
7月29日
「東京市場、配当・株主優待取りの動きが強まる」
鈴木一之です。センバツ高校野球が開幕しました。春爛漫です。テレビの前に釘づけです。もはや居ても立っても居られません。
春と言えば、大相撲・春場所です。新横綱・稀勢の里の堂々たる取り口が喝采を浴びています。目を見張るほどの強さです。本来であれば、このような場面で俄然張り切るはずの横綱・白鵬が休場してしまいました。大相撲の世界では新旧の主役交代が、なにやら一気に進みそうな気配です。
相撲の世界に限りません。世の中は「第4次産業革命」の真っただ中にあるようで、新聞の紙面を眺めていても「人工知能」や「完全自動運転」の話題に接しない日はありません。テクノロジーもそうですが世の中まるごと、何もかもがいっぺんに装いを新たにするような胎動を見せてきました。
さて、先週の東京株式市場はTOPIXが4週ぶりに反落しました。FRBの利上げに敬意を表したというところでしょうか。
依然として日経平均やTOPIXなどの株価指数にはほとんど動きは見られせん。米国の利上げは雇用統計のデータがしっかりした時点で、ほぼ既定路線となっていたようです。
ただし、米国利上げ→ドル高・円安とはならずに、反対に利上げ→ドル安・円高に流れました。今年中に実施される利上げの回数が「4回」との見通しから「3回」にまたもや引き下げられたようで、そこから週末にかけて円高が進行する展開となりました。
それ以外のニュース(日銀の金融政策決定会合、中国全人代の閉幕、サルマン国王の来日、東芝の決算発表など)は、マーケットではさほど取り上げられませんでした。注目材料が非常に多かった割には、株価はさほど変化しなかったというのが実情です。
ただ、個々の銘柄の動きはきわめて活発です。個別銘柄を見ている限り、世の中はガラガラドカンと大きな音を立てて変化しています。配当取りや株主優待の権利取りの動きもかなり活発化している様子です。
TOPIX-17業種のセクター別では、値上がりが5業種、値下がりが12業種となりました。値上がり上位の顔ぶれは、「情報通信・サービスその他」、「機械」、「建設・資材」、「小売」、「食品」とまったくバラバラです。
セクター間の統一性はほとんどありませんが、あえて共通項を探せば「グローバル成長株」、および「内需的な成長株」が並んでいます。
機械セクターではコマツ(6301)、日立建機(6305)の建設機械株が高値を取っていますが、これはアジア向けにも好調ですが、日本国内がよくなっていると見ることができます。もはやアジアも日本も欧州も、北米やロシアはすべて一蓮托生です。グローバリゼーションの実状は、丸ごとリアルタイムでシンクロして動く世の中です。
ファナック(6954)が高値を更新し、キーエンス(6861)もしっかりした動きを維持しています。先週はソニー(6758)も高値を更新し、キヤノン(7751)、オリンパス(7731)、ミネベアミツミ(6479)も買われ続けています。グローバル経済がよくならないと決して動くことのない銘柄が続々と上値をトライしています。
そうかと思えば、キリンHD(2503)、日清オイリオグループ(2602)、キユーピー(2809)、ニチレイ(2871)、ロックフィールド(2910)などの食品株もしっかりと買われています。ここからは内需景気も立派に好調である、ということが見てとれます。
あるいは食品株の場合、原材料の仕入れコストの上昇をそのまま製品の値上げへと転嫁しやすいという特質が評価されているのかもしれません。それほどまでに今の世の中には値上げの機運が満ちているように感じられます。
その一方で気になる動きも見えてきました。今週の値下がりセクターは「銀行」、「不動産」、「鉄鋼・非鉄」、「医薬品」ですが、この中で鉄鋼株の値下がりです。
新日鉄住金(5401)や東京製鉄(5423)など、先行して上昇した鉄鋼株がこの数週間、下げ続けています。また非鉄セクターの中にも上昇力が鈍ってきた銘柄が目立つようになりました。
景気敏感株では、この他にも三菱商事(8058)、三井物産(8031)の総合商社や、日東電工(6988)、村田製作所(6981)の電子部品株に頭の重さが目立ち始めています。稲畑産業(8098)、第一実業(8059)の専門商社も下げ基調の入り口に差しかかっているようで、このあたりは無視しうる動きではありません。
これらをすべて合わせて、出遅れていた銘柄は今もって買われているが、先駆した銘柄は徐々に売られ始めている、ということになります。そうであれば相場への対処法としては十分に注意しなければなりません。
IPO市場は公開ラッシュの季節を迎えました。動きの悪いものを売却して、動きのよいものに乗り換える換金売りの流れが強まっているようです。東証マザーズ指数は-5%近い下落となりました。これは今年最大の下げ率です。
米国の利上げで市場の何が変わるのか、それとも何も変わらずにそのまま突き進むのか。動かない日経平均やTOPIXの背後にあるものを凝視しておきたいと思います。
そして金曜日に会社四季報・春号が発売されました。この週末は最新号を読みふけっています。読んでいて今回号は実におもしろいです。ほとんどすべてと言ってよいほど、上場企業の行動に大きな変化が現れています。
やはり「車載向け部品」や「自動運転」、新エネルギー、IoT、クラウド、ビッグデータ、センサーなどのキーワードで示される変化に対処しようと一斉に動き出しているようです。企業経営の現場では、今は何もアクションを起こさないということは選択肢としてあり得ないのでしょうね。
疑いの余地なく、日本経済は企業サイドから大きく変わり始めています。
以上
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