
■薬師丸ひろ子『Woman “Wの悲劇”より』
作詞:松本隆
作曲:呉田軽穂
編曲:松任谷正隆
1984年10月24日
第75回の特集は「ア・テンション・プリーズ」。テンション・ノート、つまり9th や11th、13thの音を効果的に使っている曲を、聴きながら、弾きながら、さらには歌いながらご説明した。今回はその9th(ナインス)史上に残る傑作中の傑作をご紹介する。とは言え私は、この曲の名曲性について、あらゆるところで何度も書いて・話しているので、食傷気味だったらスイマセン。
薬師丸ひろ子『Woman ”Wの悲劇”より』(84年)のサビ=「♪ああ時の河を渡る船に オールはない」のところ。9th(ナインス)史上、いや歌謡曲史上に残る傑作フレーズだ。具体的には「♪(ああ時)の河(を渡)るふ(ね)」の( )内の音が9thで、(移動ドで)「レ・ファ・ラ」の和音の上でミの音程となっている。また続く「♪(オー)ルはな(い)」の( )内の音も同様で「ド・ミ・ソ」の和音に「レ」の音で乗っかっている。
言い換えると、この曲のサビはずっと全音(1音)分浮いているのであって、もっと言えば不協和音なのである。それを作った呉田軽穂(松任谷由実)もあっぱれで、また見事に歌いきった薬師丸ひろ子もあっぱれということになる。
松任谷由実はこう語っている。「コードに縛られないというか、どういう音でもぶつければそれなりの表情が出るのよ。コードの響きって色なのね。色彩なのよ。ドミソのコードにセブンスのB♭という音を加えれば、色が少し変わるんだと思う。それがBの音になったらパッと違う音になるとか」(『ルージュの伝言』角川書店)。
■ビートたけし&たけし軍団『抱いた腰がチャッチャッチャッ』
作詞:大津あきら
作曲:大沢誉志幸
編曲:井上鑑
1984年8月21日発売
次に9th や11th、13thなどの奇数系ではない偶数系=6thを取り上げたい。厳密にはテンション・ノートとは言わないかも知れないのだが、6thがもたらす明朗な響き、私は大好きである。
『Woman~Wの悲劇より』と同じ84年にリリースされた、ビートたけし&たけし軍団の隠れた名曲『抱いた腰がチャッチャッチャッ』。この曲のリフレイン=「♪チャッ・チャッ・チャッ・ッチャ・ッチャ・ッチャ・チャ」が(移動ドで)「ラ・ラ・ソ・ッラ・ッラ・ッラ・ソ」という音程になっていて、この「ラ」が6thの音となる。この「♪チャッ」(ラ)の響きがクセになるのだ。何というか、麻薬的な響きと言ってもいいほどに。
90年代前半、新宿歌舞伎町のカラオケスナックで、この部分を何度も歌い踊って、失神?昇天?するオヤジを、私は確かに見た。それを見て、私も、遠い世界に行きそうになった。「♪チャッ・チャッ・チャッ・ッチャ・ッチャ・ッチャ・チャ」。この6thは、危険だ!
2021年2月14日放送
第82回「歌謡曲における女性像の変容と変遷」のボーナス・トラックは、番組本編でも触れた、阿久悠の作詞世界における女性像を見ていきたいと思う。
2021年2月7日放送
第81回「自宅で上達!カラオケ教室」のボーナス・トラックは、日本の歌謡曲ボーカルの最高峰である、ちあきなおみの話をしたいと思う。
2021年1月10日放送
第80回『よくわかるペンタトニック講習会』で少し触れた「70年代前半の吉田拓郎によるペンタトニックのメロディが、いかに衝撃的だったか」という話について、このコラムで補足しておきたい。
2021年1月3日放送
2021年新年早々の第一発目、第79回『ボクの音楽~杉山清貴編~』の中で、私(スージー鈴木)が、ショッキング・ブルー『ヴィーナス』と『ドリフのズンドコ節』(ともに69年)のリフが似ているという話をしたので、今回はその補論として、ザ・ドリフターズについて書きたいと思う。
2020年12月13日放送
第78回『第4回 輝く!日本カセットテープ大賞』の中で私は、「1995年のツツミ♭京平」という話をした。
2020年12月6日放送
第77回『KOTOSHI NO OWARI 2020』のボーナス・トラックとして、今回は、番組内で触れられなかった「今年の名曲」をご紹介する。
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