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2021年6月13日放送 第90回ボーナス・トラック:ユーミンの暗黒ソング!

第90回ボーナス・トラック:ユーミンの暗黒ソング!

■荒井由実『翳りゆく部屋』
作詞:荒井由実
作曲:荒井由実
編曲:松任谷正隆
1976年3月5日

第90回「第一回!不幸歌合戦」のボーナス・トラックとして、本編で『コンパートメント』を取り上げたユーミンによる、別の暗黒ソングをご紹介したい。暗黒ソング――具体的には「死」を取り扱った曲だ。世の中的には、バブルとリゾートを楽天的に謳歌している印象の強いユーミンだが、実は死を歌った暗黒ソングが多いのdeath。

放送には入っていないが、『コンパートメント』以外に番組内で紹介したのは、泣く子も黙る『ひこうき雲』と『ツバメのように』。『ひこうき雲』は言うまでもなく、ユーミンのデビューアルバムのタイトルチューンで、『ツバメのように』は79年のアルバム『OLIVE』の収録曲。しかし、これ以外にもまだまだある。

有名なところでは『翳りゆく部屋』だろう。76年のシングル。死について触れないまま、サビの最後まで行き着いたところで、「♪輝きはもどらない わたしが今死んでも」と、唐突に死の影がよぎる。

ここで思うのは、果たして、死の影がよぎらせる必要があるかどうか。結論から言うと――「必要はある」。なぜなら、主人公が死を見つめるほどの絶望感を味わっていないと仮定すると、この曲の本質的な部分が、ウヤムヤになると思うからだ。

その前の「♪どんな運命が 愛を遠ざけたの」というフレーズもいい。これは中村あゆみ『翼の折れたエンジェル』の「♪悲しみを近づけやしないのに」(作詞:高橋研)と対をなす。「愛を遠ざけると悲しみが近付いてくる」という、人生のやじろべえ。このやじろべえ、もしバランスを崩して、真っ逆さまに落ちてしまうと、その先にあるのは死の淵なのだ。

 

■松任谷由実『12階のこいびと』
作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実
編曲:松任谷正隆
アルバム『流線形’80』
1978年11月5日

もう少しマニアックなものだと、78年のアルバム『流線形’80』のラストに収録された『12階のこいびと』という曲がある。設定は深夜のマンションの12階。おそらく情事の後、男女が眠っている。でも主人公の女性は、「こんど逢う日も決めもしない」で、「軽い寝息」を立てている男性に対して、疎外感を感じている。

そして、こちらも曲の最後に死の影がよぎる――「♪もしあなたが目の前から消えてしまったら ここは12階 窓を開けて舗道をめがけ 紙のように舞うわ」。と、実はこの曲、『ひこうき雲』『ツバメのように』と並ぶ、「飛び降り自殺ソング」(何というジャンル……)なのである。

「こんど逢う日も決めもしない」という表現が何とも上手いし、「紙のように舞うわ」も絶妙。しかし、私が感心するのは「12階」という設定である。高過ぎず、低過ぎず、78年の東京におけるリアリティを醸し出すのに、絶妙な数値設定だと思う。10階だと低過ぎる。15階だと高過ぎる。ここはやはり「12階」だろう。

アルバム『流線形’80』には、『かんらん車』という、これまた暗黒な曲が収録されている。雪の降る日に主人公は観覧車に乗る(ユーミン本人によれば、場所はかつてあった遊園地=「二子玉川園」)。観覧車からは昔の彼氏が住んでいたあたりが見える。そして主人公は想像する――「きっとあなたは窓の外を見てる あの人の肩を抱き寄せて」。

いちリスナーとしての勝手な想像だが、私は、『かんらん車』での昔の彼氏が住んでいるのがマンションの12階で、昔の彼氏こそが、『12階のこいびと』の「軽い寝息」男だと思うのだ。『流線形’80』の中で、不幸の点と点が線となってつながっていく。つながった線を観覧車から見下ろせば、不幸の線は、美しく哀しい流線型に形取られている。

HP限定ボーナス・トラック

第93回ボーナス・トラック:金八ポップス(K-POP)の世界!

第93回ボーナス・トラック:金八ポップス(K-POP)の世界!

2021年8月1日放送

第93回「オトナのためのジャニーズソング講座」のボーナス・トラックとして、昭和・平成・令和、3元号にわたるジャニーズ帝国の礎(いしずえ)=「たのきんトリオ」を世に知らしめるキッカケとなった、TBSドラマ『3年B組金八先生』(第1シリーズ)に関する音楽、通称「金八ポップス」=略称「K-POP」を取り上げてみたい(なお、この通称・略称は、いま私が勝手に作った俗称である)。

第88回ボーナス・トラック:「浜田省吾をマジメに考える!」

第88回ボーナス・トラック:「浜田省吾をマジメに考える!」

2021年5月9日放送

第88回「マキタカラオケ教室2」では、大変お恥ずかしい、私が浜田省吾になりきるという、「そんなもの公共の電波で流していいのか」という代物、いや「色物」がオンエアされてしまった。失礼しました。そこで、今回のボーナス・トラックは、浜田省吾について、「色物」ではなく、まじめに考え直してみたいと思う。

第87回ボーナス・トラック:「リズム王:細野晴臣の軌跡!」

第87回ボーナス・トラック:「リズム王:細野晴臣の軌跡!」

2021年5月2日放送

第87回「開講!ダンス教室」のボーナス・トラックとして、ダンスと言えばリズムということで、日本の「リズム王」=細野晴臣のことを取り上げたい。先に断っておけば、細野晴臣のことを「リズム王」と呼んでいるのは私だけかもで、むしろ『音楽王 細野晴臣物語』(書名)という、より大きな呼称もあるのだが、私は細野のことを、やはり「リズム王」だと思っている

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