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日経平均が9連騰、1996年以来の高値、内外投資家の買い

2017年10月15日 【先週のTOPIX 業種別騰落率】

「日経平均が9連騰、1996年以来の高値、内外投資家の買い」

鈴木一之です。この季節、「ひと雨1度」と言われます。秋雨前線の影響でしょう。雨降りのたびに寒さがつのってゆきます。夕ご飯のテーブルに鍋物が恋しくなってきました。

秋の風物詩となったノーベル賞ウィークが過ぎ、日本人の4年連続の受賞はならず、少しばかり寂しく過ごした3連休明け。突如として日経平均が大幅高となりました。

連休明けの火曜日は、少し日経平均はマイナスで始まりました。それからは後場になると株価が上昇する「後場高」の繰り返しです。典型的な機関投資家の買い方です。

結果として、3連休をはさんで日経平均は9連騰。待望の21,000円の大台乗せを果たしました。1996年以来という、21年ぶりの高値に到達しています。

今回の株高の理由として、衆院選の公示がなされたとたんに「与党優勢」の世論調査の結果がメディア各社から一斉に報道されたことが一因と見られています。

「21,000円は通過点」と言われた割には大台替えにはそれなりに苦労しました。それがひとたび突破してみれば、連騰に次ぐ連騰です。少しばかりあっけにとられている、というのが正直なところです。

現在の株価上昇の背景には様々な見方、考え方がありますが、私は「世界同時好況」の一環なのだと思います。NY市場が前人未踏の高みに到達しており、いまだ上昇が続いています。それと同時に、新興国の株価もアジア、南米を軸にすこぶる堅調です。

日本の株価だけが「衆院選での与党優勢」を材料に上昇しているわけではないだろうと思いますが、しかし選挙戦序盤の情勢がひとつのきっかけを提供したのは紛れもない事実です。

消費税の増税が大きな論点となっている選挙戦において、与党が優勢に戦っているという事実からしても、実際の与野党の勢力図は相当の差が開いていると見るべきでしょう。

中国の共産党大会が目の前に迫っているというこの時期、北朝鮮もむやみにミサイル発射や核実験は行なってこないと踏んだ、安倍首相の判断が勝りました。希望の党は「排除」の論理を持ち出したことがいまだ尾を引いているようです。

選挙は極め付きの水ものなので、ここから情勢がどのように変わるかは誰にもわかりませんが、現状では与党の勝利はほぼ確実のようです。

あらためて先週の株式市場、TOPIXは5週連続の上昇となりました。昨年11月の米大統領選におけるトランプ大統領誕生、以来のことです。

セクター別では、TOPIX-17業種のうち13業種が上昇。4業種が値下がりとなりました。機関投資家の買いと見られるだけに、出遅れセクターの循環物色が顕著です。

上昇した業種は「運輸・物流」、「小売」、「情報通信・サービスその他」など、これまであまり値上がり上位に登場することの少なかったセクターが特に好まれて買われました。

日経平均が21年ぶりの高値に到達した週は、必ずしも自動車や電機セクターという花形業種が値上がりをけん引したわけではない、という事実そのものが重要です。

反対に値下がりした業種は、「鉄鋼・非鉄」、「エネルギー資源」、「銀行」、「金融(除く銀行)」が入っています。

鉄鋼株の値下がりは神戸製鋼所(5406)の安全基準のデータ偽装問題が尾を引いています。渦中にある神戸製鋼の株価下落は当然としても、他の鉄鋼株も一斉に売られています。

これは神戸製鋼の問題が他の高炉メーカーに波及したわけではありません。このところ上昇を続けてきた鋼材市況に変化が生じつつある点が影響しているものと見るべきです。

実際に鉄スクラップ市況が2週連続で軟化しました。中国が共産党大会の後もこれまでのような景気刺激策を続けるのか、少しナーバスになっているようです。

それでも株式市場は堅調です。ひとつには四半期決算が日米ともにここから始まるというタイミングがモノを言っています。

その前の週と同様に、任天堂(7974)が堅調です。それに加えてファーストリテイリング(9983)、ファナック(6954)、リクルートHD(6098)という主力銘柄も、毎週のようにしっかりした動きを続けています。

出遅れ銘柄ではキヤノン(7751)、京セラ(6971)、オリックス(8591)、日立(6501)、ブリヂストン(5108)が目立って買われました。コマツ(6301)は米国のキャタピラーの株価が快進撃を続けているのに連動して、こちらも大幅高となっています。中国経済は当面は安泰、ということなのでしょうか。

このほかにも半導体セクターが広範囲に物色されました。東京エレクトロン(8035)、アルバック(6728)、SUMCO(3436)が高いという事実だけで、世界経済は安泰であるという事実が伝わってきます。

「秋は魔物が棲む」と呼ばれる10月相場。今年はそこに「二日新甫」が加わります。その10月も今のところ株価は順調です。衆院選まで1週間、決算発表の本格化まで2週間。手がかり材料が少なくなる今週がひとつのカギを握っているように思います。

先週末は名古屋セミナーを開催しました。ここでもたいへん大勢の皆さまにご参加いただき、本当にありがとうございました。

会場が縦に長いレイアウトだったので、うしろの方にお座りの方は前方スクリーンが見えにくかったかと思います。たいへん失礼いたしました。これからは会場の形状を事前にスタッフに聞いて、それを考慮した見やすい資料を作成するように心がけます。

いつ訪れても名古屋は本当によい街です。名古屋の良さを表現するのはけっこうむずかしいのですが、今回ご参加いただいた方より明確な答えをいただきました。それをご披露させていただきます。

【名古屋のよいところ】

(1)所得水準が全国で2番目に高い(1番は東京)
(2)そのわりに物価が安い
(3)日本列島の真ん中にあるため、物流の拠点で高速道路が発達している
(4)そのために北陸、関西、東京、どこに行くにも短時間で行ける
(5)言わずと知れた、自動車王国である
(6)そのために産業が集積し、就職口が豊富
(7)そのために高卒・大卒間の所得格差が小さい
(8)工業の発達に隠れがちだが、農業も盛んである
(9)これも物価の安さにつながる、食生活が豊か
(10)上記すべてを総合して、生活がすこぶる楽である

お話をうかがってなるほどなあと痛感いたしました。名古屋に暮らした人が名古屋から出たくなくなる、という理由も少しわかったような気がします。

名古屋をはじめ、またセミナーで全国各地におうかがいいたします。ぜひその土地の自慢話をお聞かせください。それが何よりも楽しみです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

以上





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