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2019年02月28日公開

日本酒をさらに楽しめる燗酒とは?特徴や作り方を徹底解説

日本酒をさらに楽しめる燗酒とは?特徴や作り方を徹底解説

日本酒には、さまざまな飲み方があるのは知っている人も多いでしょう。日本酒の種類や、飲む人の趣味嗜好により、選ばれる飲み方は異なる場合があります。ただ、数多ある飲み方の中で、さらにおいしく飲みたいのであれば、一度は燗酒を試してみてはどうでしょうか。今回は、その燗酒の作り方や特徴について解説していきます。

燗酒って何?

燗酒とは、日本酒を温めて飲む飲み方の総称です。日本酒は、温度帯を変える飲み方が一般的となっているという意味では、世界的にも珍しい酒です。基本的には、温度帯を変化させると、香りや味わいも変化していきます。日本酒を温めることは、「燗をつける」と呼ばれています。

熱燗が嫌われるのはなぜ?

日本酒自体は好きでも、燗酒は嫌いと公言する人を見かけたことがある人もいるでしょう。想定される理由のひとつには、吟醸酒の流行があります。吟醸酒は、香りが強めの日本酒です。冷やして飲むほうが香りが落ち着く日本酒の性質を考慮すると、確かに冷やして飲んだほうが味わいやすいという意見は一理あります。そこから、「吟醸酒=冷やして飲むのが正しい」という図式が出来上がっている人もいます。そして、吟醸酒を好んで飲む人は、自然と燗酒が嫌いと公言するようになるのかもしれません。

ただ、吟醸酒の中でも「味吟醸」という種類は、40度程度の温度に温めたものであれば、むしろ風味豊かに飲めるようになるとされています。ひとくちに吟醸酒といっても、すべてが燗酒に向かないというわけではありません。さらに、もうひとつ想定される理由があります。それは、過去に大衆居酒屋で燗酒の中でも一番温度が高い飛び切り燗を飲んで、苦手意識を持ってしまったことです。大衆居酒屋で出されるような、銘柄も何も書いていない日本酒は、多くの場合値段の安いものです。

この日本酒は、総じて飛び切り燗にすると、香りも味わいも熱で飛んでしまい、ただのおいしくない燗酒になってしまいます。これを飲んで、「日本酒はおいしくなく、特に燗酒は駄目だ」というイメージを持ってしまった人が、燗酒を嫌う傾向にあるのでしょう。

また、酒に弱い人も燗酒を嫌うことがあります。これは、日本酒は燗酒のほうが早く酔いがまわりやすいため、いつもと同じように飲んでいるのに、なぜか燗酒を飲んだときだけすぐに酔うと感じるからでしょう。このようなパターンの人には、ゆっくりと飲むようにすすめると、嫌悪感が改善されるかもしれません。さらに、燗酒のみを口にするのではなく、食事をしながら飲むと酔いがまわりにくくなります。

燗酒の温度の種類

燗酒は、温度帯により名称がさまざまあります。55度程度の一番熱い燗酒は「飛び切り燗」といいます。巷の価格帯が低めの居酒屋などでは、燗酒もしくは熱燗と注文すると、この飛び切り燗が出てくることが多いです。本来の「熱燗」は、50度程度に温められたものを指します。これより温度が低い燗酒は「上燗」(45度程度)、「ぬる燗」(40度程度)、「ひと肌燗」(37度程度)と呼ばれ、少しだけ温めた燗酒は「日向燗」(30度程度)といわれます。日向燗の30度程度が、燗酒の最低温度です。

燗酒に向いた日本酒の選び方

基本的には、燗酒にするのであれば、温めると香りや味わいがよくなる種類の日本酒を選ぶことが望ましいです。これに向いている種類では、まず純米酒系のものが挙げられます。純米酒系は、米、米麹、水の3種類のみを使用して醸造される日本酒です。特に、醸造アルコールが加えられていないため、燗酒にすると、米本来の甘さや香りが引き立ちやすいとされています。また、純米酒系の中でも、「生もと造り」や「山廃仕込み」と書かれたラベルが貼ってある日本酒が燗酒により向いています。なぜなら、この2種類は旨味のもととなるアミノ酸が多く含有されており、温めることでその旨味がさらに引き出されるからです。

純米酒系を燗酒にする前には、その酸度もチェックしてから飲むとよりおいしく飲めます。一般的に、酸度が高いほうが、燗酒にすることでコクが出やすく、その結果味わい深さを感じることが可能です。ただ、ひとつ注意しておくべきことに、純米酒系は熱めの燗酒にはあまり向いていないというものがあります。熱めだと、辛みが際立ってしまうため、味が分かりにくくなる傾向が強いです。飲みやすい燗酒の温度の上限は45度程度とされていますが、辛口が好きな人はこれを逆手に取り、あえて熱めの燗酒にして飲む方法もよいです。

上燗や熱燗で飲みたいという人は、純米酒系ではなく本醸造酒系を選ぶとよいでしょう。本醸造酒系は、醸造アルコールが添加されています。これには、温めても味を安定させる作用があるため、上燗や熱燗でも飲み口がまろやかで飲みやすいです。

燗酒を作る方法は?

燗酒を作る方法は、2種類に大別されます。ひとつめは、「直火燗」というものです。鍋やフライパンなどに直接日本酒を入れて温める方法です。一度に多量の日本酒を燗酒にすることができます。しかし、底のほうは熱すぎるのに、水面はそこまででもないといった温度のムラができやすいです。さらに、アルコールが揮発して、思ったより辛口になってしまったり、底が焦げ付いたりすることもあります。味を楽しみたい人には、不向きな方法かもしれません。

もうひとつの方法が、「湯せん燗」というものです。酒器に日本酒を入れ、水やお湯を張った鍋で温める方法です。そして、ここから3つの温め方に分かれます。ひとつが、水から沸かす方法です。これだと、水が温まっていくにつれて、日本酒の香りも徐々に飛んでいってしまうため、あまりよいものではありません。反対に、熱湯につけるという方法もありますが、この場合急激な加熱でアルコールの臭いが強くなってしまいます。さらに、熱湯から出した後も、温まった酒器が中の日本酒を温め続けてしまい、飲みたい温度で飲むことが難しくなります。

一番よいとされている方法が、80度程度のお湯につけるというものです。80度は、アルコールが揮発する温度よりも低いため、おいしくまろやかな燗酒を作ることができます。このとき、おちょこを徳利の上に乗せて一緒に温めると、よりおいしく飲めます。また、燗酒を作る際の日本酒選びも大事な要素です。たとえば、飛び切り燗が飲みたいのに、それに合わない日本酒を選んでしまうのはもったいないとさえいえるでしょう。当然ながら、日本酒の種類によって燗酒にした際の味や香りは異なり、どの温度帯に温めるかによっても変わってきます。

たとえば、飛び切り燗と熱燗は、辛味が際立ち、キレのある味と表現されることが多い燗酒です。上燗とぬる燗は、日本酒の香りが引き立つため、香りを楽しみたい人には向いています。人肌燗は、味に膨らみが出るといわれ、日向燗はほんのりとした香りを感じられる燗酒となっています。これらはあくまで目安ですが、参考にしつつ燗酒の自分に合った最適な温度を探ってみてもよいでしょう。最適な温度については、自分の目標の温度にプラス1度から2度上を目指すのが望ましいとされています。この理由としては、徳利からおちょこに注ぐ際、空気に触れて温度が下がってしまうことが挙げられます。飲むときの温度を最適な温度と設定して、燗酒を作るようにしましょう。

電子レンジで手軽に熱燗を作る方法

自宅で燗酒を作る際、道具を準備したり、温度計でしっかりチェックしたりすることがわずらわしく感じる人もいるでしょう。実は、燗酒は電子レンジで手軽に作ることが可能です。手順としては、まず容器を2つ用意し、片方に日本酒を注ぎラップをかけます。そして、電子レンジで温めます。このとき、温度設定機能がついている電子レンジであれば、目標とする温度より5度高く設定するようにしましょう。温度設定機能がない電子レンジの場合は、途中で取り出して温まり具合を確認します。温度計がなくても、だいたいこのぐらいでよいと感じることができれば、問題ありません。

また、加熱している間に、もう片方の容器に水を入れておくことを忘れないように注意しておきましょう。そして、加熱が終わったら、ラップを外して、水を入れた容器に入れます。水を入れるほうの容器は、温める容器よりも大きいものを用いるようにすると、冷やしやすくなります。容器に入れたら、15秒から20秒間そのままにしておいてから引き上げて完成です。この工程の持つ意味には、電子レンジでの加熱は日本酒を急激に温めてしまった結果、味や香りに雑味が出るところを、冷ますことで緩和させられるというものがあります。また、電子レンジの加熱には、出来上がった燗酒の味のムラを生じさせる作用もありますが、これも冷ますことで取り除くことが可能です。

温める際に、目標より5度高く設定するのは、冷ますときに約5度下がってしまうのが理由です。また、温める容器は、耐熱で大きめのものであれば基本的にどれでも使えます。ただ、マグカップやそば猪口を使えば、おちょこにも注ぎやすくて使い勝手がよいでしょう。

まとめ

燗酒には、まず日本酒選びが肝要です。居酒屋の中には、日本酒に特化した店舗もあり、定額で時間制限なく飲めるところもあります。まずは、そのような日本酒が味わえる店舗に赴き、さまざまな日本酒を味見してみると、自分に合ったものが見つかる可能性は高いでしょう。燗酒は、温度帯によっても香りや味が変わります。好きな日本酒に巡り合えたら、次はおいしく飲める温度帯を探してみるとより楽しめるでしょう。そして、ここで紹介した方法で、自宅でも燗酒を作って飲んでみると、高い満足感や新たな発見が得られるかもしれません。

本格的に作るために、酒器や鍋などにこだわるのもよいですし、手軽に電子レンジで作るのもよいでしょう。日本酒は、燗酒だけでなく常温や冷酒という飲み方もあります。日本酒の種類に合った飲み方ならびに、自分が好む飲み方を複合的に組み合わせて、自分なりの最高の1杯を探すのも楽しいでしょう。



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