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2019年12月8日放送 第54回:「ヒゲダン」の音楽的特異性について

第54回:「ヒゲダン」の音楽的特異性について

■Official髭男dism『イエスタデイ』

作詞:藤原聡
作曲:藤原聡
発表:2019年10月9日
アルバム『Traveler』

第54回「KOTOSHI NO OWARI特集」のボーナス・トラックとして、同特集でも取り上げたOfficial髭男dismの音楽的特異性を分析してみたい。まずは今年頻繁に耳にしたこの曲について。

藤原聡のボーカルは、「運動量」が多い。まずもって全体的にキーが高いのだが、その中で、低い音から高い音、さらに高い音へと、ぐんぐん跳躍していくのである。例えばこの曲のAメロ。最低音は下のD(レの音=「♪『あ』めあがり」の『あ』)で、最高音は、何とその約2オクターブ上のC#(ド#=「♪くもらせ『てし』まったっていい」の『てし』)。

カラオケで映えることがヒット曲の必須条件となったJポップの時代となって、1曲に込められた音域はどんどん広がったのだが、しかし、冒頭のAメロだけで、いきなり一気に2オクターブ使ってしまうのは、さすがに珍しい。ボーカルの「運動量」のインフレ度合いは、明らかに「ヒゲダン」の音楽的特異性である。


■Official髭男dism『Pretender』

作詞:藤原聡
作曲:藤原聡
発表:2019年5月15日

次にロングヒットとなっている『Pretender』の「ソ#」について。こちらは53回の「カセットテープ大賞」のオンエアでも言及したものだが、『Pretender』の「ソ#」は「早すぎる」のである。

センチメンタルな響きを持つ「ソ#」と言えば、例えばイルカ『なごり雪』の「♪ふざ『け』すぎた季節のあとで」の『け』の音のように、中盤以降のここぞというところで使うものだ。しかし「ヒゲダン」は、「ソ#」を冒頭から、惜しみなく使ってしまうのだ。「♪君とのラブストーリー それは『よ』そうどおり」の『よ』が「ソ#」で、いきなり2小節目に出てくる。

つまり「センチメンタリズムの初期値」が高いのだ。さらにそこから、サビ、大サビに向けて、センチメンタリズムはさらに高まる。そんな「おセンチの水びたし」感覚も「ヒゲダン」の音楽的特異性だと考えるのである。

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