
7月29日
「NY市場の動揺続く、バージニア州暴動が尾を引く」
鈴木一之です。お盆が過ぎ、雨降りばかりの夏休み。梅雨どきは雨が降らずに頭を抱え、今度は夏場の長雨です。農家の方のご苦労は計り知れません。
北朝鮮リスクがどうにかひと段落したと思ったら、今度は米国の人種差別問題がトランプ政権の根幹を揺さぶっています。
事の発端は、先週起こったバージニア州、シャーロッツビルでの白人至上主義者の集会です。地元反対派との間で衝突が起こり、原因を明確にしなかったトランプ大統領の発言が延々と尾を引いています。
・大統領諮問機関の経済界の重鎮が相次いで辞任
・いくつかの諮問機関が閉鎖
・ブッシュ元大統領親子が非難声明を発表
・オバマ前大統領も非難
・ゲイリー・コーンNEC委員長の辞任の噂
・スティーブ・バノン上級顧問の解任
トランプ政権の足元が大きく揺さぶられており、秋以降のオバマケアの撤廃はおろか、経済政策の目玉であった減税政策やインフラ投資計画が少しも進まない事態が想像されます。
救いは、偏った思想の持ち主が政権中枢から一掃され、ペンス副大統領、ティラーソン国務長官、マティス国防長官、ムニューシン財務長官、ケリー首席補佐官、マクマスター補佐官(国家安全保障問題担当)など、安心できる人物で固められつつある点です。
政治の要は、人事と予算です(そう明言したのは小沢一郎です)。特に人事に関しては、世界の政治経済の頂点に君臨するホワイトハウスだけに、権力闘争も世界規模の権謀術数が繰り広げられているのでしょう。
それでもやはり、衆目の一致するところに落ち着くものです。
それにしても、ゲイリー・コーンNEC委員長が辞任するとのうわさだけで、マーケットが大きく揺さぶられた時は驚きました。コーン氏の存在感の大きさをあらためて実感した次第です。本当に次期FRB議長に就任することになるかもしれません。
先週の東京株式市場は、TOPIXが続落しました。3連休明けの北朝鮮リスクから始まって、軟調な地合いが週を通じて継続しました。
TOPIXは1600ポイント割れ、下落率は6月第1週(▲1.27%)以来となる▲1.23%の大きさに達しました。
セクター別では、TOPIX-17業種のうち、値上がりセクターは「エネルギー資源」の1業種のみ。値下がりセクターは16業種に広がりました。
値下がりの大きかったところは「鉄鋼・非鉄」です。鉄鋼株の下落が響きました。ただし非鉄株に関しては、非鉄市況の上昇に連動してむしろ上昇する銘柄が目立ちました。
この他の値下がりセクターとしては、「銀行」、「金融(除く銀行)」、「不動産」という金融関連セクターの下げが目立ちました。前の週に続いて2週連続で金融株の軟調さが目につきます。
前週は政治リスクと並んで、米国の経済上の脆弱さがあらためて浮かび上がりました。公表された7月分のFOMC議事録では、インフレリスクの後退を支持するボードメンバーが増えている様子で、米国の長期金利はじわじわと低下を続けています。
世界的な「リスクオフ」の流れも強まって、円高方向への動きも定着しつつあります。米国株安とも重なって、日本株はますます上値が重くなってきそうです。
耳をすませばツクツクボウシの鳴き声が聞こえてきました。甲子園の高校野球もベスト8が出そろって、今年の夏も終盤を迎えつつあります。
秋近し。少しばかり寂寥感を感じます。秋相場も米国を中心に世界は回ってゆくことになるのでしょう。
世界最大の経済大国で、かつ軍事大国でもあるアメリカ合衆国。その活力の本源は、優秀な移民の能力をフルに活用する人種間の多様性と、それを最大限に引き出す民主主義にあります。
建前はそうなのですが、その裏側には反動的な思想も社会のあちらこちらにくすぶり続けています。格差の拡大に拍車がかかったリーマン危機後は特にそうです。
南北戦争は歴史の教科書に載っているだけの出来事ではないのですね。その原因となった人種間の対立が今も米国社会の根底には存在しています。
米国は理念先行の国家です。
スパイサー前報道官が辞任した直後、ホワイトハウスのプレスルームで大統領報道官に向かって、CNNの記者が「自由の女神」の台座に刻まれている詩を引用した質問を投げかけたことがありました。
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疲れ果て、貧しさにあえぎ
自由の息吹を求める群衆を、私に与えたまえ
戻る祖国なく、動乱に弄ばれた人々を
私のもとに送りたまえ
私は希望の灯を掲げて照らそう
自由の国はここなのだと
(一部抜粋)
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大統領スピーチの草稿を起稿するスーパー優秀な報道官は、すぐさま反論を打ち返しましたが、その詩に掲げられている合衆国建国の精神こそ、今回のシャーロッツビルでの衝突の本質的な部分なのだと痛感しました。
以上
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