
今回は、第39回「オトナのピンク特集」のボーナス・トラックとして、ピンク・レディーの名作イントロを評論してみたい。
■ピンク・レディー『S・O・S』
作詞:阿久悠
作・編曲:都倉俊一
1976年11月25日
ピンク・レディー初のオリコン1位となったこの曲のイントロは楽しい。底抜けに楽しい。その楽しさたるや、一時期ライバルと言われたキャンディーズの翌年のヒット『暑中お見舞い申し上げます』のイントロと比肩する。
楽しさの根源はアレンジだ。生の弦楽器と生の管楽器(特に左右に分離したサックス)が、一斉に騒ぎ立てる。「生」ということがポイントだ。デジタル全盛の今となっては、これだけ多くの「生楽器」の合奏が、いかに贅沢なことかと思い知らされる。そしてそこから出てくる音のかたまりが、あの♪ドンチャカパフパフという道化な響きなのだから、楽しくないわけがない。
作曲だけでなく編曲も都倉俊一。作品もルックスも「ザ・洗練」という感じの都倉が、一旦道化の世界にハマってしまうと、強烈な道化になるということの見本だと思う。世界的評価を得た後の坂本龍一が、『ダウンタウンのごっつええ感じ』で、汚れたブリーフを履きながら、コントをノリノリで演じていたことを思い出す。
■ピンク・レディー『渚のシンドバッド』
作詞:阿久悠
作・編曲:都倉俊一
1977年6月10日
同じく、都倉俊一による道化アレンジが光る道化イントロ。こっちのベースとなっているのはロックンロールである。ベースギターが8 分音符でルートを刻み続けるアレンジは、同じく「阿久悠=都倉俊一」コンビの最高傑作だと思う、山本リンダ『きりきり舞い』(73年。後に近田春夫&ハルヲフォンがカバー)を思い出させる。
ただし普通のロックンロールではなく、コード進行が凝っている。冒頭から【B♭】→【D♭】→【E♭】と展開する。これ、キーをGに移調すると【G】→【B♭】→【C】。この展開で思い出すのは、ディープ・パープルだ。それも『スモーク・オン・ザ・ウォーター』のあのリフ(G→B♭→C・G→B♭→C#→C)。つまりロックンロールとハードロックが融合している。
そう言えば、歌い出しの「♪ああ 渚のシン”ド”バッド」の「ド」の音は、『スモーク・オン・ザ・ウォーター』のリフの印象を決定付ける「C#」(移動ドで「ファ#」)の音と同じであり、かつこの音は、後のピンク・レディーのヒット曲でも多用される音で、言わば「ピンク・レディー・ノート」とでも言えるもの。
個人的には、この『渚のシンドバッド』までが「第1期ピンク・レディー」であり、次の『ウォンテッド(指名手配)』からは、道化が洗練を乗っ取ってしまい、興味が失せてしまう。大衆はそんな「第2期ピンク・レディー」に熱狂したのだが、私は道化と洗練が拮抗している「第1 期ピンク・レディー」を愛する者だ。
2021年1月10日放送
第80回『よくわかるペンタトニック講習会』で少し触れた「70年代前半の吉田拓郎によるペンタトニックのメロディが、いかに衝撃的だったか」という話について、このコラムで補足しておきたい。
2021年1月3日放送
2021年新年早々の第一発目、第79回『ボクの音楽~杉山清貴編~』の中で、私(スージー鈴木)が、ショッキング・ブルー『ヴィーナス』と『ドリフのズンドコ節』(ともに69年)のリフが似ているという話をしたので、今回はその補論として、ザ・ドリフターズについて書きたいと思う。
2020年12月13日放送
第78回『第4回 輝く!日本カセットテープ大賞』の中で私は、「1995年のツツミ♭京平」という話をした。
2020年12月6日放送
第77回『KOTOSHI NO OWARI 2020』のボーナス・トラックとして、今回は、番組内で触れられなかった「今年の名曲」をご紹介する。
2020年11月8日放送
第76回「サビサラダ特集」で私は、俗に言う「大サビ」を特集した。この言葉、意味は曖昧だが、要するに、曲の最後の「ここ一番!」というところで出て来るメロディ、ぐらいの意味で解釈してほしい。
2020年11月1日放送
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