亀(林与一)がロンドンへ出発した。物陰からそっと見送っていたのは中(沢田雅美)である。集子(水前寺清子)と各一(荻島真一)のパリ・ツアーも四日後に迫っていた。亀がロンドンに着いたら、打合せどおり仮病になるはずである。うまくやるかなと郷子(佐良直美)が話しているところへ、亀の新聞社からロンドンへ着任早々、亀が交通事故にあったと知らせが入った。実姉の前世(山岡久乃)はびっくり仰天、ひどく心配したが、各一たちは、勤め先から連絡を入れるなど手のこんだことをするものだと感心した。少しも慌てない子供たちになんて冷淡なと前世は怒り、急遽前世のロンドン出発の準備が進められた。ところが、亀の交通事故は本当であった。涙を流して案じたのは中である。
そんなところへ、中の婚約者の新八(中島久之)の両親(庄司永健・寺島信子)が上京してきた。何を聞かれても中の返事はそっけないものであった。思い余った中は、亀の看病にロンドンに飛びたいと集子に打ちあけた。指輪は新八に返してほしいと集子に手渡した。そんな中のために、政二郎(井上順)はお金の工面をし、番(佐藤佑介)はお小遣いの五千円を差し出した…。