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2021年9月5日放送 第95回ボーナス・トラック:日本語ロックボーカルの始祖!

第95回ボーナス・トラック:日本語ロックボーカルの始祖!

■ザ・テンプターズ『神様お願い!』
作詞:松崎由治
作曲:松崎由治
1968年3月5日

第95回『歴史探訪~JPOPの歌い方~』のボーナス・トラックは、その「JPOPの歌い方」の始祖として、つまりは、岡村靖幸、佐野元春、桑田佳祐、矢沢永吉らの始祖として、日本で最初に「Baby!」を「ベイベエ!」と発音した萩原健一を、ボーカリストとしてリスペクトしたいと思う。

『神様お願い!』の作詞・作曲は松崎由治。聞き慣れない名前かもだが、この人はザ・テンプターズのメンバーでギタリスト。当時のグループサウンズ(GS)界の中ではギターも達者で、要するに、音楽家として非常に優秀な存在だった。この松崎由治が作詞・作曲している点がまずすごい。「日本人が作り、日本人が歌う、日本語のロックンロール」の最初期の名曲と言える。

加えて、それを歌いこなす萩原健一のボーカルが、ふわっとした言い方になるが、もう十分に「ロックしている」点も見逃せない。しわがれ声で苦しそうに「ベイベエ!」と叫ぶ(この曲のエンディングにも、いい「ベイベエ!」がある)と「ロックっぽい」――雑な言い方で恐縮だが、雑な分、本質的だとも思うのだが、とにかく、そういう観念を日本で打ち立てたのは、ボーカリスト・萩原健一最大の功績だと思う。

さらにすごいのが、そんな独創的なボーカルスタイルが、ほとんど無意識で生み出されたことである。洋楽への憧れはベースにあっただろうが、それでも当時の萩原健一が、ミック・ジャガーやエリック・バードンを参考に、日本語の発声をどう「ロックっぽく」するかを、技巧的に突き詰めた形跡に乏しい。究極の「無意識過剰」。むしろ、当時の彼の発言などから分かるのは、当時の歌謡曲的・芸能界的な扱われ方を徹底的に嫌悪している姿であり、そんな反・芸能界的な気分が、上に書いた、ちょっとやさぐれた歌い方につながっていたのかもしれない。

とにかく、この曲から、色んなことが始まり、特に「しわがれ声で苦しそうに『ベイベエ!』と叫ぶ」感じは、岡村靖幸、佐野元春、桑田佳祐、矢沢永吉のみならず、浜田省吾や桜井和寿には、より直接的に影響を与えたと思う。ザ・テンプターズは「大宮のストーンズ」と言われた。日本ロックボーカルの歴史は、埼玉県大宮から始まった。

 

■ザ・テンプターズ『エブリバディ・ニーズ・サムバディ』
作詞:Bob McDill
訳詞:松崎由治
作曲:Bob McDill
1969年11月25日

こちらは珍盤のたぐいかも知れない。ただし触れ込みは実に豪勢で、収録アルバムは『ザ・テンプターズ・イン・メンフィス』。テネシー州メンフィスで、現地の一流音楽家をバックに従えて、萩原健一が洋楽曲を歌うという、実に豪勢かつ野心的な取り組みだった。

当時のメンフィスだから、オーティス・レディングやサム&デイヴなどの「メンフィス・サウンド」を生み出した黒人音楽の聖地である。これ、1969年録音なので、映画『サマー・オブ・ソウル』と時系列的にぴったり重なる。あの映画、あの「ハーレム・カルチャラル・フェスティバル」と同時期に、萩原健一は、黒人音楽の聖地=メンフィスで、英語のシャウトを決めていたのである。

まぁ正直、バックの演奏に対して、萩原健一のボーカルは食い足りないのだが、しかし聴きどころは前半に尽きる。後半、歌詞が英語にスイッチするのだが、その瞬間、「日本語ロックの偉大なる試金石」が「洋楽(黒人音楽)の猿真似」(失礼)に変わるのだ。素直に言えば、日本語パートの方が全然いい。

「しわがれ声で苦しそうに」日本語で歌いながら、ここぞというところで「『ベイベエ!』と叫ぶ」からセクシーなのであって、英語で「しわがれ声で苦しそうに」歌っているだけだと、単なる物真似大会になってしまうのだ(それも劣化コピー)。当たり前のことだが、日本人は日本語で歌う方がいい。日本人の魂(ソウル)を日本語で込められる。そんな、今となっては、あまりにも当たり前のことを、あらためて痛感させる1曲である。

と、まぁそれはそれとして、ぜひ『ザ・テンプターズ・イン・メンフィス』のアルバムジャケットを検索して見てほしい。「1969年の萩原健一」のかっこよさはちょっと類を見ない。英語パートのボーカルも許せる気分になる。このジャケットは何度も画像コピーしても、劣化することはないだろう。

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第93回「オトナのためのジャニーズソング講座」のボーナス・トラックとして、昭和・平成・令和、3元号にわたるジャニーズ帝国の礎(いしずえ)=「たのきんトリオ」を世に知らしめるキッカケとなった、TBSドラマ『3年B組金八先生』(第1シリーズ)に関する音楽、通称「金八ポップス」=略称「K-POP」を取り上げてみたい(なお、この通称・略称は、いま私が勝手に作った俗称である)。

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