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2017年12月09日放送 第6回「80年代を彩ったふわふわボイスととろっとボイス!」

第6回「80年代を彩ったふわふわボイスととろっとボイス!」

■斉藤由貴『悲しみよこんにちは』

作詞:森雪之丞
作曲:玉置浩二
編曲:武部聡志

1986年3月21日
今回の「カセットテープ紅白」は「スージー鈴木が好きな80年代ディーヴァ」というテーマで選曲したのだが、オンエアで取り上げた3曲(浅香唯『セシル』、レベッカ『Maybe Tomorrow』、薬師丸ひろ子『Woman “Wの悲劇”より』)に、惜しくも選ばれなかった2曲について、ここで紹介してみたい。

斉藤由貴による86年のヒット曲。アニメ『めぞん一刻』の主題歌、資生堂のシャンプー『モーニングフレッシュ』のCMソング、と書くだけで、あの時代のニオイがツンとする。

この曲の魅力を高めているのは、何といっても斉藤由貴の独特の声だ。そもそもあの声の魔力は、未だに世間をお騒がせする彼女の「魔性性」(ましょうせい)の中核をなしていると思う。

玉置浩二による清潔なメロディに乗せて、斉藤由貴のあの声がふわふわと浮遊して、1986年のいう時代の真ん中に、すとんとハマったという感じの曲。

斉藤由貴が抜擢されたNHK朝ドラ『はね駒』(はねこんま)が、この年の4月から始まる。日本全国が彼女の「魔性性」にヤラれはじめる頃のテーマソングである。

■中山美穂『You’re My Only Shinin’ Star』

作詞・作曲・編曲:角松敏生
弦編曲:大谷和夫
管編曲:数原晋

1988年2月17日
この人のことを「ディーヴァ」という人は少ないだろう。ただ、いわゆる歌唱力の有無ではなく、声の魅力をもって「ディーヴァ」を規定するなら、その資格は十分にあると思われる。

斉藤由貴の浮遊する声が気体ならば、中山美穂のとろっと濡れた声は液体である。その液体が、流れて来て凝固して形作るのは、都会的な倦怠感だ。そう言えば、歌詞には「♪あなたはきっと たえまなく流れる」という、液体っぽい傑作フレーズがある。

曲自体は「ザ・角松敏生ワークス」。やたらとエコーの深い音像の中で、AOR的で都会的な世界が広がっていく。その世界を具体的に規定すれば、「1988年の六本木」だ。

マハラジャ、エリア、キング&クイーン……ディスコ全盛時代。角松敏生による凝りに凝った音から立ち込めてくるのは、キラキラしてギラギラした、「1988年の六本木」の空気である。

ちなみに、この曲がリリースされたのは、六本木のトゥーリアというディスコで起きた、3人が死亡する照明落下事故の1カ月後である。

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