■キャロル『ヘイ・タクシー』
作詞:大倉洋一
作曲:矢沢永吉
1973年12月20日発売
アルバム『ライブ・イン・リブヤング』より
第46回「夏だ!祭りだ!踊っちゃおう特集」のボーナス・トラックは「踊りたくなるCのグルーヴ」と題して、Cから始まる名前を持つバンドの、思わず腰が動くグルーヴを取り上げたい。
まずは、番組内でも何度となく取り上げているキャロル(CAROL)だ。ドラムスのユウ岡崎とベースの永ちゃん=ご存知矢沢永吉によるリズムセクションは、特にライブ盤でその本領を発揮する。特にアルバム『ライブ・イン・リブヤング』の1曲目の『ヘイ・タクシー』は、ちょっと常軌を逸している。日本ロックンロール史上最高のグルーヴではないか。
キャロルでもう1曲挙げるとすれば、解散コンサートの『グッド・オールド・ロックン・ロール』だろう。『ヘイ・タクシー』はジョニー大倉がボーカル。『グッド・オールド・ロックン・ロール』はジョニーと永ちゃんが徹頭徹尾ハモっている。
そして、このキャロルの強い影響を受けた久留米のヤンキーたちが結成したのが、次に紹介する「C」のバンドである。
■チェッカーズ『ミセスマーメイド』
作詞:藤井郁弥
作曲:鶴久政治
編曲:THE CHECKERS FAM.
1991年9月4日発売
次なる「C」はチェッカーズ(CHECKERS)。あまり語られることはないが、チェッカーズのリズムセクションは抜群で、特に後期の徳永善也(ドラムス)と大土井裕二(ベース)の醸し出すグルーヴは、日本ロック史に残るものだと断言する。その最高傑作がチェッカーズのキャリア末期のこの曲だ。
私はかねがね、ロックンロールのグルーヴとは、エイトビートとシャッフルの中間に存在すると思っているのだが、この曲などはまさにそれで、「ビートが効いているのにスウィングしている」という傑作グルーヴだと思う。少なくとも、同時期に似たグルーヴを叩き出していたオリジナル・ラブよりは上だと思っていた。
日本3大ロックンロール・バンドは、ザ・スパイダースとキャロルとチェッカーズ。そしてチェッカーズは、日本最後のロックンロール・バンドだとも思う。そんなチェッカーズを支えたのは、徳永善也(ドラムス)と大土井裕二(ベース)によるグルーヴなのだ。誰が何と言おうと。