
■岡村靖幸「だいすき」
1989年、岡村靖幸のアルバム『靖幸』を初めて聴いたときの衝撃は決して忘れられない。そして、あれから約30年、あれ以上の衝撃を浴びることなく、50歳を超えてしまった。
岡村靖幸の衝撃は多方面からやってきた。矢沢永吉→桑田佳祐→佐野元春の流れをくむ、「日本語の歪め方」の最終型としての歌い方や、身体全体で表現される圧倒的なリズム感、作詞・作曲・編曲・演奏・歌を、すべて軽々と自分でこなしてしまう全知全能感――。
私はこの前年にCDプレーヤーを買っている。だからこの時期は、CDの音がまだ新鮮に響いていた頃だ。ピンク色のCDから、やたらとキラキラ、でもやけに生々しい音が、スピーカーから溢れ出てくる。
1989年は大学4年生で、この年の夏は、就職活動のために、猛暑の都心をいそいそと歩き回っていた夏である。ほんの少しだけ音楽家になろうともしていた私が、そういう思いをかなぐり捨てて、慣れないスーツを着て頭を下げることに踏み出した理由の1つは、ピンク色のCDから流れる、誰にも真似の出来ない圧倒的な音楽を聴いてしまったことだ――そんなこと、当時は誰にも言えなかったが。
■森高千里「しりたがり」
「森高千里=ミニスカ・美脚」という等式は、「1989年の森高千里」が起こした大革命の、ごくごく表面の部分をすくっているに過ぎない。
声を荒げて主張したいのは、森高千里による「作詞革命」である。当時「森高千里は、平成の青島幸男である」と言われることもあった。まさに森高は、青島のように、これまで決して歌詞にされることがなかった内容や世界を、歌詞の側へと強引にねじ込んだのである。
「ねぇねぇねぇっ!」「なになになにっ!」「はやくはやくはやくっ!」「教えて教えて教えてっ!」――「♪ああしりたがり~」
文字に起こすとシュールなことこの上ないが、この曲の歌詞は、「しりたがり」の女性が、事情通(?)に対して、噂(?)を聞きたがるときのかけ声(?)だけで埋め尽くされた歌詞なのである。
ナンセンスと言えばナンセンスだが、私はこのような、全くの口語体・会話調の作詞に、日本文学で言う「言文一致運動」と同じスピリットを感じるのだ。そしてそれは、大げさに言えば「人間のエモーションと歌詞の完全融合化」である。
少なくとも「翼広げすぎ・瞳閉じすぎ・君の名を呼びすぎ・会いたくて会えなさすぎ・桜舞いすぎ……」などの定型句で埋め尽くされている歌詞よりも、「ねぇねぇねぇっ!」「なになになにっ!」の方が、よっぽとクリエイティブだと思う。
2021年1月10日放送
第80回『よくわかるペンタトニック講習会』で少し触れた「70年代前半の吉田拓郎によるペンタトニックのメロディが、いかに衝撃的だったか」という話について、このコラムで補足しておきたい。
2021年1月3日放送
2021年新年早々の第一発目、第79回『ボクの音楽~杉山清貴編~』の中で、私(スージー鈴木)が、ショッキング・ブルー『ヴィーナス』と『ドリフのズンドコ節』(ともに69年)のリフが似ているという話をしたので、今回はその補論として、ザ・ドリフターズについて書きたいと思う。
2020年12月13日放送
第78回『第4回 輝く!日本カセットテープ大賞』の中で私は、「1995年のツツミ♭京平」という話をした。
2020年12月6日放送
第77回『KOTOSHI NO OWARI 2020』のボーナス・トラックとして、今回は、番組内で触れられなかった「今年の名曲」をご紹介する。
2020年11月8日放送
第76回「サビサラダ特集」で私は、俗に言う「大サビ」を特集した。この言葉、意味は曖昧だが、要するに、曲の最後の「ここ一番!」というところで出て来るメロディ、ぐらいの意味で解釈してほしい。
2020年11月1日放送
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