
今回は「マキタノート・スージーファイル大公開スペシャル」のボーナス・トラックとして、我が「スージーファイル」からのボツネタをご紹介しようと思う。
■安全地帯『悲しみにさよなら』
作詞:松井五郎
作曲:玉置浩二
編曲:安全地帯・星勝
1985年6月25日
まずは【玉置浩二ナインス】について。この言葉、もちろん私の造語なのだが、こういう造語を作りたくなるくらい、安全地帯時代の玉置浩二は、ナインスの印象的な使い方に長けていた。
その代表作はこの曲。歌い出しの「♪泣かないでひとりで」の階名は「♪レレレ・レドッ・レッレッミ・ミ」で、この「レ」という音がナインス(9th)。ここの部分、伴奏は「ドミソ」の(メジャー)コードなので、その伴奏にない「レ」の音に、そこはかとない浮遊感があって、実に印象的だ(ワム!『ラスト・クリスマス』の影響を感じる)。
また、同じく「じれったい」(87年)の歌い出し「♪わからずやの」は、「ラドミ」の(マイナー)コードの伴奏に乗せて「♪シラ・シラ・シシ」と歌っていて、この「シ」もナインスの音。さらに、有名な「ワインレッドの心」(83年)のサビ=「♪ 今以上 そ《れ以》上」「♪ あの消えそうに燃《えそ》うな」」の《 》でくくった高音部分もナインスで、強烈なインパクトを残すものである。
というわけで、他にもたくさんありそうな「玉置浩二ナインス」、意識してチェックしてみると、いろいろと発見があると思う。
■カーペンターズ『スーパースター』
作詞・曲:Bonnie Bramlett and Leon Russell
編曲:Richard Carpenter
1971年8月12日
次に【シラミの法則】。「♪シーラミー」と音を降下させると、やたらと物悲しくなるという法則だ。
その端緒は、この曲の歌い出し「♪Long Ago~」。あの音形が「♪シーラミー」。そしてこの曲のヒットによって、「シラミは物悲しい」という法則が広まり、広く使われることとなる(ちなみにこの「シ」もナインスの音)。
太田裕美『シングル・ガール』の「♪シーングルガール」(79年)も「♪シーラミー」。そして岩崎宏美『女優』(80年)の「♪アークトレース」も「♪シーラミー」。ナインスからポンポンと下がっていく感じが、気分がドーンと下がっていく感じにつながるのか、どうにもやりきりない、耐えられないという気分にさせる「♪シーラミー」である。
と、これだけ「シラミ」「シラミ」と書いていると、なんだか身体がかゆくなってきた。ちなみに、さだまさしには、この音形を階名読みして歌う「シラミ騒動」という曲がある。
第53回(特番):歌いたくなるブライアン・メイのギターソロ!
2019年12月1日放送
特番「BS12は12歳!ハワ恋カセット4時間スペシャル」のボーナス・トラックとして、オンエアでも紹介した「歌いたくなるブライアン・メイ(クイーン)のギターソロ」を、あと2曲紹介しておく。
第52回「ソニー系オールスターズ、完成」
2019年11月10日放送
第52回「バンドやろうよ特集」のボーナス・トラックとして、番組内で私が選んだ「ソニー系オールスターズ」(ベース:江川ほーじん/爆風スランプ、ドラムス:川西幸一/ユニコーン、キーボード:KYON/ボ・ガンボス)の追加メンバーを考えてみたい。
第51回「ジョン・レノンは愛だろ、愛」
2019年11月03日放送
第51回「世界の中心で、愛をさけぶおじさん」のボーナス・トラックとしては、やはり「愛と平和のジョン・レノン」のラブソングを紹介するしかないだろう。
第50回「ジミー・ペイジのギター編曲を聴く!」
2019年10月15日放送
収録の合間に、何度となくレッド・ツェッペリンのギタリスト=ジミー・ペイジの話が出た、第50回「おじさん、ギターやめるってよ特集」のボーナス・トラックは、アレンジャーとしてのジミー・ペイジの話をしたい。
第49回「ビートルズの変態クリシェ」
2019年10月07日放送
第49回「コード進行まとめました特集」において私は「クリシェ」を徹底的に分析したが、今回は、クリシェ、ひいてはコード進行まわりのアレもコレもの始祖である、ビートルズのクリシェを特集してみたい。
第48回「ユーミンのポツンと一曲」
2019年09月10日放送
桑田佳祐や山下達郎のレア音源をお届けした第48回「ポツンと一曲」のボーナストラックとして、ここではユーミンの「ポツンと一曲」をお届けしたい。