
■木村カエラ『リルラリルハ』
作詞:木村カエラ
作曲:會田茂一
編曲:會田茂一
2005年3月30日
第47回「いい声特集」では、私好みの女性ボーカリストとして、竹内まりや、夏川りみ、矢野顕子などを取り上げ、それぞれに似た声質を持つ洋楽のボーカリストとして、カレン・カーペンター、バーブラ・ストライサンド、ケイト・ブッシュを併せて紹介した。今回はその追加でもう1組、邦楽と洋楽のボーカリスト・コンビをご紹介したい。
まずは木村カエラ。この人のいいのはまず声量。声がデカいこと。ボーカリストとはまず声量だと思う。そして乾きながらも適度に粘着的でツルっとした声質。さらには、いかにも「歌うことが楽しい」という感じのパフォーマンスもいい。ついでに言えば、作詞家としても天性のものを持っていて、この「リルラリルハ」(REAL LIFE REAL HEART)というフレーズなど、職業作詞家には決して作ることが出来ないものという気がする。
木村カエラのボーカルを聴くと「天然モノ」という言葉を思い浮かべる。機械的に色々といじくりまわした「養殖モノ」のボーカリストが多い中、木村カエラやaikoは、自然の中で有機的に育てられた天然の味がする。彼女がボーカリストとして語られることは少ない気がするが、これぞ「リアルボーカル」だと思う。「リルラリルハ」の「リルボ」をあらためて聴き直してほしい。
■フェアーグラウンド・アトラクション『パーフェクト』
作詞・曲:マーク・E・ネヴィン
そんな木村カエラの声質に似ている洋楽のボーカリストと言えば、フェアーグラウンド・アトラクションのリードボーカルの女性。と、ここで普通に「フェアーグラウンド・アトラクション」と書いてしまったが、憶えている人はどのくらいいるのだろうか。
80年代後半、このイギリスのバンドの『パーフェクト』という曲が、この日本でも少しばかり流行ったのだ。具体的には1989年(平成元年)の頃に、開局まもないJ-WAVEで、ジュリア・フォーダム『ハッピー・エヴァー・アフター』やバーシア『タイム・アンド・タイド』などとともに、よくオンエアされていた印象がある。つまりは「バブル期の東京を彩った洋楽」の1つだ。
そのリードボーカルであるエディ・リーダーという女性の声が、木村カエラに似ているのだ。まさに「乾きながらも適度に粘着的でツルっとした声質」。木村カエラにエディ・リーダーからの音楽的影響など、まるで無いと思うのだが、結果的に似てしまっている。
フェアーグラウンド・アトラクションは、バブル的な、J-WAVE的な「東京おしゃれ文脈」に消費されたのちに、残念ながら、すぐに解散してしまったのだが、同じくデビュー時に「東京おしゃれ文脈」に消費されかけた木村カエラが、そこから長く、未だに音楽活動を続けているのは嬉しい。とても嬉しいかぎり。
第53回(特番):歌いたくなるブライアン・メイのギターソロ!
2019年12月1日放送
特番「BS12は12歳!ハワ恋カセット4時間スペシャル」のボーナス・トラックとして、オンエアでも紹介した「歌いたくなるブライアン・メイ(クイーン)のギターソロ」を、あと2曲紹介しておく。
第52回「ソニー系オールスターズ、完成」
2019年11月10日放送
第52回「バンドやろうよ特集」のボーナス・トラックとして、番組内で私が選んだ「ソニー系オールスターズ」(ベース:江川ほーじん/爆風スランプ、ドラムス:川西幸一/ユニコーン、キーボード:KYON/ボ・ガンボス)の追加メンバーを考えてみたい。
第51回「ジョン・レノンは愛だろ、愛」
2019年11月03日放送
第51回「世界の中心で、愛をさけぶおじさん」のボーナス・トラックとしては、やはり「愛と平和のジョン・レノン」のラブソングを紹介するしかないだろう。
第50回「ジミー・ペイジのギター編曲を聴く!」
2019年10月15日放送
収録の合間に、何度となくレッド・ツェッペリンのギタリスト=ジミー・ペイジの話が出た、第50回「おじさん、ギターやめるってよ特集」のボーナス・トラックは、アレンジャーとしてのジミー・ペイジの話をしたい。
第49回「ビートルズの変態クリシェ」
2019年10月07日放送
第49回「コード進行まとめました特集」において私は「クリシェ」を徹底的に分析したが、今回は、クリシェ、ひいてはコード進行まわりのアレもコレもの始祖である、ビートルズのクリシェを特集してみたい。
第48回「ユーミンのポツンと一曲」
2019年09月10日放送
桑田佳祐や山下達郎のレア音源をお届けした第48回「ポツンと一曲」のボーナストラックとして、ここではユーミンの「ポツンと一曲」をお届けしたい。