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2020年8月2日放送 第69回ボーナス・トラック:「阿久悠・小林亜星名曲選!」

第69回ボーナス・トラック:「阿久悠・小林亜星名曲選!」

■杉並児童合唱団・金森勢『ピンポンパン体操』

作詞:阿久悠
作曲:小林亜星
1971年12月25日

第69回「夏の忘れがち歌謡祭」のボーナス・トラックとして、番組内で紹介した作曲家・小林亜星が、作詞家・阿久悠と組んで放った大ヒット曲をご紹介したい。繰り返すが、小林亜星という人は、私のフェイバリット・コンポーザーであり、その音楽的功績は、もっともっと評価されていいと思っている。

200万枚を超える大ヒットとなったと言われる大ヒット曲。その音楽的ポイントは、もう本当に、奇想天外で、自由でやりたい放題な歌詞とメロディだ。放送作家出身の作詞家・阿久悠と、CMの世界から出てきた作曲家・小林亜星という、日本の湿った歌謡界にどっぷりと浸かっていなかったソングライターチームの手にかかれば、こんなに自由な曲が生まれるのだ。

冒頭のリフレイン「♪ズンズンズンズン・ズンズンズンズン・ピーンポーン・パポーン」の「♪ピーン」がブルーノートになっている。私含む、1960年代生まれの日本人の多くが、生まれてはじめて聴いたブルーノートではないか。そして、2番目に聴いたブルーノートがフィンガー5で、3番目がダウン・タウン・ブギウギ・バンドにつながっていく。

■都はるみ『北の宿から』

作詞:阿久悠
作曲:小林亜星
編曲:竹村次郎
1975年12月1日

何と言っても、1976年のレコード大賞受賞曲である。「♪ズンズンズンズン・ズンズンズンズン・ピーンポーン・パポーン」を手掛けたラディカル&コミカル・ソングライターチームが、ついに、日本歌謡界のど真ん中を征服した!

今となっては「ザ・演歌」という感じで捉えられているが、この曲が当時「フォーク演歌」と紹介されたことを私は憶えている。そのポイントとしては、日本的な「四七抜き音階」(ラ・シ・ド・ミ・ファ=音階4番目のレと7番目のソが無いという意味)ではないことも含めたメロディのモダンな感覚や、です・ます調の(ある意味、はっぴいえんど的な)歌詞である。

「メロディのモダンな感覚」を、さらに具体的に説明すれば、「♪寒さこらえて 編んでます」の「♪で」がソのシャープ(#)というモダンな音になっていること(米津玄師がよく使う音)や、「♪あなた恋しい」の「♪あな↑た」のオクターブ跳躍などのモダンさである。また、都はるみが、特異のがなり節(「はるみ節」とも言われた)を控えて、抑制的に歌っているのもフォーク的と言える。

放送作家出身の作詞家・阿久悠と、CMの世界から出てきた作曲家・小林亜星が手掛けた「演歌」は、とてもモダンで、アイデアに溢れていて、要するに単なる「ザ・演歌」「ド演歌」ではないのだ。

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