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2019年08月04日放送 第45回「小室哲哉ナインス特集」

第45回「小室哲哉ナインス特集」

■TM NETWORK『Self Control』

作詞:小室みつ子
作曲:小室哲哉
編曲:小室哲哉
1987年2月1日発売

第45回「暑中お見舞い申し上げナインス」のボーナス・トラックとして、今回は「小室哲哉ナインス」を特集したい。番組内で「玉置浩二ナインス」には言及したことがあるが、ナインス(9th)の使い手として、小室哲哉のことも忘れるわけにはいかないからだ。

まずはTM NETWORK『Self Control』。売上枚数は3.9万枚と少ないが、その割には強く記憶に残るナインスを含有している。それはイントロから連打される「♪レッ・レッ・レーミ」という音形だ(レがナインス)。そしてサビの「♪Self Control」というフレーズも、この音形に乗っている。

このナインス、出自は大沢誉志幸(歌・作曲)と大村雅朗(編曲)の「大大コンビ」による『そして僕は途方に暮れる』(84年)だと推測する。あの曲でイントロから連打される「♪ッレ・レッ・レレ・レミ」という音形を、かなり直接的に引用したと考えられるのだ。なぜなら小室哲哉本人による、このような発言が残されているからである。

――大沢(誉志幸)さんの「そして僕は途方に暮れる」は、大村(註:雅朗)さんの最高傑作かなと思ってるんですけど、絶妙な組み合わせだなぁと思っていて。「これぞアレンジ」というか、曲を生かすアレンジはすごいなと(梶田昌史・田渕浩久『作編曲家 大村雅朗の軌跡1951-1997』-DU BOOKS-)

「大大コンビ」から「小」室哲哉に、鮮やかなナインスが手渡された!

 

■渡辺美里『My Revolution』

作詞:川村真澄
作曲:小室哲哉
編曲:大村雅朗
1986年1月22日発売

続いて『Self Control』の約1年前に発売された「大小コンビ」=大村雅朗編曲・小室哲哉作曲の傑作。渡辺美里を一気に世に出したこの曲は、作曲家・小室哲哉を世に出した1曲でもある。

どこがナインスかというと、歌い出し「♪さよなら」の「よ」が、コード【E】におけるF#の音で、ここがナインスなのだ。理屈っぽい話はともかく、この「♪さよなら」の「よ」に、独特の浮遊感を感じていただけるのではないだろうか。また、この歌いだしのメロディと共通するイントロのファルセット(渡辺美里自身による)も同じくナインスを活かしたもの。

「小室哲哉ナインス」は、湿った「玉置浩二ナインス」と異なり、どことなく機械的でまた浮遊感を持っている。デジタルの無機的な世界に放り出されて浮遊する感覚と言えばいいか。そんなナインスと「小室哲哉sus4」(この『My Revolution』の転調のところでも炸裂する)によって、小室は音楽シーンを席巻することとなる。

なお、先の『Self Control』も『そして僕は途方に暮れる』も『My Revolution』も、すべてEPICソニーからの発売。ということは、今回の取り上げた曲のナインスは「EPICソニー・ナインス」と言い換えてもいいものだ。

HP限定ボーナス・トラック

第93回ボーナス・トラック:金八ポップス(K-POP)の世界!

第93回ボーナス・トラック:金八ポップス(K-POP)の世界!

2021年8月1日放送

第93回「オトナのためのジャニーズソング講座」のボーナス・トラックとして、昭和・平成・令和、3元号にわたるジャニーズ帝国の礎(いしずえ)=「たのきんトリオ」を世に知らしめるキッカケとなった、TBSドラマ『3年B組金八先生』(第1シリーズ)に関する音楽、通称「金八ポップス」=略称「K-POP」を取り上げてみたい(なお、この通称・略称は、いま私が勝手に作った俗称である)。

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