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2017年07月08日

世界的な金利上昇の影響が続く

2017年7月9日 【先週のTOPIX 業種別騰落率】

「世界的な金利上昇の影響が続く」

鈴木一之です。九州北部の豪雨に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

梅雨も明けぬ先週のはじめ、日本列島に観測史上2番目の早さで台風が上陸しました。

台風そのものは驚異的なスピードで本州を通過しましたが、それからずっと九州北部では前線が停滞し、大雨が続いています。

異常気象がここまで異常さを増すと、もはや私の言葉ではそれを表現することができません。月並みな言葉しか思い浮かばず、本当に申しわけない思いになります。たいへんな状況ではございますが、できる限り早く以前の暮らしを取り戻されることを心より願っております。

先週のTOPIXは4週ぶりに下落しました。下落と言っても小さなものにとどまっています。

月曜日に判明した東京都議選での自民党の歴史的な敗北。その影響がどこまで及ぶのか、まったく見当もつかないという状況でスタートしましたが、結果論を申せば、国内政治の状況はこれまでのところさほど影響はしていないように見えます。

しかしそれ以上に、世界中で始まっている長期金利の上昇にマーケットは神経をとがらせています。前週半ばに伝わったドラギ総裁の「デフレ終息宣言」。そこから各国の長期金利が上昇を続けています。

最大の焦点となっている米国・Nasdaqの動向、独立記念日にぶつけられた北朝鮮のICBMの打ち上げ成功、週末のG20でのトランプ大統領の傍若無人な振る舞い。警戒信号は山ほどあります。

前提条件が大きく変わろうとしています。マーケットはその羽音に恐れ、じっと事態の推移を見守っているかのようです。政策金利を引き上げても実勢金利は上がらない「イエレン・コナンドラム」なる論点はかき消えてしまいました。

先週のTOPIX-17業種では、上昇が6業種、下落が10業種、そして珍しいことに「変わらず」が1業種(銀行セクター)となりました。

値上がりトップは2週連続で「鉄鋼・非鉄」でした。金利上昇による資金の流れの変化を映してバリュー株の人気が続いています。

値上がり第2位が「自動車・輸送機」です。米国の長期金利の上昇→ドル高・円安(6週間ぶりの水準)という、ここでも資金シフトの痕跡が見られ、自動車セクターが軒並み続伸しています。

自動車株はバリュー株の一種と言うこともできそうです。配当利回りの高い「商社・卸売」も小幅続伸しています。

反対に値下がりセクターでは「不動産」の下げが目立ちました。金利の上昇にとりわけ弱いセクターです。

同じく金利上昇に弱いとされている「銀行」や「金融(銀行除く)」は、反対にしっかりしています。

マイナス金利、ゼロ金利から脱出して、少しでも金利がつく状態に入ってくれることをいまや心待ちにしているという様子がありありとうかがえます。この点でも「経済の正常化」が始まってることが見てとれます。

それにしても先週は、「小売」セクターの下げが特に厳しかったように見られます。その前の週のしまむら(8227)、ニトリHD(9843)に続いて、先週はローソン(2651)、ABCマート(2670)、良品計画(7453)、薬王堂(3385)、ウエルシアHD(3141)、セブン&アイHD(3382)などが、決算発表を機に次々と急落しました。

小売セクターの密接な関係にある乃村工藝社(9716)も、減益決算を発表して市場に驚きが走りました。

2月決算企業の業績は、それに続く3月決算企業の前哨戦と言われています。実際にはそれほどの先見性はないというのが実情なのですが、しかしここまで決算発表で下落する銘柄が多いと、市場では気にならないはずはありません。必ず気にします。

好決算、好業績を謳歌してきた株式市場にどこまで警戒感が広がるのか、そうではないのか、今週はその辺りを注意して見てまいります。

現在、日曜日の午前9時。京都に来ています(そのためグラフを少し省略させていただきます)。

驚くほどの外国人観光客の数です。日本人の姿は2割程度ではないかと思うほどです。外国人の間をぬって街なかを歩いています。

インバウンド消費の威力はものすごいですね。これはもはや日本ではない、どこかほかの外国に来ているような感覚です。2020年7月、東京五輪の開幕前後の東京もきっとこんな状態なのでしょうね。うれしい悲鳴とはまさにこのことです。

以上




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