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2016年10月9日 【先週のTOPIX 業種別騰落率】

「10月相場は反発スタート」

熊本、大分で発生した地震により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

鈴木一之です。10月になりました。秋は株式市場にとってろくなことが起こりませんが、マネー市場よりも実社会にたいへんな出来事が相次いでいます。

今週は大型ハリケーン「マシュー」がハイチやドミニカ共和国などカリブ海諸国を直撃して甚大な被害をもたらしました。日本でもお彼岸過ぎても一向に気温が下がりません。

秋の楽しみは柿やブドウなどの自然の恵みですが、今年は日照時間が例年のこの時期とは大幅に異なっており、作物の不出来が多いとか。農家や小売業界には厳しい状況が続いています。

先週の東京株式市場は、T0PIXが反発しました。9月に続いて10月も1週おきにプラスとマイナスが繰り返される神経質な動きです。

先週は何といっても円安・ドル高の進展が株価を支えました。週の初めはドイツ銀行問題に揺さぶられて、内需・ディフェンシブ的なセクターが優勢でした。

それがISM景況感指数(製造業および非製造業)が大幅に好転したことが明らかになるにつれて、火曜日からドル高方向への動きが強まりました。

セクター別でみれば、TOPIX-17業種のうち12業種が値上がり、マイナス業種は5業種にとどまりました。

値上がりセクターの上位には「自動車・輸送機」を筆頭に、「電機・精密」や「機械」などの輸出関連株が好調でした。円安に素直に反応する動きが久しぶりに広がりました。

同じように、OPECの減産合意から原油価格が値を戻しており、それにつれて「エネルギー資源」や「鉄鋼・非鉄」も買われています。これらを含めてまさに景気敏感株オンパレードの上昇に沸いた週でした。

反対に値下がりセクターには「不動産」を筆頭に、「電力・ガス」、「情報通信・サービスその他」、「建設・資材」、「小売」などの内需関連株がそろって登場しました。

小売セクターの第2四半期の決算発表が始まっていますが、これが思いのほかよくありません。世の中に広がる消費の減退ムードに加えて、台風や雨続きの空模様でアパレル、外食は散々な状況です。

インバウンド消費も一時のブームはどこかへ行ってしまい、百貨店首脳からは悲鳴のような声も聞かれます。企業経営者が泣き言を言っても何も始まらないのですが、確かに今の状況は八方ふさがりに近い状態です。

それに対して輸出関連企業は徐々に明るさが増しています。世界経済にとって最大のリスク要因と見られていた中国がだんだんとよくなっており、他のアジア諸国も自国の株高に象徴されるように経済は上向きを維持しています。

ピンチはチャンス。リスクと見られていたものは、ひとたび好転すればそこには大きなチャンスが生まれます。マーケットでは不安定な状況が続いていますが、想像しうるリスクには実は怖さはさほどありません。本当に怖いのは想像もし得ないところに潜んでいます。

今月も米国の雇用統計は期待にとどかない水準にとどまりました。あいかわらず米国経済の行方を世界のマネー市場が議論し続けています。いつまで議論を続ければよいのか、この調子では先行きは誰にもわかりません。

世界はいまだリーマン・ショックに象徴される「百年に一度の経済・金融危機」から立ち直っていないことが如実に示されています。

明るい話題としては、マザーズやジャスダックなどの新興市場に活気が戻りつつあることです。年末に向けてIPO件数は増加します。JR九州(10月25日上場)の動向がカギを握ることになりそうです。

富山セミナーでもご参加いただいた多くの皆さまにたいへん暖かく迎えていただきました。本当にありがとうございました。セミナーが終了するたびにいつも思うのですが、日本のチカラは地方に備わっていますね。

山があり、海があり、空がある。富山はもちろん、日本の地方都市には美しい景色、おいしい食べ物、豊かな自然がふんだんにあります。日本が世界に誇るべきものは、このような地方都市の豊かさです。

次回は家族と一緒にゆっくりと休暇を過ごしに富山を訪れようと、今度もまたしみじみ思いました。

以上





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