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2019年10月07日放送 第49回「ビートルズの変態クリシェ」

第49回「ビートルズの変態クリシェ」


■ザ・ビートルズ『イット・ウォント・ビー・ロング』

作詞:ジョン・レノン/ポール・マッカートニー
作曲:ジョン・レノン/ポール・マッカートニー
アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』
1963年

第49回「コード進行まとめました特集」において私は「クリシェ」を徹底的に分析したが、今回は、クリシェ、ひいてはコード進行まわりのアレもコレもの始祖である、ビートルズのクリシェを特集してみたい。

まずクリシェとは何か。乱暴に言えば「半音という最も微妙な音の変化を楽しむ音楽的技法」。半音ずつ下がったり・上がったりすることで生じる微妙なニュアンスを活かして、表現力を増す手法のこと。

アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』(63年)の冒頭を飾るこの曲。番組内でも少し触れたように、中間部の「♪Since you left me~」からのところは、ド・ミ・ソ(キーはE)の、ドとミが半音下がっていく変態クリシェになっている。

よくこんなコード進行を考えたものだと驚くのだが、このコード進行に、岡村靖幸『カルアミルク』という後継がいたのもまた驚きだ。ざっとググってみたが、どうも『イット・ウォント・ビー・ロング』→『カルアミルク』という系譜を指摘したのは私だけのよう。よくこんな系譜をよく発見したものだと、自分が自分にまたまた驚く。

 

■ザ・ビートルズ『エリナー・リグビー』

作詞:ジョン・レノン/ポール・マッカートニー
作曲:ジョン・レノン/ポール・マッカートニー
アルバム『リボルバー』
1966年

次は、アルバム『リボルバー』(66年)の2曲目に入っている『エリナー・リグビー』。この曲のクリシェは「♪All the lonely people~」のところ。マイナー(短調)でラ・ド・ミの和音におけるセブンスの音=ソの音から、ファ#→ファ(ナチュラル)→ミと下がるという、これもまた破天荒なもの。頭の中のハードディスクを回してみたが、このセブンスからのクリシェについては、後継が浮かばなかった(誰かご存知でしたら教えて下さい)。

こういうことを書いていると、ビートルズ変態クリシェについては、やはりジョージ・マーティンの存在が大きかったと思うのだ。クラシック音楽の知識が無い、それでも音楽に関する発想力はやたらと柔軟な若者たちが出すアイデアを、ちゃんとした音楽として精錬させ続けた存在。まごうことなき「5人目のビートルズ」だと思う。いや「4.5人目のビートルズ」か。

最近世間では『アビイ・ロード』の50周年リマスターが話題だ。収録のジョージ・ハリスン作『サムシング』(69年)は、ビートルズ・クリシェの代表作とも言える曲だが、しかし、そのクリシェの使い方は実に正攻法。その数年前に彼らは、今回の2曲のような、もっと変態なクリシェを生み出している。

HP限定ボーナス・トラック

第86回ボーナス・トラック:「Cのリズムセクション!」

第86回ボーナス・トラック:「Cのリズムセクション!」

2021年4月11日放送

第86回「バンドやろうよ2」のボーナス・トラックとして、バンドの背骨である「リズムセクション」のことを取り上げたい。「リズムセクション」、音楽に興味のない方には耳馴染みのない言葉だろう。「バンドの中のリズム担当」くらいの意味で、定義は曖昧なのだが、一般的にはドラムスとベースのことを指す場合が多い。

第84回ボーナス・トラック:「松本隆の「匂い」を嗅ぎまくる!」

第84回ボーナス・トラック:「松本隆の「匂い」を嗅ぎまくる!」

2021年3月14日放送

第84回の企画「スメル歌謡祭」で私は、はっぴいえんど『12月の雨の日』の「雨」が、いつ、どこで降ったものなのかという謎を、丹念に検証した(正解「1969年11月30日夜、六本木通り西麻布近辺の雨」)。というわけで、今回のボーナス・トラックは「松本隆の『匂い』を嗅ぎまくる!」と題して、松本隆系スメルを嗅いでいきたい。

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