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2021年3月14日放送 第84回ボーナス・トラック:「松本隆の「匂い」を嗅ぎまくる!」

第84回ボーナス・トラック:「松本隆の「匂い」を嗅ぎまくる!」

■鈴木茂『八月の匂い』
作詞:松本隆
作曲・編曲:鈴木茂
アルバム『BAND WAGON』
1975年3月25日

第84回の企画「スメル歌謡祭」で私は、はっぴいえんど『12月の雨の日』の「雨」が、いつ、どこで降ったものなのかという謎を、丹念に検証した(正解「1969年11月30日夜、六本木通り西麻布近辺の雨」)。というわけで、今回のボーナス・トラックは「松本隆の『匂い』を嗅ぎまくる!」と題して、松本隆系スメルを嗅いでいきたい。

まずは、鈴木茂のアルバム『BAND WAGON』収録の『八月の匂い』。タイトルに「匂い」が入っている。松本隆&鈴木茂ということで、はっぴいえんど再来という感じがある。大滝詠一とは無縁も、鈴木茂の歌い方が大滝詠一そっくりなのが面白い。大滝の、あの独特の歌い方には、高い感染力があるのだろう。

さて、この『BAND WAGON』というアルバムは、傑作の誉れが高い。当然音楽性も高いのだが、それ以上に、若き鈴木茂が、ストラトキャスター1本かついで、単身ロスアンジェルスに乗り込んで作ったという「物語性」の高さが、このアルバムを傑作たらしめていると思うのだ。

――だからティン・パン・アレーでやっていたサウンドとは区別したいと思った。だからキャラメル・ママのメンバーには相談しないで、単身アメリカに行くことにしたんだ。(中略)今まで味わったことのないフレーズによる刺激、予想もできないようなミュージシャン同志の反応が欲しかった。アメリカまで行った大きな狙いはそこにあるんだ(鈴木茂『自伝 鈴木茂のワインディング・ロード』リットーミュージック)

「日本ロック界のジョン万次郎」とでもいうべき、鈴木茂の果敢な行動がなかったならば、日本ロックの歴史は数年遅れていたかもしれない。若き23歳の日本人青年が、ストラトキャスター背負って、ロスに殴り込んで、あのリトル・フィートとガチンコでセッションしたのだから。

――さて今後、果たしてこの路線でこのアルバムを超える作品を作れるかどうか。それはぼくにも分からないし正直言ってそんな自信はない。『バンドワゴン』は間違いなくぼくの音楽人生における金字塔だからね(同書)

『BAND WAGON』には、他の鈴木茂作品にはない、独特な「匂い」がある。その「匂い」は「金字塔」の高みから発せられている。

 

 

■寺尾聰『ルビーの指環』
作詞:松本隆
作曲:寺尾聰
編曲:井上鑑
1981年2月5日

いい意味でも悪い意味でも、近藤真彦『スニーカーぶる~す』(80年)が、松本隆の人生を変えたことに間違いはないだろう。松本隆だけではなく、筒美京平の人生をも変えた。

作詞:松本隆、作曲:筒美京平による『スニーカーぶる~す』がとんでもなく売れたことに加えて、この曲が、何というか通俗的、さらに言えば「ベタ」だったことが大きかったと思うのだ。

70年代の松本隆、筒美京平は、誤解を恐れず言えばオルタナティブだった。そして、この東京生まれの2人組は、田舎臭く湿った「歌謡曲」のアンチだったように思う。しかし『スニーカーぶる~す』は、メインストリーム感が強く、かつ「東京臭」が弱い。『スニーカーぶる~す』がヒットした瞬間、「80年代の松本隆、筒美京平」が、オルタナティブではなく、シーンのど真ん中に鎮座ましましたと思うのだ。

昨年の9月1日に放送されたフジテレビ『石橋、薪を焚べる』という番組で、石橋貴明に対して松本隆は、『ルビーの指環』に関してこう発言したという。

松本:「スニーカーぶる~す」がミリオン行った直後で、同じ「匂い」がしたから、「これは行くな」と思って。
石橋:やっぱり「匂い」なんですか。
松本:「匂い」ですね。
(『フジテレビュー!!』サイトより)

『スニーカーぶる~す』と『ルビーの指環』に、音楽的共通点は乏しい。しかし、当時キレッキレの松本隆は、この2曲に同じ「匂い」を感じた。その考えは正解だったようで、『ルビーの指環』も特大ヒットとなった。

では、『スニーカーぶる~す』と『ルビーの指環』に共通した「匂い」とは、何だったのだろう。まずは「売れる匂い」ということ。加えて、当時の強い「翔んでる女」に対して、虚勢を張る男のダンディズムの「匂い」だろうか。

1980年~1981年は、まさに「松本隆黄金時代」。松本隆の筆先から放たれた「匂い」が、日本全国津々浦々に立ち込めている。

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第93回ボーナス・トラック:金八ポップス(K-POP)の世界!

2021年8月1日放送

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