
■山下達郎『スプリンクラー』
私含む、山下達郎ファンの「ソウル(魂の)ソング」と言えるだろう。一般の音楽ファンの中での「知名度」は、かなり低いと思われるが(推定5%)、山下達郎ファンの中での「好意度」は非常に高いのではないか(推定80%)。サザンオールスターズにおける『旅姿六人衆』のような位置にある曲と言えよう。
一応シングルでリリースされた曲である。しかし売上枚数は3.7万枚と不発。83年の9月の発売だから、シングル『高気圧ガール』の半年後で、世間がまだ「夏だ!海だ!タツローだ!」という機運で盛り上がっていた時期に、この暗いシングルは的外れだったろう。
ただ、そういう時期に、あえてこういう地味な曲をシングルにしているところに、山下達郎とそのスタッフの先見の明があったと思うのだ。「夏だ!海だ!タツローだ!」的な季節商品として押し出し続けていれば、あのバンドやあのシンガーのように、もっと短命で終わったはずだ。
逆に、世間の機運に流されず、こういう曲を敢えて出すことによって、現在の良質で頑固な(笑)山下達郎ファンが育成されていったのだと思う。
エンディングの「♪つめたーいざーわめーきを~」の美しいコーラス。35年後の現在、山下達郎のラジオ番組に巣食う方々(私含む)は、このコーラスから生まれ、そして育っていった。
■山下達郎『土曜日の恋人』
この曲は、何といってもイントロだと思う。めくるめくイントロ。「めくるめく」という言葉が、これほど似つかわしいイントロは、なかなか無い。
86年のアルバム『POCKET MUSIC』の冒頭を飾る曲。このアルバムは、山下達郎が初めて、デジタル機器を本格的に導入したアルバムとして記憶される。この曲のクレジットには、こう書かれている。
「山下達郎:electric guitar, acoustic guitar, hammond organ, synthesizers with PC-8801, glocken, percussion, whistle & background vocals」
「PC-8801」とは何とも懐かしい、NECの当時のパーソナルコンピュータの機種名。この曲は山下達郎自身が、今のPCとはまったく比べ物にならない、果てしなく面倒な操作をしながら作り上げた作品ということになる。
「だから売れれば売れるほどプレッシャー掛かる。かといって迎合できないし。今度のLP(註:『POCKET MUSIC』)なんかも、コンピューターとサンプリング使って、前と同じスタイルやろうなんていうくだらない命題を立てるから、死ぬ思いしたんですよね。でも、不可避だと思った」(渋谷陽一『ロックは語れない』-新潮文庫-)
山下達郎の音楽生活を永らえさせている要因の1つが、状況の「不可避」な変化に対する積極的な対応だと思う。さらに言えば、変化に対する「諦観」のようなものだ。一般に意固地なイメージで語られる人だが、その根本には「大衆音楽なんだから、変化を受け入れなくちゃいけないんだ」という「ポジティブな諦観」がある。
この、いろんな音がぎっしり詰まったイントロに耳をすませてほしい。よく聴けば、若き山下達郎の「ポジティブな諦観」も聴こえてこないか?
2021年1月10日放送
第80回『よくわかるペンタトニック講習会』で少し触れた「70年代前半の吉田拓郎によるペンタトニックのメロディが、いかに衝撃的だったか」という話について、このコラムで補足しておきたい。
2021年1月3日放送
2021年新年早々の第一発目、第79回『ボクの音楽~杉山清貴編~』の中で、私(スージー鈴木)が、ショッキング・ブルー『ヴィーナス』と『ドリフのズンドコ節』(ともに69年)のリフが似ているという話をしたので、今回はその補論として、ザ・ドリフターズについて書きたいと思う。
2020年12月13日放送
第78回『第4回 輝く!日本カセットテープ大賞』の中で私は、「1995年のツツミ♭京平」という話をした。
2020年12月6日放送
第77回『KOTOSHI NO OWARI 2020』のボーナス・トラックとして、今回は、番組内で触れられなかった「今年の名曲」をご紹介する。
2020年11月8日放送
第76回「サビサラダ特集」で私は、俗に言う「大サビ」を特集した。この言葉、意味は曖昧だが、要するに、曲の最後の「ここ一番!」というところで出て来るメロディ、ぐらいの意味で解釈してほしい。
2020年11月1日放送
第75回の特集は「ア・テンション・プリーズ」。テンション・ノート、つまり9th や11th、13thの音を効果的に使っている曲を、聴きながら、弾きながら、さらには歌いながらご説明した。今回はその9th(ナインス)史上に残る傑作中の傑作をご紹介する。
韓国を代表するトップアーティストから注目新人アイドルまで、日本語字幕入りで楽しめるミュージックショー!
80年代にカセットテープで聴いていたあの名曲。マキタスポーツとスージー鈴木の「音楽ずきおじさん」が独断で熱く語ります。
EXO、SEVENTEEN、AB6IX、テヨン(少女時代)らによる超豪華ステージ!
BTS、SEVENTEENら豪華アーティストが結集!2019年1月15日に韓国ソウル・コチョクスカイドームで開催された「第28回ソウルミュージックアワード2019」
MUSIC B.B.はJ-POP、アイドル、アニメ、声優、ゲームなど様々なエンターテインメントコンテンツを、音楽という目線で紹介する音楽情報TV番組です!!
中国ドラマ
清朝最盛期、陰謀渦巻く後宮で、女官から皇后へと上り詰めた型破りな女性がいた――。
中国ドラマ
<BS 初放送>
記憶を失った美しき姫と、彼女を愛した 3 人の貴公子…。それぞれの秘密が明かされるとき真実の愛があふれ出す、ドラマティック・ラブ史劇!
韓国・韓流ドラマ
<BS初放送>
1秒で恋に落ちました。冷血わがままボスと熱血ひたむき秘書の嘘から始まる一目ぼれ!?胸キュン度120%ときめきラブストーリー!
無料アニメ番組
新作、旧作、隠れた名作まで毎週日曜よる7時は『日曜アニメ劇場』
中国ドラマ
<日本初放送>
映画業界の実力派×中国ドラマの名手が集結!人気急上昇中の実力派俳優リー・イートン×リー・シエンのダブル主演でおくる、アクション・ラブ史劇!