第52話 引出物で譲らぬ母親たち

郷子（佐良直美）と政二郎（井上順）の結婚式の引出物のことで、前世（山岡久乃）と郁子（葦原邦子）が知恵をしぼりあったが、それぞれの好みに執着して結論ができない。またまた喧嘩をされては大変と、集子（水前寺清子）はハラハラ。なぜ郁子が譲ってくれないのだろうと、嘆かわしく思った。郷子が飛んで行ったが、別にまだ喧嘩になってはいなかった。女の物選びの長さで、手間取っているだけだった。それもそのはず、郁子の選んだ大風呂敷を前世が気にいり、前世の選んだセルフタイマーを郁子が気にいって、どちらも譲らないのだ。結局ジャンケンポンで、引出物はセルフタイマーと決まった。そのあと郁子は、娘を嫁に出す母親の気持ちを思うと、本当は前世を立てたかったのだと、集子に語った。

その頃前世も、初めて娘を嫁に出す母親の気持ちがわかったと、郷子に語っていた。"世渡"には思いがけなく欣太郎（二代目尾上松緑）の姿があった。パリ支店の人たちが、口をそろえて早く帰れといってくれたのだという。長男政二郎の結婚式を控えて、集子のおめでたを聞かされた欣太郎は「よかったな、集子！」と手放しで喜んでくれた。あしたはいよいよ結婚式。両家ではきょう一日が無事終わるよう祈った…。


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