ジャンル別番組一覧

ザ・カセットテープ・ミュージックメインビジュアルザ・カセットテープ・ミュージックメインビジュアル

2020年11月1日放送 第75回ボーナス・トラック:「1984年の9thと6th!」

第75回ボーナス・トラック:「1984年の9thと6th!」

■薬師丸ひろ子『Woman “Wの悲劇”より』
作詞:松本隆
作曲:呉田軽穂
編曲:松任谷正隆
1984年10月24日

第75回の特集は「ア・テンション・プリーズ」。テンション・ノート、つまり9th や11th、13thの音を効果的に使っている曲を、聴きながら、弾きながら、さらには歌いながらご説明した。今回はその9th(ナインス)史上に残る傑作中の傑作をご紹介する。とは言え私は、この曲の名曲性について、あらゆるところで何度も書いて・話しているので、食傷気味だったらスイマセン。

薬師丸ひろ子『Woman ”Wの悲劇”より』(84年)のサビ=「♪ああ時の河を渡る船に オールはない」のところ。9th(ナインス)史上、いや歌謡曲史上に残る傑作フレーズだ。具体的には「♪(ああ時)の河(を渡)るふ(ね)」の( )内の音が9thで、(移動ドで)「レ・ファ・ラ」の和音の上でミの音程となっている。また続く「♪(オー)ルはな(い)」の( )内の音も同様で「ド・ミ・ソ」の和音に「レ」の音で乗っかっている。

言い換えると、この曲のサビはずっと全音(1音)分浮いているのであって、もっと言えば不協和音なのである。それを作った呉田軽穂(松任谷由実)もあっぱれで、また見事に歌いきった薬師丸ひろ子もあっぱれということになる。

松任谷由実はこう語っている。「コードに縛られないというか、どういう音でもぶつければそれなりの表情が出るのよ。コードの響きって色なのね。色彩なのよ。ドミソのコードにセブンスのB♭という音を加えれば、色が少し変わるんだと思う。それがBの音になったらパッと違う音になるとか」(『ルージュの伝言』角川書店)。

■ビートたけし&たけし軍団『抱いた腰がチャッチャッチャッ』
作詞:大津あきら
作曲:大沢誉志幸
編曲:井上鑑
1984年8月21日発売

次に9th や11th、13thなどの奇数系ではない偶数系=6thを取り上げたい。厳密にはテンション・ノートとは言わないかも知れないのだが、6thがもたらす明朗な響き、私は大好きである。

『Woman~Wの悲劇より』と同じ84年にリリースされた、ビートたけし&たけし軍団の隠れた名曲『抱いた腰がチャッチャッチャッ』。この曲のリフレイン=「♪チャッ・チャッ・チャッ・ッチャ・ッチャ・ッチャ・チャ」が(移動ドで)「ラ・ラ・ソ・ッラ・ッラ・ッラ・ソ」という音程になっていて、この「ラ」が6thの音となる。この「♪チャッ」(ラ)の響きがクセになるのだ。何というか、麻薬的な響きと言ってもいいほどに。

90年代前半、新宿歌舞伎町のカラオケスナックで、この部分を何度も歌い踊って、失神?昇天?するオヤジを、私は確かに見た。それを見て、私も、遠い世界に行きそうになった。「♪チャッ・チャッ・チャッ・ッチャ・ッチャ・ッチャ・チャ」。この6thは、危険だ!

HP限定ボーナス・トラック

BS12おすすめ番組

BS12 特選情報

音楽番組(演歌・歌謡)一覧へ戻る

ページTOP

視聴方法