
7月29日
「北朝鮮リスクを本気で懸念、5週連続安」
鈴木一之です。新年度に入って2週間目。浮かれた気分はどこにもありません。事態は風雲急を告げるという様相を帯びています。
先週はトランプ政権がシリア軍基地の爆撃に踏み切りました。今週はアフガニスタンで史上最強の爆弾を使用した模様で、さらに北朝鮮との軍事的な緊張が一段と高まっています。
故・金日成主席の生誕105周年、「太陽節」に向けて北朝鮮が軍事行動に踏み切る、あるいは6回目となる核実験を行うなど、さまざまな憶測が飛び交っています。米国の航空母艦「カール・ビンソン」も西太平洋に展開しており、まさかと思っていた北朝鮮との軍事的緊張が否が応でも高まっています。
西側主要メディアは一斉に北朝鮮関連のニュースをトップで扱っています。フランス大統領選への懸念も脇へ押しやられてしまいました。「一瞬先は闇」とはよく言いますが、今のマーケットはまさにその状態です。先々の見通しがきわめて困難になっています。
折しも今週はキリスト教の復活祭、「聖金曜日」の祝日でした。キリスト教徒にとってクリスマス以上に重要な祝祭日です。エジプトではコプト派の教会がミサの最中に爆弾テロの標的とされ、全世界に衝撃が駆け巡りました。宗教間の憎しみは増すばかりです。
株式市場にはリスクオフの流れが強まっています。先週の東京株式市場は、引き続き軟調な動きが見られました。TOPIXは5週連続で値下がりしています。これほどの下落は昨年は一度もありません。2015年12月に記録した5週連続の下落以来のことです。
中でも小型株の下げが強まっています。東証マザーズ指数は2週連続の下げで、5%を超える値下がりとなりました。同時にREITも大きく下げています。文字通りのリスク回避の動きとなっています。
TOPIX-17業種のセクター別では、値上がり業種は「不動産」の1業種のみ。値下がりセクターは16業種に広がりました。前週の「鉄鋼・非鉄」に続いて「商社・卸売」、「機械」、「化学・素材」など景気敏感株の下げが目立ちました。
同時に「電機・精密」の下げも際立っています。半導体関連セクターの値動きはしっかりしているものもありますが、大半は下落基調に転じました。中でもTDK(6762)や村田製作所(6981)の電子部品株が下げ続けています。
コマツ(6301)、ファナック(6954)、ダイキン工業(6367)、三菱電機(6503)という、グローバル景気の影響を受けやすい銘柄に下げ基調が強まっています。NTT(9432)、KDDI(9433)、花王(4452)の内需系優良銘柄も下げました。
決算発表が相次いだ小売セクターでは、イオンモール(8905)、サイゼリヤ(7581)、フジ(8278)あたりは業績好調を反映して株価もしっかりしています。その一方で、ローソン(2651)、ABCマート(2670)、イオン(8267)は、今期の見通しが予想以上に慎重なものにとどまったことから下げ基調が強まりました。
恒例となっている日本経済新聞の決算集計記事では、小売業界は業績の好調ぶりが前面に出ています。しかし決算発表を受けたその後の株価からはあまり好調な様子は感じられません。
2月決算の小売セクターは、この後に続く3月決算企業の前哨戦と見られています。今のような不透明極まる状況では、先行きに関して楽観的な見通しを出してくる企業など、まず存在しないでしょう。
日銀短観もそうでしたが、先行きに対する弱めの決算見通しに対して、株価がどのような反応を示すのか、警戒心が先に立ってしまいます。
先週も記しましたが、株価は経済に先行して動きます。それは「株価が経済よりも先に動く」という意味合い以上に、「株価が値下がりすることで、それまで好調だった経済への信頼感が薄れ、本当に景気の腰折れが実現してしまう」という部分が大きいように思います。景気に対する株価の自己実現性、とでも表現できるでしょうか。
予断を許さない状況ですが、私が注目したいのは企業自らの変化です。新しい年度を迎えて企業は確実に変化しています。しかもそれは大企業を中心に始まっているように感じられます。
上場廃止を選択する企業が増えたり、50代の比較的若い社長が相次いで誕生したり、工場や機械ではない新しい分野に投資額を増やしたりと、なかなか言葉ではうまく表現できないのですが、変化という面では行動の遅かった日本の大企業にも、少しずつ変わってゆこうという意識が見られるようになってきました。
この辺はもう少し時間をかけて、証拠を集めて追いかけてみたいと思います。
北朝鮮の問題がここまで緊迫していなければ、今週は重要なニュースが続出した週でもありました。
トップは何と言っても浅田真央選手の引退です。銀メダルに終わったバンクーバー五輪での涙。奇跡と呼ばれたソチ五輪でのフリー演技後の涙。浅田真央選手の演技には、見ているこちら側にも常に涙がついてまわります。これほどの選手はもう出てこないのではないでしょうか。1人のファンとしてこれからの浅田真央さんの活躍に声援を送り続けます。
そして熊本大地震。あれからもう1年も経ってしまったのですね。復旧があまり進んでいないご様子に胸が痛みます。私にできることはごく小さいものですが、募金や物産展での買い物などできるところから行ってまいります。
土曜日の大阪セミナー、今回もたいへん大勢のお客様にお越しいただきありがとうございました。初めてご参加いただいた永濱利廣さんを交えて、活発に議論を交わせたことがとても刺激的でした。
今週は初めての宇都宮セミナーです。皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。
日中の寒暖差が例年になく激しいためか、私の周りでは体調を崩す人が増えています。皆さまどうぞお身体ご自愛ください。
以上
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