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2019年01月06日放送 第31回「初期サザンのメジャーセブンスを愉しむ!」

第31回「初期サザンのメジャーセブンスを愉しむ!」


あけましておめでとうございます。今年一発目の「メジャーセブンス特集」に向けて、新年一発目のボーナス・トラックは、「日本を代表するメジャーセブンス・バンド」の1つとも言えるサザンオールスターズの、初期メジャーセブンス・ナンバーを選んでみました。

■サザンオールスターズ『別れ話は最後に』

  • 作詞・曲:桑田佳祐
  • 編曲:サザンオールスターズ
  • 管編曲:ホーン・スペクトラム
  • ※アルバム『熱い胸さわぎ』収録
  • 1978年8月25日

実は、『勝手にシンドバッド』ではなく、メジャーセブンスがぎゅうぎゅう詰まっている、この曲がデビュー曲になるはずだったらしい。この曲でデビューしていたら、サザンオールスターズはどうなっていただろうと、たまに妄想する。

『勝手にシンドバッド』の対極とも言える、物静かなこの曲でデビューしていれば、もちろん爆発的な話題にはなりにくかっただろう。ただ、当時ティン・パン・アレー系を聴いていたような、東京の高感度な大学生あたりから火が付いて、結局は大人気バンドとなっていただろうとも思うのだが。

驚くべきは、『勝手にシンドバッド』とこの曲が、デビューアルバム『熱い胸さわぎ』A面の1曲目と2曲目だったという事実である。対極的な2曲によるツートップ。つまり、若きサザンオールスターズの、音楽的なふところの深さが、冒頭のたった2曲で分かる仕立てになっているのだ。

対極とは言え、180度も違うわけではない。音楽性という共通項があるのだから、直角ぐらいの角度だろう。さしずめ、レフト線とライト線の直交によって出来ている野球のフェアゾーンを思い浮かべる。『勝手にシンドバッド』とこの曲の間に出来た、天然芝のダイアモンドを駆け回る若き6人組。何からどう始めても、結局は大人気バンドになったに違いない。


 

■サザンオールスターズ『To You』

  • 作詞・曲:桑田佳祐
  • 編曲:サザンオールスターズ
  • 弦管編曲:八木正生
  • ※アルバム『タイニイ・バブルス』収録
  • 1980年3月21日

その、ダイアモンドを駆け回っていた若き6人組が、少しばかり落ち着いてきた感があった、1980年に発売されたアルバム『タイニイ・バブルス』のB面1曲目。流れ的には『別れ話は最後に』を継いでいるが、こちらはもう少し計算高く作られていると思う。

私がこれを聴いて感じるのは、当時のサザンオールスターズのAOR指向である。アリスや松山千春、中島みゆきなど、年上のフォーク勢への対抗として、「もっと洋楽っぽく、都会的にやりたい!」という指向性だ。

その結果として、メジャーセブンスやディミニッシュなどのコードが選択されている。つまりは、二十歳(はたち)過ぎの桑田佳祐の内面から湧き出たような『別れ話は最後に』に対して、こちらはかなり計算の産物だと言えるだろう。このあたり、桑田のクレバーさが溢れている。

しかし、最後にオチを用意するのも忘れていない――「♪恋は異なものすべからく To You」。『思い過ごしも恋のうち』の「♪しゃぶりつくよにPatiently」と並ぶ必殺フレーズだ。この歌詞で私は、AOR指向というツルツルの階段からガクっと滑り落ち、「あぁやっぱサザンだなぁ」と安堵する。

もしかしたらそういう安堵感まで計算していたのではないか。だとしたら、二十歳過ぎの桑田佳祐は、いよいよクレバーだ。狡猾なまでに。


 

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HP限定ボーナス・トラック

第86回ボーナス・トラック:「Cのリズムセクション!」

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2021年4月11日放送

第86回「バンドやろうよ2」のボーナス・トラックとして、バンドの背骨である「リズムセクション」のことを取り上げたい。「リズムセクション」、音楽に興味のない方には耳馴染みのない言葉だろう。「バンドの中のリズム担当」くらいの意味で、定義は曖昧なのだが、一般的にはドラムスとベースのことを指す場合が多い。

第84回ボーナス・トラック:「松本隆の「匂い」を嗅ぎまくる!」

第84回ボーナス・トラック:「松本隆の「匂い」を嗅ぎまくる!」

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第84回の企画「スメル歌謡祭」で私は、はっぴいえんど『12月の雨の日』の「雨」が、いつ、どこで降ったものなのかという謎を、丹念に検証した(正解「1969年11月30日夜、六本木通り西麻布近辺の雨」)。というわけで、今回のボーナス・トラックは「松本隆の『匂い』を嗅ぎまくる!」と題して、松本隆系スメルを嗅いでいきたい。

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