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2017年1月21日 【今週のTOPIX 業種別騰落率】

「米大統領就任式を控えた市場は完全に独自の歩み」

鈴木一之です。とうとう米国の大統領就任式がやってきました。

2017年1月20日。この日を境にドナルド・トランプ氏は「次期大統領」でも「大統領候補」でも「トランプ氏」でもなくなり、「トランプ大統領」になるのです。

今週の株式市場はまさに大統領就任式に振り回される日々となりました。直前の「キング牧師の日」に公民権運動のヒーローであるルイス下院議員を罵倒し、その翌日には「ドルは強すぎる」とウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで発言し、まさに言いたい放題の一週間でもありました。

全世界がハラハラドキドキの気持ちで迎えたこの週末。おひざ元のNYダウ工業株も高値圏で神経質な動きを続けており、東京市場は同じように為替、株式ともに動きの取りづらい展開となりました。

TOPIXは小幅続落となりました。セクター別で見ても、TOPIX−17業種のうちの13業種が値下がり。4業種がプラスとなりました。為替市場での円高基調が目立った週だけに、全体として軟調な動きは免れませんでした。

ただ冷静にマーケットを見回せば、トランプ大統領とその政策に関連する銘柄はともかくとして、それ以外の銘柄はいずれもしっかりした足取りを続けています。

中でも出色はファナック(6954)とダイキン工業(6367)です。この強力なツートップを中心に、機械セクターは総じて堅調な動きとなりました。

慢性化する日本の人手不足はトランプノミクスとはさほど関係がありません。生産現場ではすでに日本、中国、アジア各国でロボットの導入が急がれており、それがファナックの昨年来高値更新につながりました。

さらにダイキン工業は、業務用空調機器で世界トップの実力を発揮して上場来高値を更新しています。工場を省エネ設備に切り替えてゆく上で空調の能力増強は欠かせません。

この他にもオークマ(6103)、牧野フライス製作所(6135)、クボタ(6326)、コマツ(6301)などが堂々たる上昇基調の動きを示しています。

鉄鋼セクターでも新日鉄住金(5401)やJFEホールディングス(5411)の大どころから、共英製鋼(5440)、東京製鉄(5423)までが堅調です。週明けの見どころは、東京製鉄が金曜日引け後に発表した決算悪化をどこまで吸収できるか、という一点です。

いずれも昨年11月の「トランプラリー」のスタート初期に買われた銘柄です。このあたりがいまだ元気よく次の上昇波動に向かうとなると、マーケット全体ももう少し動きが取りやすくなるでしょうね。

逆に軟調なセクターとしては「薬品」、「小売」、「不動産」などが目立ちました。

小売セクターは決算発表がいまひとつ芳しくなかったというのが素直な印象です。不動産もマンションが売れてませんね。

さて泣いても笑っても、トランプ政権が始動します。メディアで識者の皆さんが盛んに議論されているように、ひとつひとつの新政権の政策を吟味することが肝心ですね。
 

追伸
オバマ(前)大統領、8年間ほんとうにお疲れさまでした。リーマン危機後、誰が政権を担ってもむずかしい8年間だったはずです。この政権は立派な実績を残したのだと思います。

年齢的にほぼ同じ年ということもあって、常にシンパシーをもって一挙手一投足を見つめていました。シカゴとワシントンDCも訪ねました。

しばらくは執筆活動に専念されるそうですが、回顧録が出版されたら、読めなくても英語版で真っ先に購入します。ミッシェル夫人とゆっくり、新しい人生を歩んでください。
 

以上


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