
■細野晴臣『Pom Pom蒸気』
作詞:細野晴臣
作曲:細野晴臣
編曲:細野晴臣
アルバム『泰安洋行』
1976年7月25日
第87回「開講!ダンス教室」のボーナス・トラックとして、ダンスと言えばリズムということで、日本の「リズム王」=細野晴臣のことを取り上げたい。先に断っておけば、細野晴臣のことを「リズム王」と呼んでいるのは私だけかもで、むしろ『音楽王 細野晴臣物語』(書名)という、より大きな呼称もあるのだが、私は細野のことを、やはり「リズム王」だと思っている
「細野グルーヴ」とでも言うべきノリがある。そうとう初期からで、例えば、はっぴいえんど『はいからはくち』(71年の『風街ろまん』収録)など、細野晴臣によるベースギターがバンド全体のグルーヴを牽引していることが一発で分かる。『春よ来い』『抱きしめたい』然り。
「ティンパンアレイの頃、僕はロックのリズムの秘密を発見した。さまざまなオールディーズを聴いているうちに、ロックのリズムには、微妙な揺れがあることに気づいたのだ。(中略)スウィングをやっていたドラマーは、跳ねるリズムを叩いている。一方でギターは八ビートを刻んでいる。そこでできあがる跳ねているようで跳ねていないリズム――それがロックンロールのノリであり、実はブキウギの基本である」
これは、19年のイベント「HOSONO SIGHTSEEING 1969-2019」で販売されていた同展示会のオフィシャルカタログ『細野観光 1969-2019』における、細野晴臣自身のコメントより。ややこしいことを言っているようだが、リズム/グルーヴを追究する中で細野は、スウィングとエイトビートの中間にある「リズムの黄金律」を発見するのだ。そしてこの黄金律のことを、細野はこうネーミングする――「おっちゃんのリズム」。
『Pom Pom蒸気』の歌詞は、この「おっちゃんのリズム」という言葉から始まっている。演奏は見事に、というか意識的にドンガラガッタ・ドンガラガッタとした、モッチャリ・モッチャリとした、でも、いや、だからこそ気持ちいいリズムになっている。「リズム王」細野晴臣は29歳にして、リズムの奥義、究極のグルーヴを発見していたのだ。
■イエロー・マジック・オーケストラ『ABSOLUTE EGO DANCE』
作曲:細野晴臣
編曲: イエロー・マジック・オーケストラ
アルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』
1979年9月25日
「リズム王」細野晴臣が、いわゆる「トロピカル三部作」を残した後に、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)を結成して、世界的な成功を収めたのは有名な事実。YMOの音楽と言えば「テクノポップ」で、コンピュータで、デジタルで、つまりは無機質なリズムだったイメージが強いはずだ。
ただ、大ヒットアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』の2曲目に用意された『ABSOLUTE EGO DANCE』は、「おっちゃんのリズム」的なアナログなリズムを、デジタルの力で再現しようとした、ちょっと倒錯した発想の作品なのである。
一聴して分かるように、この曲は琉球音楽をモチーフとしている。そこで、琉球音楽のリズム感を分析すると、また、スウィングとエイトビートの中間的なものだったので、そんな中間的なリズム感を数値入力したらしいのだ。具体的には、2つの8分音符が並ぶエイトビートを「♪タタ」=「12:12」、三連符の前の2つをくっつけたスウィングが「♪タッタ」=「16:8」だとすると、『ABSOLUTE EGO DANCE』のリズム感は、この2つの中間=「14:10」で作られているという。
このあたり、実際に聴いても、なかなか分かりにくいのだが、言われてみれば確かに、エイトビートよりはモッチャリしていて、でもスウィングほど揺れていない気がする。デジタルの力でアナログなリズム感を再現するという、「リズム王」細野晴臣の倒錯した発想を、ぜひ確かめてほしい。
なお、今年発売された細野晴臣のライブアルバム『あめりか/Hosono Haruomi Live in US 2019』には、完全アナログ演奏の『ABSOLUTE EGO DANCE』が収録されており、こちらは無論、完璧な「おっちゃんのリズム」になっている。これもぜひ聴いていただきたい。
2021年9月12日放送
第1回「A面に入れたいサザンの名曲」の冒頭でかけた曲。『ザ・カセットテープ・ミュージック』の歴史はサザンから始まりました。
2021年9月5日放送
第95回『歴史探訪~JPOPの歌い方~』のボーナス・トラックは、その「JPOPの歌い方」の始祖として、つまりは、岡村靖幸、佐野元春、桑田佳祐、矢沢永吉らの始祖として、日本で最初に「Baby!」を「ベイベエ!」と発音した萩原健一を、ボーカリストとしてリスペクトしたいと思う。
2021年8月8日放送
第94回「全日本名曲選手権」では、洋邦様々な名曲の名カバーを取り上げた。そこで今回は、まず、一時期大ブームとなった「カバーアルバム」のことを考えてみたいと思う。
2021年8月1日放送
第93回「オトナのためのジャニーズソング講座」のボーナス・トラックとして、昭和・平成・令和、3元号にわたるジャニーズ帝国の礎(いしずえ)=「たのきんトリオ」を世に知らしめるキッカケとなった、TBSドラマ『3年B組金八先生』(第1シリーズ)に関する音楽、通称「金八ポップス」=略称「K-POP」を取り上げてみたい(なお、この通称・略称は、いま私が勝手に作った俗称である)。
2021年7月11日放送
第92回「この曲聴くとお酒飲みたくなっちゃうよね」のボーナス・トラックとして、古今東西の「カクテル・ロック」をご紹介したい。これ、カクテルの名前がタイトルとなっている曲のこと。どんな曲がありますやら……。
2021年7月4日放送
第91回「昭和不良列伝」の私のパートで言いたかったことは「ロックの不良性とは、ビート(八分音符)とスウィング(三連符)の融合したところにある」。
80年代にカセットテープで聴いていたあの名曲。マキタスポーツとスージー鈴木の「音楽ずきおじさん」が独断で熱く語ります。
音楽情報と新しいライフスタイルの発信!個性溢れる様々なコーナーとキャストが毎週入れ替わりで番組を彩ります!
三沢あけみが、歌謡界の旧知の歌手仲間や後輩たちをゲストとして招いて「お茶会」を開催。 昭和歌謡の思い出話や最新の歌謡曲などの話に花を咲かせます。
MUSIC B.B.はJ-POP、アイドル、アニメ、声優、ゲームなど様々なエンターテインメントコンテンツを、音楽という目線で紹介する音楽情報TV番組です!!
韓国・韓流ドラマ
<無料BS初放送>―私の人生をかけた嘘が始まる ―
視聴率女王イ・ユリが、実の娘の養母を熱演!偽りの愛が真実の愛に変わる感性サスペンスメロドラマ
出演:イ・ユリ、ヨン・ジョンフン
ジャンル:サスペンス
無料アニメ番組
新作、旧作、隠れた名作まで毎週日曜よる7時は『日曜アニメ劇場』
中国・アジアドラマ
「招揺(しょうよう)」のバイ・ルー&「永遠の桃花」のライ・イー、世紀の美麗カップル誕生! キュートな“男前”ヒロインと高貴なツンデレ当主。相性最悪の 2 人がタッグを組んだら、まさかの恋が始まった!?
出演:バイ・ルー、ライ・イー
ジャンル:歴史ファンタジー
スポーツ番組
今シーズンはドカベンと一緒にパ・リーグ戦を応援!大好評のビジター応援放送も副音声でお届けします。ホームファンは主音声で、ビジターファンは副音声で!
韓国・韓流ドラマ
<BS初放送>2PM のテギョンが、死の瞬間が見える特別な能力を持つ男を演じる!20年にわたる連続殺人事件に隠された真実と、悲しき因縁が交差する最高にスリリングなサスペンス・ロマンス!
出演:テギョン(2PM)、イ・ヨ二
ジャンル:サスペンス