
今回のボーナス・トラックは、番組版「声に出して読みたい歌詞」の延長戦=「もっと声に出して読むべき歌詞」というテーマで、私=スージー鈴木の、歌詞に対する思いの強い音楽家の曲を挙げていきたい。
■レベッカ『SUPER GIRL』
1組目は、番組で『フレンズ』を取り上げたレベッカ。日本ロック史を振り返るときに、レベッカの評価が何となく低い感じがする、場合によっては黙殺されることすら多いのは何故だろうと考える。そして1つの仮説に至る。
「NOKKOの歌詞が出来過ぎているからではないか」
そうなのである。出来過ぎ。ここで言う「出来過ぎ」を翻訳すれば、「文学的に完成されて過ぎている」というより、「当時の女の子の気持ちをわしづかみにするキャッチコピーとしての完成度が高過ぎる」という意味となる。
つまりは「商売臭」が強いということでもあり、そのあたりの「臭み」が、レベッカの低評価につながっているのではないかと勘ぐるのである。
歌詞の視点で1曲選べと言われれば、88年の『MOON』か、この曲だ。バブル時代の「OL」(今や半分死語)の気持ちのヒダを、これでもかこれでもかと表現しきっている。
※『SUPER GIRL』含めた「NOKKO=優秀なコピーライター論」については、サイト「Re:minder」に掲載された私の記事をお読みください→「切れ味鋭いコピーライター、NOKKOは作詞家としてもっと評価されるべき」
■THE BLUE HEARTS『1000のバイオリン』
番組内では、インディーズ時代の幻の作品『1985』をかけたが、個人的好みで言えば、ブルーハーツの歌詞では、この曲と『青空』が1位・2位を争う。
何といっても、「ヒマラヤ」「消しゴム」「ミサイル」「ペン」が出て来る冒頭がいい。それに「消しゴム」と「ペン」なのだから、これはライターに向けての応援歌としても解釈できる。「『ヒマラヤ・ミサイル』レベルのスケールの内容を書いてるか? お前は?」と突き付けられる気がして、身が引き締まる。
あと、中間部で唐突に借金の話や、「トタン屋根」が出て来るあたりも心憎い。「こういう曲は、シリアスになり過ぎず、客観的に聴きやがれ」と言われている気になって息を付く。
映画監督の深作欣二は、この曲が大好きで、自らの葬儀に、(この曲のバージョン違いの)『1001のバイオリン』をかけさせたそうだ。こういう話はいい。そして、その気持ちは、とってもよく分かる。
対して、落語家の古今亭志ん朝は、自らの葬儀にサザンオールスターズをかけさせたという。私は――この曲とサザン、両方かけてもらうことにしようか。
2021年2月14日放送
第82回「歌謡曲における女性像の変容と変遷」のボーナス・トラックは、番組本編でも触れた、阿久悠の作詞世界における女性像を見ていきたいと思う。
2021年2月7日放送
第81回「自宅で上達!カラオケ教室」のボーナス・トラックは、日本の歌謡曲ボーカルの最高峰である、ちあきなおみの話をしたいと思う。
2021年1月10日放送
第80回『よくわかるペンタトニック講習会』で少し触れた「70年代前半の吉田拓郎によるペンタトニックのメロディが、いかに衝撃的だったか」という話について、このコラムで補足しておきたい。
2021年1月3日放送
2021年新年早々の第一発目、第79回『ボクの音楽~杉山清貴編~』の中で、私(スージー鈴木)が、ショッキング・ブルー『ヴィーナス』と『ドリフのズンドコ節』(ともに69年)のリフが似ているという話をしたので、今回はその補論として、ザ・ドリフターズについて書きたいと思う。
2020年12月13日放送
第78回『第4回 輝く!日本カセットテープ大賞』の中で私は、「1995年のツツミ♭京平」という話をした。
2020年12月6日放送
第77回『KOTOSHI NO OWARI 2020』のボーナス・トラックとして、今回は、番組内で触れられなかった「今年の名曲」をご紹介する。
中国ドラマ
<BS 初放送>
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