから、規則性があるんですよね。
ス) そうですね。循環コード。で、いよいよ源流に。
マ) 源流に行きますか。
ス) はい。僕の分析なので、違った説もあるかもしれませんが、やっぱり60年代後半のさまざまな洋楽がカノンな感じなんですね。有名なのが67年のプロコルハルムの『青い影』という。 (♪ギター演奏)
ス) って、やるやつですね。これを白カノンと言いまして。黒カノンというのがあるんですよね。いまのはイギリスのプロコルハルムっていう、非常にクラシカルな。
マ) ヨーロッパのほうの大陸にあるのが白カノンだというふうにすると。で、黒カノンっていうのもあると?
ス) 黒カノンはゴスペル調。このヒット曲は66年の『男が女を愛するとき』。「♪when a man love a woman ラララララ」。
マ) そこ知らねーのかいと(笑)。
ス) 原曲をかけろよという説がある(笑)。すみません、真夜中に歌っておりますね。これが黒人、パーシー・スレッジと言いましてね。あと、厳密に言うとカノン度は低いんですけど、やっぱり世界でもっとも有名な洋楽といったらビートルズですね。『Let it be』。「♪When I find myself in times of trouble Mother Mary comes to me」。これはもうカノンっぽいっていうことです。
マ) はいはい。
ス) 60年代から『Let it be』が70年。この66~70年のあたりに、洋楽ですごいカノンっぽいヒット曲が乱立するんですよね。
マ) それは海外の話ですよね。
ス) はい、そうですよね。
マ) で、これが日本に入ってきた瞬間があるわけですよ、きっとね。
ス) 入ってきますね。60年代後半にはグループサウンズですね。たとえば『亜麻色の髪の乙女』、ヴィレッジ・シンガーズとかですね。「♪亜麻色の長い髪を」。
マ) あれもカノン進行?
ス) あれはカノンですね。すぎやまこういち作曲ね。同じすぎやまこういちで、タイガースの『落葉の物語』とかありますが、僕はやっぱり日本におけるカノン進行はこの曲がエポックだったんじゃないかと思いますね。イントロからカノンでございますね。じゃあ、聞いてみましょう。 (音源再生:『翼をください』)
ス) さあ、美しいカノンがやってまいります。真夜中ですがご唱和ください。
マ) ご唱和ください?
ス) ここです。C、Gセブン、Aマイナー、Eマイナー、F、C、ここでBフラット! おお、ロック。もう一回カノン。C、Gセブン、Aマイナー、Eマイナー、F、C、ここで一転Bフラット! Gセブン。素晴らしい。はい、ありがとうございます。1971年ですかね。赤い鳥『翼をください』というね。
マ) のちのハイ・ファイ・セット。
ス) そうですよね。山本潤子さんの素晴らしい声。
マ) ねえ、山本潤子さんの素晴らしい声の『翼をください』。これはもうさんざん学校で歌った。
ス) そうなんですよ。日本においてカノン進行が90年代に爆発するのは、学校教育でコーラスとかで、コーラス部とかがこの曲を歌ったり、カノン進行が教育現場から日本に広がっていったと思うんですね。
マ) ただ鈴木さん、これね、一つ聞きたい。
ス) それね、受けが難しいんですよ(笑)。
マ) 一つ聞きたい。途中でちょっとおかしな、ぐっと持ち上がる瞬間があったのよ。そこを聞きたい。
ス) さっきのBフラットですよね。
マ) Bフラット?
ス) 「♪この大空に翼をひろげ 飛んで行きたいよー!」。
マ) ここはちょっと学校教育に似つかわしくないような激しさを感じるよ。
ス) 鋭いですね。さすが田原総一朗さん。朝まで生カノン(笑)。ここは作曲家が村井邦彦さんという。
マ) 村井邦彦さん出たー。
ス) 加瀬邦彦、鈴木邦彦、村井邦彦が日本三大邦彦。
マ) 三大邦彦(笑)。
ス) 全員慶應大学。
マ) 慶應大学、素晴らしい。
ス) ロックミュージカルの世界ですよね。Bフラットが入ることで敬虔な、清潔なカノンの世界にちょっとロックな感じが入る。 (♪ギター演奏)
ス) ああ、来た。
マ) これが入るとロックな感じがするというね。ちょっと一癖だけ付けてやるっていうことですよね。
ス) とにかく70年代に学校教育現場から日本にカノンを広めたのはこの曲ですよ、やっぱりね。日本カノン史上のエポックとなった名曲ですね。
マ) ただおとなしくてお行儀がいい感じだけじゃなくて、ちゃんと若さのエナジーがそこにはほとばしってるあたりが村井マジックが。
ス) そして、その村井邦彦がプロデュースをしたある天才少女が八王子から来ますね。
マ) 来るか。出たよー。
ス) これはさっきのプロコルハルム『青い影』の直系ですよね。もうカノンとくくるのもちょっともったいないぐらい、すごい芸術的な。ある意味『青い影』よりもアーティスティックですね。
マ) なるほど。
ス) 天才少女のこの曲でございます。 (音源再生:『ひこうき雲』)
ス) この美しいコード進行。
マ) いやー、清水ミチコさんってすごいんですねえ。
ス) いやいやいや、違う違う(笑)。
マ) これミチコさんじゃないんですか。
ス) 違う違う。荒井由実さんの『ひこうき雲』。
マ) 最高ですよね。
ス) ここでツイッターがありまして、子猫のナースさんですね。「そもそもカノンって何ですか」。ですよね(笑)。
マ) 一応、説明していただきましょう。
ス) パッヘルベルの『カノン』というね。「♪パッパラパッパラパララララ」って、お風呂で温度が高くなると流れるような。
マ) お風呂とかトイレとか、水回りで結構流れてる音楽だ。
ス) もっと言えば、パッヘルベルの『カノン』というクラシックをベースにした山下達郎の『クリスマス・イブ』ね。あのコード進行のことを一般にカノン進行と申しておりまして、詳しくは『すべてのJ-POPはパクリである』、マキタさんの本で。 マ) 名著。ありがとう。
ス) ということで、プロコルハルムの『青い影』というものをベースにして、この73年かな、荒井由実、天才少女がこの『ひこうき雲』。美しい曲ですよね。
マ) これ本当に素晴らしいですよね。で、サビのところ「♪空に憧れて 空を」。
ス) 「♪かけてゆく」。
マ) これは普通のカノン進行ではないですよね。ちょっとアレンジしてありますよね。
ス) 違いますね。さっき言ったカノン進行。もっと言えば、プロコルハルム『青い影』はバッハの『G線上のアリア』の影響ですから、もうバッハですよ。日本のバッハ。
マ) 日本のバッハ。
ス) あと、さっきの赤い鳥は関西のグループですから西カノンとすれば、東カノン。
マ) なんか、どん兵衛ウエストとどん兵衛イーストみたいな。だしが違っちゃってるみたいな感じの。
ス) さっきの黒と白に比べると、西カノン、東カノン。もう東カノンの代表ですね、これね。
マ) なるほどね。さあ、天才少女もカノンというコード進行をうまく用いて、当世、カスタマイズして日本人のお口に合う、お耳に合うように素晴らしい曲をつくったということですよ。
ス) そうですね。それで実は、大阪に加えて九州カノンというのが。
マ) ちょっと待ってください。日本全国のカノンの蔓延度がすごい。すごいことになってる。それ聞きたい。
ス) 先に言いますけど、日本を代表するカノニスト。
マ) ベストカノニスト?ベストカノニストが九州にいた?
ス) 一番代表はこれですかね。「♪ああ だから今夜だけは」。あと「♪そうだよ 誰にも」。財津和夫さんですよ。
マ) 同じ人だ。
ス) もう70年代のチューリップは全部カノンです。「♪きみをさらってゆく風になりたいな」。
マ) ああ、またBフラットが出てきたね。
ス) そうですね。あと「♪ふたりの愛があるかぎり」。
マ) うわー! 全部カノンじゃん。
ス) もう関東カノン、関西カノンですけれども、カノンをもっとも量産したのは九州カノンのチューリップ。
マ) 西日本カノン。
ス) だからユーミンが発祥したのが京王ね。電車で言えばね。まあ、赤い鳥は阪急。
マ) 阪急カノン。
ス) 西鉄カノン。
マ) 西鉄カノンって(笑)。
ス) 西鉄ライオンズじゃなくて西鉄カノンズ。
マ) 誰がいたんだ? 若菜とかいたのかな?
ス) ああ、そうですね。若菜いましたね。真弓もいましたね。 村井邦彦が荒井由実を生んで、荒井由実は東芝EMI、エキスプレスレーベル。同じ東芝EMIでこのチューリップということですね。だから、わりとカノンの歴史というのは村井邦彦発でつながっていくという感じですよね。
マ) チューリップはそんなに多用してたとはねえ。
ス) もっと言えば東芝EMIからユーミンが初め出てきて、ユーミンが真ん中でカノン水戸黄門としますね。助さんと格さんがいるわけですよ。財津和夫さんと小田和正さん、ダブルカズ。東芝EMIダブルカズですね。
マ) 確かにそうか。
ス) そうです。別にカノンだけじゃなくてメジャーセブンスとか転調とかという、なんというか上品なコード進行というのはこの3人がコード進行の印籠を持って、70年代後半から広めていくというのが日本コード進行史の最も大きな3人組ですね。
マ) あともう一つ、ちょうど分析的にカノンというコード進行というのは何が味わいとしてあるんですか。
ス) 僕の考えて言うと、90年代に爆発するのがカラオケで歌って気持ちいい。さっきの『浪漫飛行』、「♪君と出会ってからいくつ」。ベースはさっきド・シ・ラ・ソって下がるんですね。「♪君と出会ってからいくつ」、もうすごく気持ちいいっていうね。なんかベースが下がっていく上で歌う快感性っていうのが、僕はカノン進行ブームの背景にあると思うんですよね。
マ) 日本人って意外と、規則正しさとかルールが大好きだったりするじゃないですか。
ス) そうですね。
マ) そういうところとも結び付いていたりするんですかね。
ス) たぶん、僕がさっきから言ってる敬虔な感じ。パッヘルベルの『カノン』はキリスト教音楽ですからね。キリスト教的な清潔な感じ、敬虔な感じというのは日本人が、さっきの赤い鳥の『翼をください』は代表ですけど、あまりにも美し過ぎて学校教育で取り上げられるぐらい、カノンというのが魅力的なコード進行だということですね。
マ) 僕はともすると、このカノンというコード進行は、学校教育と言いましたけど、制服みたいな。
ス) 制服?
マ) 制服って標準なやつがあるんだけど、ちょっと丈を詰めたり、ちょっと改造したりとかする。
ス) さっきの「♪飛んで行きたいよ」というBフラット。あれは制服なんですけど、ちょっとルーズソックスが入ってる。時代が違うか(笑)。
マ) ちょっと時代は違うけど、長ランにしてるのか、ちょっとやんちゃ入れてる感じですよね。
ス) 長ラン、短ラン、大混乱みたいな感じですね。 なんか規則性があるのが日本人好みなのかもしれませんね。
マ) なるほどね。
ス) じゃあ、というわけで、さっきチューリップが日本を代表するカノニストと言いましたけど、やっぱりチューリップを代表するカノンといえばこの曲かな。もう本当に美しい曲で、時代を代表する名曲だと思いますね。チューリップで『青春の影』。 (音源再生:『青春の影』) ――
ス) 70年代の話を整理しますと、一番初めはプロコルハルム、パーシー・スレッジ、ビートルズなどがあり、その影響を受け、村井邦彦の元赤い鳥がいて、荒井由実がいて、チューリップがいてという形で、70年代に学校教育も含めてカノン進行が広まっていくと。とはいえ、日本においてカノン進行というものが完璧に根付くのは……。
マ) 完璧に根付くかどうかが重要ですよ。
ス) これは何と言いましょうか、ちょっと別格的なカノン。ベッカノン。
マ) ベッカノン(笑)。それはもう、おいたが過ぎる。
ス) すいません。というのは、やはりこの曲でございます。 (音源再生:『クリスマス・イブ』)
ス) 来ましたね。別格カノン。
マ) これは別格中の別格ですし。
ス) ですよね。
マ) これはカノンうんぬんじゃなくて、日本人の刷り込みがすごいじゃないですか。奥のほうまでもう刷り込まれちゃってるやつだから。
ス) 『クリスマス・イブ』。これは一応発表が80年代前半で『MELODIES』というアルバムですけど、じわじわと広がっていくのは80年代後半なんですよね。
マ) そうなんですね。
ス) 例のCMとかで。山下達郎さんはどうですか、田原総一朗さん。
マ) あのー、山下さんはね、非常にね、議論の対象にはなるんだけどね、議論に本当に振られると大変なんだよ、これは。議論好きな人だからね。
ス) しゃべるときの手が似てるんですけど、テレビじゃないと伝わらないので(笑)。
マ) ラジオでは伝わらないというね。
ス) 僕が思うのは、やっぱり90年代のカラオケ界におけるカノンの爆発的なブームといいましょうか。それは80年代後半に、この『クリスマス・イブ』という曲がじわじわと歌われることによって広がっていったんじゃないかと思うんですよね。
マ) ああ、そうかあ。
ス) あとそれに加勢するのが、山下達郎に加えてやはりユーミンがもう一度、『守ってあげたい』。
マ) 「♪You don’t have to worry,worry」ですよね。
ス) あそこがカノンですよね。
マ) はい。
ス) あと『ミス・ブランニュー・デイ』(サザンオールスターズ)。「♪夢に見る姿の良さと美形のBlue Jean」。あれもベースがド・シ・ラ・ソと下がってきますからね。だから、このサザン、ユーミン、山下達郎と言えば御三家と言いましょうか、いまでも日本のトップですけど、その方々が80年代の前半に一気呵成にカノン、カノン、カノン。
マ) そうかあ。それだけ有名な曲もみんなカノンを使ってる。
ス) そうですね。
マ) この『クリスマス・イブ』という曲は某CMで有名になりましたよね。
ス) そうですよね。
マ) だから、これは資本主義カノンとも言えるんじゃないかと思う。
ス) きょうは田原総一朗さんのほうで行きますか(笑)。いや、とてもおもしろいんですけど、普通に返しますと。
マ) はいはい。
ス) でも資本主義というと、確かにJ-POPという言葉が生まれる前なんですけれども、僕とマキタさんがよく話すJ-POP論というね。さっきの『浪漫飛行』なんか典型なんですけど、めっちゃコードがたくさん出てきていて、あとメロディーも多くて幕の内弁当みたいなね。
マ) いっぱいものが入ってる。
ス) カノンというコード進行自体がだいたい基本8小節で、さっき大循環とおっしゃいましたけど、C、Eマイナー、Aマイナー、Eマイナー。ここで終わらずに、F、C、Dマイナー、セブンスとか入れて、Gセブンとかね。もう長いというか、幕の内弁当みたいな、からあげ、ぎょうざ、ごはんを食べて、そこでつくだ煮みたいなね。中途半端な上につくだ煮は入っていないかもしれませんけど、そういうコード進行がたくさん入ってるという、幕の内弁当感に近いのかもしれませんね。
マ) そのお得感というか、結構日本人も大好きでありますもんね。
ス) 『浪漫飛行』でも、歌ってて「♪君と出逢って」、ああいいなと。それで「♪忘れないで」と来て、ここで終わりかなと思ったら「♪時は流れて誰もが」。
マ) まだあったと。
ス) 数えたらEメロまであるんですね。 あとMr.Childrenとかね、やっぱりカラオケで歌ったらすごいスタミナ使うじゃないですか。
マ) はい。
ス) 『Tomorrow never knows』とか。「♪誰かのために生きて」とか、あのへんの2拍3連とか。
マ) 2拍3連。
ス) なんというか、ここまでやるか、ここまで行くか、メロディーをどんだけ詰めんねんという話と同じような意味で、コード進行が8小節全部使ってというのが資本主義といいましょうか、J-POP資本主義といいましょうか。そういうものにつながってるんじゃないかと思いますね。
マ) カラオケとの結びつきとか、90年代以降CDが売れていって、工業製品化するようにして、一つの金型みたいな形でカノン進行というのは非常に利便性が高く、いろいろ出せば売れるからということで言うと、みんなが大好きなモデルというか金型に入れてつくればある程度のレベルのものがつくれるというような。
ス) 平均点が高いコード進行ですよね。
マ) ですよね。
ス) だから、さっきの『愛は勝つ』『どんなときも。』『負けないで』とか、岡本真夜『TOMORROW』とかね。
マ) そう。「♪涙の数」。
ス) だいたい全部、メッセージは頑張ろう系と言いましょうかね。
マ) 頑張ろう系。
ス) 頑張っていこうよと。で、それにカノン進行を挟み込むと非常に量産が利くといいましょうか、平均点が高いというね。
マ) 「♪今すぐKiss me」とかね。
ス) ああ、そうだ。
マ) 「♪P.S.I Love You」とかね。Pink Sapphireという人たちがいましたけど。
ス) いまこの深夜25時、Pink Sapphireの話をしてますね(笑)。
マ) Pink Sapphire。ガールズロックバンドでしたけど、新人アーティストの人たちとかも、結構このカノン進行でスマッシュヒット曲は作っていたりするんですよね。
ス) という形で、いまでもJ-POPではすごくカノン進行は多いのですが、こういうふうなプロコルハルムあたりから始まって、ユーミンを経てサザン、山下達郎、そして90年代前半のカノン大ブームとなるのがカノン進行の一大絵巻ですね。ぜひいつか大河ドラマでカノンの物語を取り上げてほしいですが。 きょうはせっかくですから、カノン進行が1曲の中に転調して2回入ってるという曲をご用意しました。はっぴいえんどのほぼ初期ですね、70年。『12月の雨の日』って曲がありましたけどね。これはあのMr.ナイアガラ、大滝詠一さんのごくごく初期の曲なんですけど。
マ) 山下達郎から大滝詠一につながるって、新春放談みたいな。
ス) 新春放談をここで再現しておりますね。
マ) あの2人がやっていたやつにつながるような。
ス) スージー・ソングブックでございますね。
マ) いいですね。
ス) きょうは一番初めのファーストアルバムバージョンではなくて、のちに8チャンネルで取られたちょっといい音で、かっこいいバーションがありますので、ぜひこれではっぴいえんどのサビのところと、サビが2回のやつが両方で転調してカノンが2回あるという『12月の雨の日』。ぜひ注目して聞いてみてほしいと思います。 (音源再生:『12月の雨の日』)
ス) はい、カノン1回目行きます。 はい、転調してカノン2回目行きます。 はい、はっぴいえんどで『12月の雨の日』、8トラックバージョン。かっこいい。
マ) これすごいかっこいいし、クールだし、ホットだし。でも、なんか構造的におもしろいですね。
ス) もう一回確認しますと、「♪雨あがりの街に 風がふいに立る」っていうのが、キーがGでのカノン。ここから5度上がって、キーがDに上がって「♪流れる人なみを僕は視てる」もややカノンということで、1個の曲でGとDで転調して2回カノンのメロディーがあるというね、カノニスト垂涎の的。
マ) これは同じ構造のものが2階建てみたいな感じになってるんだけど、全然風合いが違って聞こえるっていうのがおもしろい仕掛けですよね。
ス) これは松本隆のごくごく初期の作詞作品でもあるわけですけど、「♪雨あがりの街に 風がふいに立る」、そこですっと雨がやんでふわっと太陽が立ち込めて、「♪流れる人なみを僕は視てる」という物語性が、さっきのカノン2段重ねの転調というところで松本隆の作詞がシュッと入ってくるという感じなんですよね。
マ) これは、転調論というのはまたあとでやりたいんですけど。
ス) 朝まで生転調ですね(笑)。
マ) これはあとでやりますよ。
ス) 分かりました。はい。
マ) と言いたいぐらいなんだけど、ちょっと話がそれちゃうようなんだけど、86年でしたっけ?転調元年とわれわれは言っていますけども。
ス) 私の説ですと、86年『My Revolution』の小室哲哉のあの転調元年でございます。
マ) 転調元年というのがありますよね。あのときの転調、覚えてる方もいらっしゃると思いますけど、「♪わかり始めたMy Revolution」、サビのところありますよね。
ス) 「♪明日を乱すことさ」の前ですよね。
マ) そう。その前のところから。だから、われわれはそれまでに「♪さよならSweet Pain」のところで聞いていた世界観がいきなり全然違った世界に行った感じがして、当時新しかったわけですよね。
ス) 小室哲哉のわりと無理やりな転調というのが、これからスタンダードになるわけですね。
マ) ところが、この曲って全然風合いが違って聞こえるんですけどね、転調でも。
ス) 1970年ですから、まだビートルズがやってますから、この時代ね。
マ) そうですよね。
ス) 『Let it be』の同時期に大滝詠一という人が、こんな映画的な転調をやるということも驚きですしね。 はっぴいえんどというのはよく伝説のロックバンドとか日本語のロックの創始者とか言われるのですが、まあ、そういう理屈とは別にこれだけメロディアスな曲を1970年に作ってたのは驚きですよね。
マ) 僕が気にしたいのは、無理矢理感とかがなく。
ス) ないですね。
マ) 両方がちゃんと存在していて、さっき言った松本隆さんの作詞した世界観が無理なく存在しているということが。でも、二つ違うものがあるという。
ス) カノン2段重。
マ) ねえ。
ス) これではっぴいえんどで大滝詠一さんは、これはごくごく初期の曲なんですけれども、そこから11年たって『A LONG VACATION』のB面2曲目の『スピーチ・バルーン』という、あれもザ・カノンでね。
マ) そうかあ。
ス) だから、カノンではっぴいえんどで、これは世の中的にはあまりセールスなかったんですけど、『A LONG VACATION』、11年後に『スピーチ・バルーン』で「どうだ、おれのカノン聞けよ!」という感じのカノン一大絵巻。ぜひ大河ドラマにしてほしいなと思ってるんですけどね(笑)。
マ) 『西郷どん』の次はないです。
ス) カノンどん。大滝カノンどん、岩手県で(笑)。
マ) 西日本カノンですか。西鉄カノンですか。カノンどん。
ス) 岩手県ですから東北カノンですね。
マ) いろいろ食い違ってる。 芸のあるカノンと、言葉はきついけどあえて言えば、芸がないカノンというか。
ス) あるかもしれませんね。
マ) 言葉はなんだけど、僕は二つあると思う。
ス) 田原総一朗(笑)。
マ) というのはね、一見原曲のカノンって「♪テッテレテッテレテレレレレ」があるじゃないですか。で、すごい規則性が感じられて、たとえばベースラインがさっきみたいにド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ソ、ド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ソって、これを回転してる。だから大循環とも言うんですけど、そういう規則性に沿い過ぎてるものは、僕はあまり評価したくない。
ス) そうですね。だから、コード進行とかって言うと本当に魔法のように聞こえて、このラジオ番組でやってると、カノン進行というのがこれを使えば何でもヒット曲になるんじゃないかと勘違いされる方、それは違うんですよね。カノン進行のフォーマットの上にどういうものを乗せるかによって、全然音楽の印象が違ってくる。きょうも『ひこうき雲』とか『翼をください』、はっぴいえんどは同じカノン進行でくくれますけど、全然印象が違いますよね。
マ) そう。
ス) ここが作曲家のクリエイティビティの見せどころで。だから今回はちょっとおもしろがってカノン進行という定形フォームの話をしましたけど、やっぱりそれはベースに過ぎなくて、おっしゃるようにカノン進行をベースに。分かりやすく言えば『翼をください』は「♪飛んで行きたいよ」、Bフラット。 (♪ギター演奏)
ス) 来た、来た、来た。
マ) これね。
ス) あれを入れることによって、カノン進行のキリスト教的な世界にドーンとロックパクチーが入るわけですよね。
マ) そうですね。
ス) というふうに、すごい音楽の世界というのはフレキシブルで自由なものだなと思いますね。
マ) そうなんだよね。だから、一見、一聴するとあんまりカノンだとばれない曲のほうがおもしろいなと思ってて。
ス) それは私も、ちょっときょうは時間がないけども、隠れカノンというのがありましてね。
マ) ちょっと待ってください。その隠れカノン、すごい興味深いです(笑)。ちょっと短く聞きたい。ちょっと短めにちょっと説明してくれると。
ス) 歌っちゃおうかな、隠れカノン。
マ) 隠れカノン。
ス) 「♪恋人よ 僕は旅立つ」。『木綿のハンカチーフ』。
マ) え、え、ちょっと待って。あれ隠れカノン?
ス) それも筒美京平カノンですよ。筒美カノン。
マ) うわー。
ス) 「♪妹よ ふすま一枚」。かぐや姫カノン。
マ) ええ、うそ?
ス) かぐや姫の『妹』という曲ですね。
マ) ええー、あれもカノン?
ス) ほぼカノンですね。
マ) でも、ばれてないというか分かりづらいよ。
ス) 別にばれる、ばれないの問題じゃないんですけど。かつらじゃないですからね(笑)。カノンですからね。
マ) カノンKGBが動いてる。
ス) カノンKGBがね。
マ) そうかあ。だから、やっぱり味があると思いますね。
ス) とにかくカノンは深いですね。
マ) 深いね。
ス) これはちょっと1時間じゃ無理ですね。本当に朝まで生カノン、4時間ぐらいやりたいですね。
マ) 4時間ぐらい行けちゃうかね、これってね。
ス) まあ、これはまだ研究途中で、もっとさまざまな考えとかカノンの曲があると思うんですけど、とりあえずきょうはカノン進行の私の考えを発表できて、非常に大河ドラマも匂ってきましたきょうこの頃ですね。ありがたいことでございますね。
マ) 本当に興味深いですし。あと、結構最初の時点で言ってたけど、白カノンと黒カノンの系統発生で、パーシー・スレッジというソウルシンガーが歌ってた1966年ですよね。
ス) はい、黒カノン。
マ) で、67年のプロコルハルムって、プログレッシブ・ロックの系統ですよね。
ス) はい、そうですね。
マ) それがそれぞれ分派していって、日本では関西カノンで、BOROとかのほうに行くとか。
ス) そうですよね。
マ) で、ソウルと大阪という結び付きとかというラインがありますよね。東京とはまたちょっと違う。
ス) プロコルハルムでユーミンに行って、きょうは時間の関係でかけませんでしたけど、パーシー・スレッジを受けたのは「♪大阪で生まれた女やさかい」。あれはもうパーシー・スレッジ、黒カノンの関西カノンですよね。
マ) そのへんのソウルとの結びつきと、なんかそれってまだまだ語りしろがいっぱいあると思うので。
ス) これはぜひ第2回を。
マ) 第2回をやらないといけないですね。これはまだ終わらない。だいたい朝まで生テレビもそうなんだけど、終わったことないんだよ(笑)。あとでやる、あとでやると言いながらね。
ス) 結論出ないですよね。
マ) だいたい結論出ないまま終わるんだよ。
ス) じゃあ、ちょっと最後、まだまだ研究途中ではありますが、田原総一朗さんに締めていただいていいですか。
マ) えー、この朝まで生カノン、またやります。あとでやります。ということで、朝まで生カノン進行でございました。
ス) はい、ありがとうございました。 (ジングル) ――
ス) 次、何の特集しましょうかね。カノン続編もありますけどね。転調特集?
マ) 転調はやるべき。あ、テンチョウというと、どうしても……。
ス) 関西弁。
マ) そうそう。関西弁でテンチョウというと、どっかのハンバーガーチェーン店の店長みたいな感じに聞こえてしまいますけど。
ス) バイトリーダーという。
マ) 転調の話もできるし。あとスージーさんも後ろ髪進行と言ってるやつあるじゃないですか。
ス) さっきの「♪自分の大きな夢を追うことが」って、あそこですよね。
マ) そうそう。これは僕いわく未練進行とも言ってるんですけど、同じこと言ってるんですよ。
ス) いいですよね。
マ) 似てません? 後ろ髪引かれるのと未練という。
ス) 似てますね。
マ) これをなぜ日本人が好きなのかという話もできますよね。
ス) ぜひ何でもやりましょう。あと、ミ・ファ・ミ・レ・ド特集。
マ) これスージーさん発見の最高におもしろい。
ス) 「♪少女だったといつの日か」。これミ・ファ・ミ・レ・ドね。あ、もうすぐ番組でオンエアされる?
マ) これね、超おもしろい。
ス) なるほどね。
マ) この着目点は、いままでどこにもたぶんないと思う。
ス) え、このミ・ファ・ミ・レ・ド進行が番組の中に出るんですか。これはぜひテレビ版のカセットテープ・ミュージックを見てほしいということですね。
マ) うわー、なんていい番組。
ス) 全国で見られますね。
マ) ぜひとも見ていただかなくちゃいけないですね。
ス) きょうこの番組を機に興味を持ったミ・ファ・ミ・レ・ドな方は、ぜひ全国無料放送BS12トゥエルビにて放送中のテレビ番組「ザ・カセットテープ・ミュージック」をご覧ください。 ――
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