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衆院解散・総選挙が急浮上、株価はすべては消化しきれず

2017年9月24日 【先週のTOPIX 業種別騰落率】

「衆院解散・総選挙が急浮上、株価はすべては消化しきれず」


鈴木一之です。日本は一気に解散・総選挙モードに突入しました。それによって株価は大きく揺さぶられる展開となりました。

1週間前の日曜日、「敬老の日」の3連休。九州に上陸した台風18号が日本列島を縦断するとの予報が全国に鳴り響き、大雨の被害がまたもや出るのかどうか、私を含めて大方の日本人の関心ごとはそれだけに注がれておりました。

テレビのニュースをつけっぱなしにしていたのは、外出もままならず台風の進路が気になっていたからです。


そこに何げなく流れてきたのが、「安倍首相は臨時国会冒頭での衆院解散を模索している模様です」とのニュースです。あまりにさりげなく報道されたために、最初はアナウンサーが何を言っているのか、すぐにはわかりませんでした。

そこから日本列島はいやも応もなく、一気に総選挙モードに突入したのです。


本日(9月24日)はドイツの連邦議会選挙の投票日です。状況が状況ならば、欧州におけるポピュリズム政党の躍進がどの程度になるのか、それがマーケットの関心を一手に集めていてもおかしくない状況です。

フランス大統領選で極右政党の退潮がはっきりとして、その後はもはや誰もそんなことに気をとめなくなりましたが、少なくとも日本において、この時期に政局の行方がここまで前面に出てくるとは。


1週間前の時点で果たして誰がその点を考慮していたでしょうか。それほどまでに唐突な感のある今回の解散・総選挙です。

株価は連休明けの火曜日にさっそく反応し、日経平均は一気に2万円の大台を回復しました。しかしその後は日を追うにつれ、当初の反応ほどにはかんばしいものではなくなってきました。


今回の選挙の争点は、北朝鮮問題、消費税引き上げと税収増分の使いみち、そして憲法改正です。いずれの論点においても、日本の将来を本当に大きく左右することになります。それなのに現状では、政権与党に正面から論戦を挑んで勝てる見込みのある野党は、今のところ見当たりません。

唐突な感の否めない今回の衆院選ですが、日本の将来を見る上で、きわめて大きな分岐点に立たされていることが図らずも浮かび上がりました。


過去の経験では、「選挙と株価」は良好な関係を持っていることが知られています。しかし今回に関しては、論点のあまりの大きさから見て、これまでのようにすんなりとはいかないようにも感じます。

あくまで個人の感覚であって、まったく断言はできません。週明け月曜日の安倍首相の解散表明の記者会見と、その後の世論および市場の推移を見るしかありません。

先週の東京株式市場では、TOPIXが続伸しました。3連休明けの大幅高が効いています。週をまたいで日経平均は4日続伸となりました。


衆院解散のほかにも、FOMCにおけるFRBの資産圧縮の表明、そして北朝鮮による太平洋上での水爆実験の示唆、新型iPhoneの不調など、株価への重要な材料が噴出した週でもあります。

ただしいずれも材料としては未消化の状態で、株価は不安定な動きとなっています。


セクター別では、TOPIX-17業種のうち13業種が上昇し、4業種が値下がりしました、

上昇した業種は「エネルギー資源」、「銀行」、「不動産」で、これまで出遅れ感の強かったセクターが集中して買われました。

反対に値下がりセクターとしては、「鉄鋼・非鉄」、「素材・化学」、「小売」など、これまで堅調さを保っていたセクターが下落しました。プラスとマイナス、ちょうどコインの裏表の関係で、これだけでマーケットの変化を示しています。


米国の長期金利が上昇を続けており、これはこれで大きな地合いの変化を物語っています。こうなると株式市場でも、売られていたものが買われやすく、逆に買われていたものが売られやすくなります。


実際に、これまでしっかりしていたNTT(9432)、花王(4452)、資生堂(4911)、ポーラオルビス(4927)、コーセー(4922)、マツモトキヨシHD(3088)、それに住友金属鉱山(5713)が目立って値下がりしています。

反対に買われている銘柄には統一感がなくなって、純粋なる個別銘柄の物色が一段と範囲を広げています。


さまざまなものが一度に動き出してきました。銀行・生損保の上昇がどこまで続くのか、自動車株の物色も再開されたのか、アップルの株価下落は日本には影響はないのか。まもなく始まる2月決算の小売セクターの業績はどこまで反映されているのか。

どの疑問ひとつをとっても、明確な答えがすぐには見つかりません。こういう時は経験上、「ほふく前進」しかありません。

すなわち日々、午前9時にその日の相場想定を立てて、それを日々の午後3時の結果によって検証して、より確からしい道筋をいくつか見つけ出していく方法です。「全体は個別の集合体である」という帰納的な方法です。頼るものは自分の「目」です。「耳」ではありません。


大阪セミナーも無事に終了しました。本当にたくさんの皆さまにお越しいただき、ありがとうございました。波乱の大相撲秋場所も本日が千秋楽です。この時点ではまだ結果は判明しておりませんが、大阪出身の大関・豪栄道の優勝を願ってやみません。

以上





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