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2020年7月12日放送 第68回ボーナス・トラック:「ワンコード・ビートルズ!」

第68回ボーナス・トラック:「ワンコード・ビートルズ!」

■ザ・ビートルズ『トゥモロー・ネバー・ノウズ』

作詞・作曲:ジョン・レノン&ポール・マッカートニー
アルバム『リボルバー』
1966年8月5日

第68回「今度こそ弾けるギター教室」のボーナス・トラックとして、ビートルズの「ワンコード」、つまりコードを1つしか使っていない曲をご紹介したい。「ギターはコードを押さえるのが面倒だ。だとしたらコードチェンジの無い曲を弾けばいいのではないか」という発想のパラダイムチェンジである。

アルバム『リボルバー』の最後を飾る変態曲『トゥモロー・ネバー・ノウズ』にはコードチェンジがほとんど無い。厳密には「ツーコード」で、基本【C】のコードが続くのだが、合間にちょいちょいと【B♭/C】が挟まる。しかし、コードネームを見れば分かるように、ベースはずっとCの音だし「ワンコード」と言っちゃっていいだろう。

番組内で紹介したように、【C】は2~4弦の5フレットを縦にベタ押さえ、同様に【B♭/C】は2~5弦の3フレットをベタ押さえすればいい。「1弦と6弦は?」という質問が来そうだが、必要無い。『トゥモロー・ネバー・ノウズ』を弾くためだけなら、弦を外してしまっても構わない。

それにしても、コード進行の鬼のようなビートルズが、あえて「ワンコード」の曲を作るのが面白い。おそらくインド音楽の影響だろう。コード感の無い(弱い)東洋音楽を目の前にして、自らがこだわり続けたコード進行という概念に見直しを迫られたのではないか。そのときの当惑や混乱を、無理やり詰め込んだような1曲だ。

■ザ・ビートルズ『イッツ・オール・トゥ・マッチ』

作詞・作曲:ジョージ・ハリスン
1969年3月21日

サビでは、少しばかりのコードチェンジ(【C/G】と【D/G】)があるが、Aメロはずっと【G】のコードで続いている。こちらもコードネームを見れば分かるように、こちらもベースはずっとGの音だし、ほぼほぼ「ワンコード」と言えよう。

メンバーの中でインド音楽にもっとも傾倒したジョージ・ハリスンにとって、コード進行の放棄=「ワンコード」への意識はかなり高かったはずだ。ただ、この曲に関して言えば、インド音楽というよりも、ジミ・ヘンドリックスの影響が強かったのではないか。イントロのフィードバック・ギターはまさにジミヘンだし、ジミヘンの『ヴードゥー・チャイルド』もまた、Aメロが「ワンコード」だ。

ビートルズの名曲群に埋もれて、ほとんど語られることのない曲だが、しかしこの曲の独創性や実験性はもっと注目されていいと思う。「ワンコード」に加えて、ループのようなリズムには麻酔性があり、「もっともクラブに似合うビートル・ソング」だと思う。とにかくビートルズの音楽世界はトゥ・マッチである。

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