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2016年9月11日 【先週のTOPIX 業種別騰落率】

「9.11〜あれから15年」

熊本、大分で発生した地震により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

鈴木一之です。「9.11」という単語がちらりと目に入るだけで身体と思考の活動がいったん停止します。米国人の92%はその日その時に、どこで何をしていたかを瞬時に思い出すそうですが、それは日本人の私も同じです。

世界を揺るがしたNY同時多発テロ事件からもう15年が過ぎたのですね。衝撃の傷跡は世界経済のいたるところに残っており、とても傷が癒えたとは言い切れません。

私はそれまで勤務していた証券会社を退社したばかりで、事件直後のマーケットの大混乱からはいくらか距離を置くことができたのですが、それでも「9.11」からイラク戦争に至るまでの、陰謀説を含めた情報の錯綜状態には少なからず巻き込まれました。

奇しくも先週末の米国株式市場は大きく下落しました。きっかけは長期金利の上昇です。木曜日の日銀・中曾副総裁の講演あたりから少し動きが変わってきたように感じましたが、週末にかけてドイツの長期金利が上昇し、それが米国にも伝播しました。この株安でFRBの利上げはますますむずかしくなってきました。

北朝鮮の核実験を今回のNY株価下落の原因とする意見も見られますが、それはたまたま日時が一致した出来事というだけと考えられます。日本や世界にとって北朝鮮が大きな脅威であることに疑問の余地はありませんが、それを今回のNY株安に結びつけるのは方向性が少し違うように思います。

一発で崩れたNYダウ工業株の下落寄与の上位は、キャタピラー(CAT)、ボーイング(BA)、コカ・コーラ(KO)、GE(GE)、インテル(INTC)などのグローバル企業です。景気敏感株とも言えますし、ドル高デメリット銘柄でもあります。

比較的下げの小さかったところは、ジョンソン&ジョンソン(JNJ)、メルク(MRK)などのディフェンシブ的な銘柄と金融株です。

日経平均先物(夜間)は16,660円まで下落しています。週明けはまずこの付近からのスタートとなりますが、米国市場の週明けを待たなくてはなりません。この株安で日銀には再び追加緩和要請の圧力が高まってきました。

先週の東京株式市場は、TOPIXが2週続けて上昇しました。非常に小さな上げにとどまっていますが、株価指数上ではしっかりです。

日銀のETF買いで支えられている、とばかり言われがちでもありますが、先週はマザーズ指数も大きく続伸しました。マザーズやジャスダックには日銀の買いは及びません。この辺りにマーケットの自律的な変化もうかがえます。

業種別では、TOPIX-17業種のうち12業種が値上がり。値下がりしたセクターは5業種にとどまりました。

値上がりの顕著だったセクターは「商社・卸売」、「エネルギー資源」が健闘しています。三菱商事(8058)、三井物産(8031)を筆頭に、総合商社、専門商社、半導体商社などが堅調です。出遅れ感もありますが、はっきりと景気敏感株を物色する度合いが強まっています。

また「小売」も久しぶりに上位に顔を出しました。J.フロントリテイリング(3086)、三越伊勢丹HD(3099)に始まって百貨店、スーパー、専門店がしっかりした足取りを取り戻しています。

小売セクターをいま、ここまで明確に買い進む理由がはっきりとしないだけに、逆に注意しなくてはなりません。卸売セクターの堅調と合わせて、これらの株価の動きは景気動向に対して何らかのポジティブ・ストーリーを語っているのでしょうか。

値下がりセクターには銀行株、鉄鋼株が入りました。先週までの堅調な動きに対して上げ一服となっています。円高で自動車株もモタモタしました。それにしても102円は「円高」、104円は「円安」というのも考えてみれば不思議な話です。

任天堂を筆頭にゲーム株が再びフィーバーの様相を示しており、そしてマザーズの躍進です。今週以降、再び市場全体が荒っぽい動きになりそうですが、こういう時は材料株と小型株が動きやすくなります。反騰を始めた日経ジャスダック平均や東証マザーズ指数の耐性に注目しておきたいところです。

以上







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