早春スケッチブック

番組詳細

2019年04月01日放送

第1話・第2話

第1話

横浜市郊外、相鉄線希望ヶ丘駅近くの住宅地、坂の上に望月省一(河原崎長一郎)の家がある。
信用金庫支店課長のささやかな生活である。妻の都(岩下志麻)と再婚して十年。
当時妻に死なれて省一が抱えていた娘良子(二階堂千寿)もいまは中学一年、都の連れ子だった和彦(鶴見辰吾)は高校三年になり、実の兄妹同様に暮らしている。
大過なくまじめに勤めを守るサラリーマンの省一、花屋のパートで働きながら家庭を守る都、大学受験を控え小市民的分割をいつしか身につけたおとなしい和彦と勝気な良子、生さぬ仲の事情はあっても、平和で幸福な家族であった。
ある日、代々木の予備校の日曜テスト受験に来ていた和彦に、声をかけた美しい女性があった。
明美(樋口可南子)である。アルバイトをしないかと強引に和彦を誘い、電車の中までついて来た明美は、ためらう和彦を車に乗せてどこか緑の多い住宅地の奇妙な洋風の古びた屋敷に連れ込んだ。
明美の美しさにひかれ、恐れと好奇心にためらいながら、荒れたたたずまいのその家にはいった和彦に、明美は応接間の掃除を命じるとどこかへ出かけてしまった。
と、廊下の奥から、異様な風貌の初老の男(山崎努)がやってきて、乱暴な口調で和彦に声をかけた。酔っているらしいが、強烈な印象だ。
和彦の分別を罵倒するその男、写真家沢田竜彦は、なぜ和彦を呼び寄せたのか?。

第2話

暮れも迫った十二月下旬。
都(岩下志麻)はいつものように花屋のパートに出かけ、中学一年の良子(二階堂千寿)は上級生に呼び出されていて出ていった。
鎖を手に巻いて、一対一の喧嘩をするために。
事なかれ主義の兄の和彦(鶴見辰吾)と違い、それが良子の突っ張りの気質だった。
一人残って受験勉強をする和彦を、この前の謎の美人明美(樋口可南子)がたずねて来た。
もう一度、例の西洋館に来てあの男(山崎努)に会ってくれという。
断わる和彦に、大事なことだからと明美は念を押し、和彦にいきなりキスをしてゆく。
良子は頭に怪我をして帰ってきた。都に心配だから見にゆけ、といわれながら妹を助けにゆかなかった和彦だが、父の省一(河原崎長一郎) は、実の子の良子の突っ張りよりも、和彦の分別をほめる。
省一は会社で、規則を破ってマイカー通勤をしていたということで、支店長に叱られ、部下の前で詫びをいわされていた。
刺激的な明美の誘いが頭にちらついて勉強が手につかなくなった和彦は、思い切って例の廃屋のような西洋館をたずねてゆく。
男は庭で焚火をしていたが、前の時とは違い、もの静かに語りかけ、自分の仕事のカメラのことなどを話す。
写真雑誌で明美のヌード写真を見つけた和彦は、編集部に問い合わせて明美に連絡をとり、明美と会って男のことを問いつめる。
男はカメラマン沢田竜彦、死んだと聞かされていた実の父親だった-。


©フジテレビジョン


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