
■郷ひろみ『恋の弱味』
作詞:橋本淳
作曲:筒美京平
編曲:筒美京平
1976年2月1日
第78回『第4回 輝く!日本カセットテープ大賞』の中で私は、「1995年のツツミ♭京平」という話をした。小沢健二『強い気持ち・強い愛』と鈴木蘭々『泣かないぞェ』に、効果的な形でブルーノート「ミ♭」が使われているという話である。
この2曲の背景には、「渋谷系」ムーブメントの中で、筒美京平のソウルフルな作風がリスペクトされていたことがあると思う。では筒美京平が、ロックやソウルを、歌謡曲と大胆に融合していたのは、いつ頃なのかというと、それは70年代後半である。
1976年の郷ひろみ『恋の弱味』は、「筒美京平ソウル」の最高峰だと思うし、個人的に最も好きな筒美京平作品だと思う。実はこの曲にも「ミ♭」が使われていて、最後に繰り返される下降音形の「♪あせってしまう」の「あせ」が「ミ♭」。
この曲とか、次の桑名正博『哀愁トゥナイト』なんかを聴いてみると、「何十年にわたってヒット曲を量産した職人」みたいな話もいいが、キレッキレのソウルフル作曲家だった70年代後半が彼のピークで、80年代以降は余生という気さえしてくるのだ。
■桑名正博『哀愁トゥナイト』
作詞:松本隆
作曲:筒美京平
編曲:萩田光雄
1977年6月5日
ほとんどネタのような売上結果に驚く。99位に1週間だけ頭を出して、すぐに引っ込んでいる。そして売上枚数はたったの2,000枚。それなのに、私世代はこの曲をみんな知っている。名曲だと実感している。何のビジネスでもそうだろうが、とりわけ音楽ビジネスにおいて、短期的な売上など、いかにアテにならないかを示している。
作曲:筒美京平に作詞:松本隆。「東のキャロル、西のファニカン」と言われた、伝説のロックンロール・バンド=ファニー・カンパニー出身の桑名正博のことだから、歌謡曲畑の2人を敬遠しそうなものだが、筒美京平の作品を集めたCD『筒美京平 Hitstory Ultimate Collection 1967~1997』のブックレットには、こう書かれている。
「筒美のプロフェッショナリズムに啓発された桑名は“耳栓が抜けた”と語り、筒美は桑名のことを“カッコいい人、スターになるだろう”と評価。たちまち意気投合したという」
「ミ♭」は意外なところ、「♪醒めた顔 醒めた顔 ウォオウォウォウォ」の「ウォオウォウォウォ」で出て来る。この曲、本編もいいが、このようなフェイク部分における桑名正博の声が異様にセクシーだ。この曲のディレクターだった音楽業界の顔役=小杉理宇造のコメントを、先のブックレットより。
「歌入れには筒美京平が立ち会い、小杉とともにディレクションを行ったという。サビ前に聞かれる“ウォウウォウ”という桑名のシャウト部分は、曲が書かれた当初から譜面に書いてあったもので、実際に桑名が歌うのを聞いた小杉は、“背筋が震えるほどスリリングだった”と語っている」
2021年2月14日放送
第82回「歌謡曲における女性像の変容と変遷」のボーナス・トラックは、番組本編でも触れた、阿久悠の作詞世界における女性像を見ていきたいと思う。
2021年2月7日放送
第81回「自宅で上達!カラオケ教室」のボーナス・トラックは、日本の歌謡曲ボーカルの最高峰である、ちあきなおみの話をしたいと思う。
2021年1月10日放送
第80回『よくわかるペンタトニック講習会』で少し触れた「70年代前半の吉田拓郎によるペンタトニックのメロディが、いかに衝撃的だったか」という話について、このコラムで補足しておきたい。
2021年1月3日放送
2021年新年早々の第一発目、第79回『ボクの音楽~杉山清貴編~』の中で、私(スージー鈴木)が、ショッキング・ブルー『ヴィーナス』と『ドリフのズンドコ節』(ともに69年)のリフが似ているという話をしたので、今回はその補論として、ザ・ドリフターズについて書きたいと思う。
2020年12月6日放送
第77回『KOTOSHI NO OWARI 2020』のボーナス・トラックとして、今回は、番組内で触れられなかった「今年の名曲」をご紹介する。
2020年11月8日放送
第76回「サビサラダ特集」で私は、俗に言う「大サビ」を特集した。この言葉、意味は曖昧だが、要するに、曲の最後の「ここ一番!」というところで出て来るメロディ、ぐらいの意味で解釈してほしい。
中国ドラマ
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